7話 ぼっちなりの慰め方
昼休み
「今日は一緒に飯食うか?」
「いや、僕は今日、彼と一緒に食べるんだ。ごめん」
「良いよ良いよ、楽しんでおいで」
「うん、楽しんでくるよ」
彩奈は好きな人とのご飯、魈斗は久しぶりの一人ぼっちのご飯となった。一人ぼっちは慣れてる、久しぶりに一人ぼっちの飯をしたかった所だ。慣れていることだから大丈夫
魈斗はパンと牛乳を買って、体育館裏にある、体育館倉庫の石段に座ることにした。だが魈斗は最悪な場面で鉢合わせることになる、魈斗は体育館倉庫の石段へ向かった。向かっていると、体育館倉庫前の所から声がする。そこへ向かってみると
告白寸前の状況だった
告白した
「ごめん!仲はいいけど、君を恋愛対象には見れないんだ」
「そ、そう………」
一礼して帰って行った
「…………見てるんでしょ?そこのあんた」
「んだ、バレてるなら、堂々と飯食ってりゃ良かったな」
「ダメに決まってるでしょ?何言ってんの、あんた」
「ですよねぇ………ま、そこ、座りたかったから」
「え?あ、うん………」
体育倉庫の前にある、石段に座った。見ているのバレていたから、少し気まずかった。だが気にせずにパンを食べていた、
振られた告白を見たのは初めてである魈斗。こんな振られ方するんだなと思った、恋愛、というのはそういうものなのだろうか。中々キツイものである、する側だと、見る側でも中々キツイくらいであった
魈斗は2個パンを買っていた、一個のパンを咥えながら、もう一個のパンを出してその子の前に出した
「なに?これ、まさか見せつけ?」
「な訳ないだろ、やるよ。頑張った報酬だ」
「っ………ふん」
と言ってパンを取った
告白は頑張った者にしか出来ない、頑張っても成功しない時がある。それが現実、振られたが、頑張った事には変わりない、頑張った者には褒美をあげるのが一番良い
名前 愛羅絵莉
肌白い金髪ギャル、あの告白された側の人はギャルと仲良かった人だろう
「あんた、なんで何も聞かないんだし」
「聞いて得を得るような話じゃないだろ、得あるか?」
「確かに………無いね、ごめん………」
「別にいいよ、あ、ちょっと待っててくれ」
「あ、ちょっ、なんなの、アイツ」
自販機に向かい、急いでお茶を買ってきた
パンを喉に詰まらせたら元もこうもないため、魈斗は絵莉にお茶を買ってきた。褒美はパンだけでは気が晴れないだろう、気が晴れるまで隣に居てやるしかない、話したこともないけど、話したこともないけど、やるしかない
絵莉にお茶を渡した
「何のつもり?さっきから、ぼっちの癖に」
「ぼっちだから出来ることをやったんだろ?お前の友達に慰められても気まずいだけ、クラスの子に慰められても噂が広まるだけ、それならぼっちが一番良い」
「あんた、噂されるよ?それでもいいの?」
「知るかよ、勝手に言わせてりゃいい。ぼっちは噂に慣れてるからな」
「ふふ、なにそれ」
「お、笑ったな。振られてから、お前笑ってないしな」
「っ、ばっかじゃないのっ//////」
きっと、これがツンデレなのだろう。ツンな時があって、褒めたらデレる。ぼっちには無い経験だったから、照れ顔がいかにも可愛かったか、魈斗の顔でわかる。
ツンデレというのはアニメでは最高という、ツンデレと絡むと、ツンツン言葉を言ってくるから最高である
これはこれは、好~である
だがそんな事言っている場合ではない
「ま、落ち込むのは分かるが、んな落ち込むなよ。振られてもまだ終わった訳じゃない、これからだ。振られてもアタックし続ければ、あるかもしれないからな」
「じゃぁ、あんた、手伝ってよ。私の恋愛を見届けて」
「別にいいぞ、今までも何度か受けてるしな」
「感謝はするから、ちゃんと。例えば………お金とか!」
「金は要らないよ、俺は金で動くような奴じゃねぇ。だから無料で大丈夫だ」
