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あの日夢見たワールドエンド  作者: 霧島 祐樹
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昔の物語~それを人は序章と言う~

爽やかなファンタジーです。よろしくです。

序章

 俺こと春谷風太は高校二年生となり平和な高校生活を送っていた。クラスに友達が居て、部活も順調で幸せな日々。・・・・勉強は知らない。 

 そんな僕は普段通りの帰り道を歩いていた。

 日常が続くと思っていた。

 そう、謎の美少年が現れるまでは。

 そいつは突然現れた。拳銃を構えて。

「僕らのために死んでくれないか?春谷風太君」

 笑顔でそう言った。何言ってんだこいつ。やばい逃げよう。振り返って全力でダッシュした。裏道や他人の家の庭をつっきてひたすら走り続けた。ぶっちゃけ犯罪すれすれだけど生き残るの優先だ。そうして10分くらい逃げて学校へたどり着いた。さすがに学校までくれば不審者も来ないだろうという考え。割と天才的な発想なのではないだろうか。

「別に不審者から逃げる才能とか要らないんだけど。」

 息を切らせて独り言を呟く。 

「いや、逃げれてないけどね?」

 美少年がいた。それも白い翼を生やして目の前に。

「は?どうなってんの、これ。」

 意味わからな過ぎて自然と言葉が漏れた。

「簡単に言うとね。僕は異世界からやってきた使者なんだよ。」

 なんか小説でよく見るなあ。こんな展開。

「あれ?あんまり驚かないね。」

 ありきたりすぎるしそれに。

「翼生やして空を飛んでいるのを目撃したら納得するしかないっつーの。」

 目の前に浮いてる人間がいるし。

「なるほど、それもそうだね。」

 へらへら笑いながらそんなことを言う。その顔がすごいむかつく。

「むかつくから殴って良い?」

「は!?何言ってんの!?そんな訳ないじゃん。」

 すごい剣幕で怒られた。恐っ、怒った美少年って超恐い。

「なんか情緒不安定だね。」

「そんなこと言われる筋合い君には無くない!?」

「キャラ崩れているよ?」

「君にそう言われるほど僕と会話してないよね!?」

 いや、最初に現れた時ってもっと天使っぽさが有ったし。でもこうしてみると普通に人間っぽい感じがする。

「もう話が進まないから先へ進めるよ?」

 クソっ逃げられないか。こうして与太話をしてたら誰か一人くらいここを通り過ぎるかと思っていたのに。

ーーーーーーあれ?おかしくないか?今は少し遅いとは言えまだ6時だ。なのに校門に誰も来ない。空を飛ぶ少年が居るのに誰も騒がない?そんなこと有るのか?冷たい汗が体を流れる。それが見えたのか目の前の少年は思いっきり顔を歪めて高らかに叫んだ。

「ククク。ようやく気付きましたか?ほんっとうに間抜けですねぇ。あなたは!!」

「このまま会話で時間を稼げば助けが来るとでも思いましたぁ?私をおちょくりたおせてたと思ってましたぁ?そんなの私が会話に乗ってあげてただけに決まってるじゃないですか。この馬鹿が。人払いの結界は設置済みだっつーの。」

 こいつ、ここぞとばかりにテンション上げてるな。言葉遣いが乱れてる。とは言え割とこれはまずいのではなかろうか。マジで助かる手段が思いつかねぇ。

「さて逃げる才能(笑)に溢れた少年が絶望したところでお話をしましょうか。いや別に良いんですよ?逃げても。追いかけ続けるだけなんで。」

 やっぱこいつ根に持ってるな。

「良いよ。話を聞く。」

 あきらめて話を聞く。

「さて、まず僕の名前はヨシュア。僕はこことは違う世界からやってきた存在です。・・・そうですねあなたたち風に言うなら天使というべきですかね?」

「天使って言ったら少女なんじゃ・・・」

 思わず突っ込んでしまう。

「そう言うのは偏見っていうんですよ?後、性癖もれてません?」

「いや、この世界にいる人の殆どは天使=少女だと思ってると思うんだけど?」

「ドン引きですよ。まあ、良いでしょう。」

 顔が引きつったままだぞ、こいつ。

「僕たちの目的は簡単に言ってしまえば僕たちの世界ユートピアを救ってもらうことです。」

 うっわ、ありがちすぎる。使い古されたテンプレ感。

「いや、どう考えてもお前らの方が俺より強いだろ?なんでお前ら自分でやらないの?」

「僕たちはユートピアにおいて観測者でしかないんです。この力は観測者であることを条件に与えられたものなんです。」

「観測者?」

「そう。観測者。ユートピアにおいて世界の行く先を見届ける者。あくまでこの力も自らの身を守るための力だし。大丈夫。君にはあの世界の力に対する適性もしっかり有るから。」

 そう言ってヨシュアは腰から拳銃を引き抜く。

「とろしくね」

 彼の手が拳銃の引き金を引く。

 体が熱くなる。

 熱が、血が、意識が体から抜けていく。


 あ・・・これ死んだわ。


 意識が暗闇に落ちていく。


 頭の中に映像が流れている。


 友達のこと。


 家族のこと。


 好きなあの子のこと。


 そしてすべての映像が流れた後、暗闇が僕を包み込む。


 頬を撫でる風が鬱陶しくて目が覚める。そこに広がっていたのは、どこまでも深く、澄んだ青空だった。


ゆるくいきたい今日この頃

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