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プロローグ
夜と言う言葉をこ存じであろうか。日本人であるならば必ず知っているだろうこの言葉。私はとある東北の片隅の様なところで生まれ、結局18歳になるまでそこで暮らした。
そこで、まぁ今思えば田舎ながらにそれなりに楽しい暮らしをしていたのである。山の夜を体験したことがあるだろうか。都会のそれとはきっとちがうであろうその雰囲気を。その日は夏だったのでおそらく自分とカエル、それとその他もろもろの野生の彼らしかいなかっただろう。
月は出ているにはでていたが細長いもはや長方形だろそれみたいな月だったので周りは本当の意味で闇だったのである。
そこで14歳の自分はなんとも言えない、しかしなんとく感じることができたよくわからない出来事を体験したのであり、とりあえず忘れぬようにこれを書くことにしたのであった。あれはちょうど夏休みが終わる頃、盆が終わり親戚達も皆帰った日の次の日ぐらいである。