hUMAn
未知とエチの遭遇?
「ゼッタイリョウイキって知ってるか?」
奴らの侵略対象は「絶対領域」。冬に着ていたら心配されそうな衣服ランキング1位であるミニスカートと、サンタから山ほどプレゼントを貰えそうな靴下ランキング1位であるニーソックス。これらを一緒に装備することで発動する隠しステータスのことである。
「ゼッタイリョウイキってのはな…ニンゲンの性的嗜好の一種なんだよ。性器でもないのに興奮するなんて面白いだろ!?」
グレイは輝く大きな黒い瞳をチュパカブラに向けた。
「確かに面白い話だっチュね。で、それがどうかしたっチュ?」
そう尋ねると、どこにしまっていたのだろうか。グレイはミニスカートとニーソックスをパッと出現させた。
「どうよ〜コレ。アキハバラに行って入手したんだ。ようやく生のゼッタイリョウイキを拝めるってもんよ!これこそ全UMAの夢…いや、UMEだ!」
「やかましいっチュ。」
「しかし、問題がある。オレはニンゲンのゼッタイリョウイキが見たいのだ。オレのような灰色のガサガサな肌も、お前のような病気のコヨーテみたいな肌も好かん。何かいい案はないか?」
暫しの静寂を、チュパカブラが破った。
「それなら、ボクの友MA(UMA界での、友達を示す言葉。)にすごい奴がいるっチュ。そいつに聞いてみるっチュ〜」
彼らはペタペタという音を不規則に立て、友MAの元に向かった。
「おーい、ウッズー、いるっチュー?」
ドアを開けると、1つもモノが見えない暗闇の中から、2つのぼんやりと光る玉が現れ、ぬうっと近づいて来た。3メートルはあるであろう巨体にスペードのエースのような頭がチャームポイントの彼。フラットウッズ・モンスターだ。
「…どうした、何か用か?」
二体はゼッタイリョウイキとはなんたるかをフラットウッズ・モンスターに説いた。
「…なるほど、事情は大体理解した。…ワタシのガスであれば、オマエ達の認知を変えて擬似的に変身できる。
…しかし、今回はレアケースすぎてガスが作れない。」
「ちょっと待て!オレ達はニンゲンに近いゼッタイリョウイキが見れれば十分なんだ!ニンゲンに近いUMAに変身とかでもさ!」
「…それならば可能だ。」
グレイとチュパカブラは喜び、ミニスカートとニーソックスをウッズに託した。
「…確かに受け取った。…では向こうの部屋で保護メガネをつけて待っていてくれ。…オマエ達にいくらか耐性があるとはいえワタシのガスは激痛を伴うからな。」
そう言うと、ウッズは闇の中に消えていった。
指定された部屋で、グレイ達は興奮で体を震わせていた。
「ついに拝める時が来るなんて…!」
「てか、どの人種に近いっチュかねぇ…白、黒、黄色なんでもウェルカムだっチュ!」
その他くだらないことを話し合っていると、ウッズの声が。
「…準備完了だ。…ガスと共に出るぞ。」
扉が開くと同時に、深い霧のような、ムラサキ色のガスが一瞬にして辺りを満たした。
しばらくして、だんだんと視界が晴れ始めた。しかし、他方より先にゼッタイリョウイキを目にしてはなるまいとグレイ達はどちらもその大きな目を瞑っていた。
「そろそろどっちも大丈夫だろう。せーので目を開けるぞ!」
「わかったっチュ!」
「「せーの!」」
彼らの待ち望んでいた理想郷であるゼッタイリョウイキ。ミニスカートとニーソックスの間には、ゴワゴワとした褐色の毛が彼らを待ち構えていた。
「…どうだ、確かビッグフットはニンゲンに近いUMAだったはずだろう。」




