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役に立たない爆弾スキルでなぜか風呂を沸かすことになります。【異世界転生】  作者: 三愛 紫月


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セーフ

「セーフ」


 ふぅ、なんとか渡りきれたじゃん。





ーーって……んっ?





 コンビニこんな感じだったか?

 いや、そもそも入ったか?






「スキル一覧を見せていただけますか?」

「はあ?」

「はあ?ではなく、そちらの掌を見せてください」



 目の前には、受付のカウンターがあって、そこに可愛い女の子が座っている。



「は、はい」



 俺は、右手を素早く彼女に差し出した。



「スキルは、爆弾スキルですね。こちらは、半年前に法律が変わったのをご存じですか?」

「法律……。えっと、ちょっと度忘れしちゃいましたーー」

「そうですか。では、簡単にご説明しますね」



 説明が終わりスキルを変更するか聞かれた俺は後悔した。


・・・終わった。

 まじで、終わった。

 

 何かよくわからないけど、俺の人生は終了した。

 やっぱり、キラキラした人間じゃない俺は《《最悪》》しか引き寄せられなかったんだな。

 どうやって帰るんだ?

 わかんないけど、とりあえず帰ろう。

 歩いて帰れる・・はずだよな。

 重い体を引きずりながら歩いて行くと金ピカの鎧に剣や矛を持った男達とすれ違う。


「まじで、寒いよな」

「本当に」

「クエスト後の疲れを癒すにはやっぱりあっついお風呂が最高だよなーー」

「わかる、わかる」

「あーー、早く直らないかな」

「本当だよな。で、修理にどれぐらいかかるって?」

「確か1000日?いや、5年?どれぐらいだったかなーー」


・・・クエスト?!何の話だ。

 熱いお風呂?!

 湯船に入る習慣があるんだな。

 

 ってか、ここはほらヨーロッパに似た街並みじゃないのか?

 ってか、地球じゃないのか?

 えっ?

 歩いて帰れない感じ?




「あ、あの。ここって、えっと。ヨーロッパとか、いや、日本じゃないんですか?」

「えっ?日本?ヨーロッパ?何だ、それ」

「えっと、ここの名前はなんですか?あの、島なのか何なのか」

「はあ?何だよ、お前。さっきから気持ち悪いな」



 男達は、俺を睨み付けて去っていく。

 よくわからないけれど。

街並みは、何かヨーロッパみたいな感じなんだよ。

 昔、写真で見た感じで。

 だから、絶対。

 ここは・・・・。



「お前さん、地球と呼ばれる場所から来たのかな?」

「えっ?」


 話しかけて来たのは、長い白ひげを胸まで伸ばしたお爺さんだ。

 【ギルドの魔法使い】のアニメに出てくる魔法使いのお爺さんが持っている杖みたいなのを持っている。

 形は、ハテナマークの上の部分みたいなやつだ。



「地球って場所から来たのかな?」

「あっ、えっと、はい」

「そうか、そうか。じゃあ、さぞかし王様に手厚くもてなされたじゃろう」

「いや、もてなされてません」

「そうなのか?おかしいのぅ。地球人が来たら手厚くもてなすってのが、ここバーム王国の決まりなのじゃよ。もしかするとスキルに難でもあるのか?ほれ、若造。見せてみろ」



 バーム王国?

 どこだそれ。

 ってか、俺のスキル・・・。

 使っちゃだめなんじゃないのか?

 使っていいのか?

