異世界・二日目(2)
「依頼達成でございますね」
受付の人は俺がギルドに報告すると、事実確認を行い始めた。それが終わるとギルドカードを提出するように求められたから、手渡すと何やらの処理を終えて、そんな言葉と共にカードを返却してくれたのだった。
裏家業、そんな言葉が依頼書には書いていたので依頼内容について質問したいことは多々あるが触れる気にはなれなかった。
報酬に銀貨一枚を頂いた。
「ギルドカードが白の俺には、少し破格な報酬ではありませんか?」
「これは私から貴方への信頼の上乗せ分を加味した結果です」
受付に身を乗り出して、耳元でこそこそと小声で質問をしてみたら笑顔でそのように返されてしまい深くは追求しなかった。だが、おかげで先程の依頼の本当の目的が判明したな。俺が巾着袋の中身を盗まないか、しっかりと依頼を達成するのか、その他にもあるが要は、素行調査といった感じなのだろう。
銀貨一枚で何ができるのか、安い宿ならば銅貨30枚から泊まることが出来るはずだ。ギルドの掲示板には広告のような紙が貼り出されており、そんなお得情報は大抵ここで掴める。
それは豆知識の一つとして置いておき、俺はこの街の宿にいる。
安い宿ではなく、もう一つほどランクを上げたところである。差ほど代わりはないとも言えるが朝と夕方にご飯が出てくると言うのが決め手だった。銅貨40枚でした。
ちょっとした交渉の末、夕方と次の日の朝にご飯が食べられるように変更してもらった。
二日目はとりあえず宿と食事の確保に成功したので、無理して依頼を受ける必要はなくなったが、残りの金銭ではもってプラス1日しかない。
ギルド行って、依頼書でも見に行くとしようかな。