異世界
「ん・・・ここは」
太陽の眼が覚める・・・。
すると太陽が自分の体の異常に気付いた。
傷が一つもなく、ライと一体化した感覚があるのだ。
「おい、ライ出てこい。」
すると頭の片隅でライが語りかける。
「ハイ御用ですか。」
すると太陽はライの様子がおかしい事に気がつく。
「なぜ、姿を現さない?」
悪魔というものは、この人間や悪魔以外の生き物が住むところに来るときは、霊体化しなければならない。
しかし遊馬家には、それが見える。
いつもなら、霊体化した悪魔がそこに見えるのだが・・・
姿を現さない。
「遊馬様は、神の毒を受けて、死ぬ寸前でした・・・。悪魔と一体化することで毒をかき消すことができる。だがアナタの体ではそれに耐える事はできない。しかし神を喰らったことににより、アナタの力は
異常に膨れ上がってました。それにより、一体化し、最後の力によってこちらの世界のに飛びました。」
太陽は周りを見まわした。
見渡す限りの草原。
「元の世界と違うのは、解った。だが何故飛ぶ必要があったのだ。」
「神の力を消費する必要があったのです。あのままでは、光の気が、一体化した私と太陽までも焼き尽くした。
その光の気の大量消費が、世界を飛ぶことだったのです。」
そのまま安心してください。とライが続ける。
荒れ狂った神だった故に光が薄かった、だから神の力の一部はまだ太陽の一部。
言語も神の力により、伝わるようになる。というのはライの弁。
それから、草原を歩き始める。
咄嗟の判断だったから、どんな世界にきたのか、解らない。
そう危惧しているとその危惧が当たった。
グォォォォ~~
そう魔物が現れたのだ。
一匹や二匹ではない。
数えきれない数の魔物だ。
しかも数種類。
ゴリラに鎧をつけた様な奴や、チータのような姿で炎を纏っていた魔物もいた。
「おい、ライ。お前の力も使えるってことだよな。教えてくれ。面白そうだ。」
するとライの記憶の一部が頭に傾れ込む。
「ホントに面白そうだ。」
そう呟くと太陽が左手をあげる。
するとその手に、雷が落ちる。
そして、飛びあがった。
「飛翔、雷落とし。」
飛びあがってボスの様なゴリラの脳天に落ちる。
地面を伝って周りの魔物も感電して倒れる。
大半の魔物が逃げてしまった。
「まだやるのか。」
そう睨みつける。
すると右眼を見た魔物がすべて逃げだした。
一匹も残らなかった。
すると魔物の大群のど真ん中に一つの馬車が見えた。
既にボロボロだったが、生命は感じられる。
馬車を開けて中に入ると一人の美女がいた。
青い髪を腰のあたりまで下ろし、眼は淡いブルー。
女性らしい体型。胸もそこそこ。
驚いたように眼を開いた。
「もう死ぬと思っていたのに。アナタが助けてくれたのね。ありがとう」
そういうと、太陽の顔を覗き込んだ。
か、かっこいい。
そう思った。
何もかも包み込む様な黒の髪。美形としか言いようがない顔立ち。常に潤っている唇。すっきりとした鼻。
何よりも悪魔の様な右眼|(実際に悪魔なのだが)に秘められた美しさに。
太陽自身も気づいていないのだが、左眼は神の神々しい光が秘められていた。
「そうだわ。アナタ旅人でしょ。なら私の家に泊らない。そこで珍しいものも見れるでしょうし。」
「ああ、行くあてもないんだ。頼む。俺は遊馬太陽。太陽って呼んでくれ。」
「ソルか、いい名前ですね。私はミラノ・ソフィア。ソフィって呼んで。」
そうして、この世界で食事にありつけるかもと安堵していた。
不定期更新(えぇ
かもしれません。