表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
原罪の女王(クイーン・オブ・プライマル・シン)  作者: 原田広


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/11

夜明け

ガラスの棺から甦って数時間。王子は「私の眷属よ。待っている」という、呪いにも似た言葉だけを残して、夜明け前に姿を消した。

残された白雪姫は、自分を囲む森の光景が、まるで色彩を失ったかのように感じられた。それよりも耐え難いのは、喉の奥から這い上がる、焼けるような渇きだった。それは、清らかな水を求める渇きではない。全身の血管が、煮えたぎる炎で脈打っているかのように熱く、ただひたすら「紅いもの」を欲していた。

彼女は夜な夜な森を彷徨い、最初は動物の血で、次に人間の血で、その飢えを満たそうとした。しかし、口づけによって王子から受け継いだ魔力は、彼女が単なる野獣になることを許さなかった。血を啜るたびに、王子の冷酷な声が耳の奥で囁いた。

「夜の獣を狩れ。それがお前の贖罪となる」

彼女が血を啜った人間は、不思議と生命を奪われることなく、深い眠りにつくだけだった。この異様な事実に気づいたとき、白雪姫は悟った。自分は吸血鬼としての力を持ちながら、王子によって吸血鬼を狩るための枷を与えられたのだと。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