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ラストダンジョンに登場する雑魚モンスター『ヘルライダー』になっていた。魔王のお手伝いをすることになった  作者: 愛原ひかな


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仮カード発行の手続きを進める


「ハネスさんは、根っこから優しいんだな」


「さて、それはどうですかね。わたくしが得意なのは戦うべき相手を選ぶことであって、冒険者の心を癒してあげることではないので」


「あくまでも本職はギルド支部長だという、言い回しだな……」

「まぁ、そんなところですかね。とはいえ、酒場としての振る舞いが大いに役に立つこともあると知っています。時には、冒険者の心を癒すことも必要だと考えておりますよ」


 ハネスはテーブルの下に両手を入れて、何かを握りしめる仕草をした。


「そうそう、仮登録をするための手続きを進めているのだけど、登録者の名前をどうするか聞いてなかったですね。これに書き込んでもらいましょうか」

「それは……?」

「手を触れてみてくださいな」


 俺とヨミルの前に、小さな白い紙をそれぞれ一枚ずつ出された。


「こうか?」


 白い紙に触れると、名前が自動的に書き込まれていく。


 ヘルライダー大杉。

 魔王に言いつけた俺の新しい名称が、この紙に晒された。


「ぷぷぷ、流石はラストダンジョンの雑魚モンスターってところですね!」


 ワンテンポ遅れて白い紙に触れていたヨミルは、俺の浮かんできた文字に対して腹の底から笑っていた。


「ヨミル、あのなあ!」

「まぁ、落ち着け。仮カードの登録時点で問題になりそうなのは、ヘルライダー大杉君より遥かに私のはずだ。本当にヨミル・クレネーラでの登録になっちゃったけど大丈夫ですかね?」


「問題ございませんよ。仮カードで出来ることは、門番が立っている国境を超えることくらいでして、ギルドに多大な影響を与えることはないと世間一般的に思われております。あとは、仮カードに書き込まれた名前を直接、あの方に見られることがない限りは大丈夫でしょう」


 あの方……?


 俺とヨミルは、首をかしげる。



「それは、ボクのお父さまのことだね」

「左様です。まぁ、幸か不幸か分かりませんけど……あの方は現在、遠征に出かけていて暫く戻らないそうですよ」


「ふむふむ……」


 ヨミルが、何気なく不満そうに何度か頷く。


 会ってはならないと耳にして、ヨミルはもしかして積極的に会いに行きたいタイプなのか?


 ……変な探りをするのはやめておこう。

 なんだかんだ、俺はヨミルのことを信じている。


「あの方の名前って、何というのですかね」


 ヨミルが質問をすると、ナギがすぐに口元を動かす。


「ボクのお父さまはね、ベルナルド・クエリスというの。かつては勇者パーティーの一員だったこともあって、凄腕の破壊士で名が知られているの」


「凄腕の破壊士、か……」


 何もかもを破壊してしまいそうな二つ名だ。

 戦闘の経験力が雑魚モンスター当然の俺では、到底敵いそうにないかもしれない。


「凄腕の破壊士ね。どれくらい強いのかな?」

「ヨミル、戦うのはやめておけよ」

「あれ、ヘルライダー大杉君は強い者同士がバチバチに戦う姿に心燃やさないタイプかな?」

「確かにヨミルとギルドマスターが激闘すれば面白そうだが、同時に心を痛める者がすぐ傍にいるとなぁ……」


「お父さまがもし死んでしまうと、ボクはさらに……」

「ここの酒場をやっていけてるのは、ギルドマスターの存在もありますので。よほどのことがない限りは、戦うべきではないでしょう」


「あら残念ね。ナギと支部長さんはともかく、ヘルライダー大杉君にまでやめるべきと言われるとは。それならどうやって、四天王の居場所を聞き出そうかしら」


 ガッカリしたヨミルは、少し頭を悩ませる。

 仮カードを巧みに扱ったところで、ギルドの秘蔵クラスの情報を掴むことなんて出来ない。


 ここはやはり、ナギの手を使うべきだろう。

 ギルドマスターのベルナルド・クエリスが不在という今を狙うのは、得策だといえる。目的を果たすのは、早いに越したことはない。


 ひとまず、ギルド本部に今すぐ向うべきであると思う。


お読みいただき、ありがとうございます。

面白いと思いましたら、感想やブックマークをよろしくお願いします。


愛原ひかなの代表作

「ダンジョンで遊ぼう!! ~VRゲームの世界ですが、冒険者にいきなり襲われるのは嫌なので楽しくダンジョンを作りたいと思います」

小説家になろうでも連載しておりますので、こちらも何卒よろしくお願いします

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― 新着の感想 ―
もうめっちゃ面白すぎて一気に最新話まで読み進め……て存在しない次へボタンを押そうとしてました! ほんとに読みやすいし、面白いし……勇者パーティーは壊滅だし、魔王と主人公は普通に王都を歩いてるし(笑) …
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