 こんなところで。




「若造、早くせんか」

「は、はい」



 もういいや。

 どうにでもなれ。

 持ち物をポケットから、取り出す。




【持ち物を5秒以内に投げてください】



5



4




3




2




1





 おっとっと危ない、危ない。

 投げるぞ。

 人もいない。

 何もいない。

 オッケー。












ドガァァァァン・・・・・・・・。






「誰だ!法を破ったものは、引っ捕らえろーー」

「こっちから、音が聞こえたぞ!」

「今すぐ、捕らえろ!王に差し出せ」




・・・・ヤバい。

 爺さんのせいでヤバい。



「あんたのせいで最悪じゃねーーか!こんな世界で死にたくねーーんだよ!ふざけんなよ!ジジイ。聞いてんのかジジイ」

「・・・・・・あっ」

「は?」

「久々に見たからの。その、感動してしまった。それで、耳を塞ぐのを忘れて聞いてしまったせいで。ほれ、聞こえにくくなってしもうた。それに足がの、ほら」

「足?」




 爺さんの足を見るとガクガクと震えている。

 いやいや。

 やれって言ったのは、そっちだろ。



「若造、わしを抱えろ」

「えっ?」

「早くせんか」



 俺は仕方なく爺さんをお姫様抱っこで抱えあげる。



「こっちだ。煙があがっているぞ!」

「急げ」




 俺を探している奴らの声が大きくなってくる。

 ヤバい。

 早く、逃げなきゃ。



「その角を右じゃ、そっちを左、真っ直ぐ行って右じゃ」

「わかったよ」



 爺さんに言われるがまま急いで走る。

 初めてのお姫様だっこが、こんな爺さんだなんてついてねーー。

 全力を出して走り続けていたら、どうやら目的地についたらしい。




「ここでいい」

「ここは?」

「街からだいぶ離れているじゃろ。これで、もう安心じゃ。この洞窟の中では、毎日クエストがこなされていて、わしはここの管理の全てを任されている。この場所はな、かつて勇者や魔法使いたちだった者が作ったギルドが運営しているんじゃ。法律が変わってからは、ここで働いてるのは、わし1人だけになってしもうたけどな」

「今、この世界にギルドは必要ないって事だよな。じゃあ、何で今もクエストをうけ続けるんだ?」




 法が変わったからか、この世界で戦っているものなどいなかった。

 だから、この洞窟は必要ないはずだ。

 なのに、何で今でもクエストをうけ続ける必要があるのだろうか?



「昔と違って、今は、主に観光客相手じゃよ。あとは、ほら。根っからの戦い好きがいるじゃろう。そいつらのためにじゃよ」

「へーー」




 爺さんの説明によると、法が変わる前は、たくさんの者達がここで鍛練してスキルを強くしていったらしい。

 ここでのクエストをクリアし強くなったものは、街や村に溢れる魔物を退治しに行ったという。

 その頃は、ここの利用者はかなりの人数だったのだとか。


 しかし、半年前。

 突然、王様が平和を目指したいとみんなに宣言したらしい。

 何でも。

 王様は、地球という国に行っていろいろな場所を巡ってきたのだという。


 そこで、特に気に入ったのが俺も住んでいる日本だ。

 四季折々に変わると教えられた景色、古い建物が長い間残っているのを目にした王様は、帰宅そうそう法を改定したらしい。



・・・・って。



「俺、帰れんじゃねぇ?」

「無理じゃ」

「何で?」

「一回こっきりだからな。あの乗り物は・・・・」

「マジかよ。じゃあ、ずっとここ住み?人生終わったわーー」

「終わってない」

「いや、終わった」

「いいや、終わってない」

「だから、終わったって言ってんだろジジイ」

「ジジイではない、わしはロージュじゃ。まあ、いい。ほら、来てみろ」



 爺さん・・・・いや、ロージュに言われて洞窟の隣に歩いて行く。

 爺さんは、慰めのつもりかも知れねーーけど。

 ここにいたら、俺はいつか死刑になるんじゃねーー?

 



「そこにほら投げてみろ」

「えっ?何で」

「いいから、ほら」

「あーー、もうわかったよ」




【持ち物を5秒以内に投げてください】



5


4


3


2


1





 どうなっても知らねーーからな。

 クソジジイ!!!


 


・・・・・・ボムッ。


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