かなしみをとりだして抱いてあげる
金柑が走り出した
プシュっと弾けて
溢れ出すキミの言葉
かみしめている
甘くて爽やかで
苦くて引き締まる
抜け落ちていった雫は
二度と復元しないんだ
優しさはいくらでも
きれいに飾れるけれど
かなしみは終おうとする
大切にしてあげる
小さい音大きい音
忘れたくない曲忘れてしまう曲
ピアノの鍵盤が浮き上がり破裂する
突き刺さる角度が教えてくれる
無駄なものなんてないのかもしれない
皮も実も香りも種も毒でさえ
受け容れられない
そうだとしても
今はそうだとしても
心の宇宙も未知だから
根拠のない言葉を吐いて
歪んだ星が再生するよ
かなしみをとりだして抱いてあげる
癒えるなんて言えないけれど