意地でも金で感謝しようとしてくるが、魈斗は拒否した。金なんかで動きたくは無いようだ。無料で行動することにした、こういう所はなんか変だなと思った
恋愛の手伝いはもう慣れている、彩奈の恋愛のお手伝い、梨美の恋愛のお手伝い。そんなに信頼があるのかってくらい、恋愛の相談を受けたりする。恋愛についてはあまり分からない魈斗だが、本当は本能で考える超人なのだろうか
「あのさ、あんたはなんで、そこまで関わったことない私の依頼を受けてくれる訳?」
「普段は依頼受けないんだがな、特別だな。気が向いただけ」
「印象変わった、最初は陰キャかと思ったのに」
「いきなりぶっ刺してくんじゃねぇよ………」
「でも、あんた」
石段から立った
ヒロインらしい笑顔で
「優しいね、ありがとう」
「気にすんな」
昼休みは絵莉と共に食事を取った魈斗は教室へ戻って行った、恋愛相談はもう二つも受けているのに、更に受けてしまう魈斗。魈斗なりの優しさであった、3個の恋愛相談くらい軽いもんである、振られたりとかして、学校来なくなったらそれはそれで困る
まだ恋愛中の彩奈と梨美は絶対に幸せへ導かなければならない、負けヒロインの道へと行かせない。そうならないため、魈斗は出来る限り、全力でサポートをする。依頼を受けたりするのは中々無いため、果たせるか少し不安である
だが受けたからには果たす、必ず
教室
「あ、おかえり、魈斗」
「おう、好きな人との進捗はどうだった?」
「外食に行ったんだけど、その時に手を繋いだんだ……/////」
「お、一歩前進したみたいだな。良かった良かった」
「ごめんね、魈斗、毎回迷惑かけちゃって」
謝りは無し
という事で、彩奈にデコピンをした。迷惑かけるとか、謝るとか、そういうのはして欲しくなかった。ただただ、幸せそうにして欲しかった。幸せで居て欲しい、彩奈と梨美には幸せで居て欲しい、だから魈斗はデコピンをした。
せっかく幸せなのに、こんな謝ったり、迷惑かけるとか言ってたら、幸せがどっかに逃げで行く。そんなことはさせない、させたくない、不幸にならない為にしていること
彩奈は痛がっていた
「なにするのぉ………?」
「迷惑かけなんていくらでもかけとけ、お前が幸せだったら、それでいいんだよ。謝ったりするな、いいな?」
「うん………分かった、言わない。ありがとうって言うことにする」
「ああ、そうしてくれ」
「魈斗っ!」
「ん?」
「ありがとう!」
「おう」
みんな、思っただろう。こいつら付き合っちゃえと、でも無理だ、彩奈には好きな人が居る。叶わない事だってある
さっきは大胆な行為をしたため、かなり目立ってしまっている。人気な彩奈にデコピンしたせいで、彩奈ガチ恋勢はこちらを見ている。多分見ない方がいいだろう、魈斗は目を逸らしながら、授業を受けることにした
そして授業終わりの放課後
放課後は見守り役となっている
こっそり見守っていると
「あれ?魈斗君?」
「ぎやぁぁってなんだ、海音か」
「何してるの?こんな所で」
「あーーっとな、彩奈のデートの見守り役だ」
「見守り役?」
海音に事情を説明した、説明したら、直ぐに理解してくれた。流石は誇り高き幼馴染である、彩奈のデートを海音も見守ることとなった、2人で彩奈のデートを見守っている
今日こそは告白するんじゃないかとドキドキしている、彩奈が言っていた通り、手は繋いでいるようだ。そこは安心した、彩奈は自分で場所を決めてデートをするようになっていた。成長していてなんだか安心した
「うんうん、良い雰囲気じゃんか」
「魈斗君のアドバイスって彩奈ちゃんを元気づけてるよね?」
「だな………ってん?彩奈”ちゃん”?」
「あれ?知らないの?彩奈ちゃんは女の子だよ?」
「・・・・」
そう、何も知らなかった
今までずっと、知らなかった
そし魈斗の反応は
「え?」
頭が真っ白でこれしか言葉が出なかった