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異世界交換日記事情  作者: りく
霜月
9/26


霜月3日


 今日は、珍しく仕事中のジルに会った。いや、見た?

 一緒にいたのはキラキラした人だった。ジルが、守っている?人だと思う。

 だから、王子様だったのかな。と思います。

 リドル様、誰だったんでしょうか?




霜月4日


 キラキラした人、と言うだけで誰だかわかるはずはないでしょう。

 ジルが仕えている人、と言うことであるなら、第一王子のコンラッド王子です。

 彼は、王妃譲りの見事な金の髪に、美しい翡翠の瞳で、大変整ったお顔立ちをしています。まだ成長期ですから、ジルの肩にやっと届くくらいの身長で、貴女とそう変わらないかもしれません。もし、それらしい方を見かけたら、貴女はすぐにその場を立ち去りなさい。不躾に王子を見るなんてことは、不敬にあたりますから、間違っても目を合わせないように。そっと、目立たぬように立ち去るんですよ。

 くれぐれも、王子に近寄らないように。貴女がうかつなことをすれば、ジルや私の迷惑になるということを、心してください。

 

 



  

 でも、リドル様、これは不可抗力、と言うやつなのです。


 目の前に立つキラキラしい人を前に、何とか溜息をかみ殺す。

 ニコニコ笑顔で、廊下の真ん中に立ち塞がっている人は、一般的にきっと見事と言っていい眩い金の髪に、宝石のような翡翠の瞳。その目線は、ほとんど私と同じ高さ。それでもってついでに、ちょっと幼さが残るものの、綺麗な顔立ちをしている。いわゆる美少年。後、5,6年もすれば、子供向けの絵本に載るような白馬の王子様にぴったりの容姿だ。


 目を合わせない、って無理です。だって、まん前にあるんだもの。目立たぬように立ち去る、って、どうすればいいの? だってもう、こんなにばっちり目が合ってるのに、今さら。


「君がジルの子猿だね」


 母国語じゃないので、いまいちヒアリングは得意じゃない。

 うん、だからきっと聞き間違い。

 なんだろう、今の、幻聴かしら。


「子猿、どうしたの?」

 

 やばい。思いっきりぶん殴りたい。

 でもダメ。ジルに迷惑かけちゃう。仮にもこれはジルの上司。私より若そうだろうがなんだろうが、多分おそらく一国の王子さま。

 我慢よ、我慢!


「耳が聞こえないのかい? 猿だから理解できない?」


 ぶちんっ、と何かが切れた。


「ジ」

「ん?」


『ジルのド阿呆!!』


 我慢できず、母国語で大声で叫んで逃げた。

 





霜月5日


 王子様にはもう二度と会いたくないです。



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