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『朝焼けのモンタージュ。』

作者:花雨。
嫉妬の手垢に塗れたひとつの椅子。
きりきり張りつめ孤独うたう。
真っ白くスポットライト。
その冷たさに君が笑えず泣き出して僕は泣けずに笑顔を貼りつけた。
渦に落ちるよう誰もが手を叩く。
その椅子の苦しみを、なんでもないのさと誰かが舌打ちしてる。


僕は。椅子をもう探さない。
自分の外側には探さない。
うつむけばこちらは風雲吹きすさぶ地に、すくとのびる両足の影。
僕の足。


僕は見上げる。
水空が太陽を抱き込む。
雨糸、靴を濡らして粒弾くよう踊る。
笑えないよ。
泣けもしないよ。
張りぼてな世界の椅子遠目に、交わされた僕たちの言葉。
君の足は濡れ続ける。ごめんね。
僕の手は汚れる。ごめんね。
椅子の孤独が黒い手をのばす、やがて。


強がっても僕だ。
手垢の跡数だけ染み込め雨晒し。
『voice.』
2025/05/18 10:11
『私の告白。』
2025/05/18 10:12
『CASE.1』
2025/05/18 10:14
『BGM.』
2025/05/18 10:14
『旅。』
2025/05/18 10:16
『いきもの。』
2025/05/18 10:19
『三田くん。』
2025/05/18 10:54
『贈与。』
2025/05/18 11:02
『楽園。』
2025/05/18 11:31
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