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異世界交換日記事情  作者: りく
果月
4/26

果月29日


 あしたはお休みです。

 4日のアイダお休みです。

 女官のイチバンエライが休みだといいました。

 ジルもお休みです。

 1日いっしょです。

 マツリにつれて行ってアゲマス。

 ためたカネでおやつを買ッタ。

 それから、休みだからべんきょうも休みです。






果月30日


 女官長に言われて、明日から4日間お休みをいただきました。

 ジルも1日だけ休みが重なっています。その日に、彼にお祭りに連れて行ってもらいます。

 お祭りでは、今まで貯めたお金でおやつを買う予定です。

 お休みの間も、頑張って勉強します。


 正しくは、以上です。

 やはりたった4行の内容ですね。態と改行して行数を稼ぐような小賢しい真似はおやめなさい。

 まあ、勉強を頑張りたい気持ちはよくわかりました。ですが、折角のお休みです。

 いくら仕事が休みで、丸一日時間があるとは言っても、4日間日記を書くのは大変でしょう。

 せっかくですから、ジルと一緒の休みくらいは、貴女も存分に楽しんでください。

 そういうことですから、頑張って、3日間分の日記を書いてください。楽しみに待っていますよ。






 食堂で朝食を終え、一旦王宮内にある侍女部屋に戻って、さあ家に帰ろうと元気よく扉を開けたら、目の前ににっこり笑ってノートを差し出すリドル様の姿があった。


「おはようございます。出発前に間に合って良かった。

 このノートをお返ししておきます。頑張って色々書いてきてください」

「は?」


 昨日は、確かリドル様にお夜食を出した時に、どさくさにまぎれてノートを渡したはずだけど?

 リドル様、昨夜は急ぎの仕事で忙しいって話じゃなかった?

 それなのに、なんでこのノートが目の前にあるの?


「さあ、休暇を楽しんでくださいね」

 にっこり爽やかな笑顔を向けられて、かなり強引にノートを押しつけられ、うっかり受けとってしまう。

「お土産、楽しみにしていますよ」

 これでもかというほど笑顔を振りまいているリドル様と、ばっちり目があった。


 充血していた。

 目の下は、くっきりはっきりした、くま。


 まさか、徹夜? 仕事して、さらに私の日記読んで、コメント付けて朝早く返しに来たの?


「が、頑張ります」

 引きつった笑いで、そう答える以外、何ができただろう?





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