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私はアイドル令嬢  作者: あんぽんたん
3/4

私はライブの余韻に浸る

「…みんなぁー!!!アンコールありがとぉおー!!!次で本当に、本当に!最後の曲です。」



大勢の観客の視線はステージに立つたった1人に釘付けだ。彼女に惜しみない歓声が送られ続ける。こんなにも楽しい時間が終えてしまうことに悲しささえも感じている。


「この曲は、私にとって、とても大切な曲です。きっと、この曲がなかったら今私はここにいないと思います。聞いてください…テレビアニメ《ペニキュア》の主題歌で《輝けペニキュアハート》……。」





********************




「はぁー。お母様、オペラやクラシックしか行ったことなかったのだけど、意外とああいう歌手の方のコンサートも良いものねぇ〜。佳乃ちゃんのおかげで、とても楽しかったわ!…佳乃ちゃん?」



お母様と帰りの車。

なんと!私はついさっきまでペニキュアの主題歌を歌っているアイドル小松れみさん(通称れみりん)のライブにお母様と行って来たのだ!


あの後、私の必死の懇願にお父様もお母様もびっくりしていたのだが、佳乃がそんなに言うのなら是非行こうということになったのだ。私はその日以降、お母様と念入りに予習してライブを待ちに待ち続けていたのだが、結論から言うと………。



「…と、とっぉおおあおおおても!!!最高だったぁあああ!!!!!

新しいペニキュアの映画の歌でライブが始まるとは思ってなかったからびっくりしたけど、歌もダンスも上手いし!!衣装もぜぇーんぶ可愛かった!!!!でもでも、私輝けペニキュアハートが1番好きだなぁ!!!とくに、1番最後の決めポーズがすっごくすきぃ!!」



もう本当に、至高の時間だった……。今なら私、死ねるわこれ。もう一回死んでるけど。


「よ、佳乃ちゃん……。そ、そんなに良かったのね。」


あっ、しまった!あまりの私の興奮具合にお母様が軽く引いて、苦笑いしてる。そうだ、私てば普段は気が弱くて大人しい女の子だったんだ。やばいやばい、ちょっと静まらないと…。


「でもそんなに良かったなら、あの歌手の方の楽屋に挨拶させて貰えば良かったわねぇ。」



そう、実は私の父はれみりんの事務所のお偉方と知り合いだったらしく、行く前から、そんなに好きなら会いに行けるよう頼んであげるよと父が言っていたのだが、正直そんな権力を使っての抜け駆けは私のアイドルポリシーに反するのでやんわりと断ったのだ。まぁ、本当はちょっぴり、いやすごく会いたかったんだけど……。でも、きっとライブに来ただけでこんな熱量になるんだから、会ってしまったらどうなるか怖いて言うのもあってやめておいた。


「ううん!私は、ライブに来れただけで本当に充分!!…お母様、今日は連れて来てくれてありがとう!」


「うん…、お母様も佳乃ちゃんが喜んでくれて、とっても嬉しいわ!また来ましょうね!」


「うん!!!」



私は、ライブの戦利品の金テープとハート形のサイリウムを触りながら思いふける。



はぁ、それにしても生れみりん中々に可愛かったなぁ。この世のものとは思えない。私の理想のアイドルその人なのではないだろうか。


黒髪ロングで、正統派の目ぱっちり系の美少女具合とか、激しいダンスで乱れるのことないキレイな歌声とか、中身も少し天然ボケで抜けてるように見えて、やるときはやるみたいな芯の強さ。


もう〜〜〜完璧すぎる!!!!



「私も、あんな風になれればいいのになぁ……」



車に揺られながら私はそんなことを思いつつ、いつの間にか心地よい疲労から深い眠りについていた。


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