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人間不信の俺が恋なんてするわけがない。  作者: 長谷川雫
第一章

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77 寄せられる期待

「とりあえず空露ちゃんには連絡いれました!」


先ほど俺がお願いした連絡をさっそく岸宮さんに入れてくれたらしい。


とりあえずは岸宮さんの返信待ちだ。


「それにしても本当に変なメンツだなぁ」


廣幸がおかしそうに口にした。


「流石にあの状況は見過ごせませんからね」


あの状況を思い返したのか清水さんの声が大きくなっていた。


俺はまぁまぁと清水さんを宥めた。


「一ノ瀬さんも一ノ瀬さんですよ。こんな仕打ちを受けて怒らないなんて聖人君主なんですか?」


矛先が急に自分に向いて苦笑いを浮かべた。


「でも、そうですね。あの状況で冷静なのは流石としか言えませんね」


「それな。本当に高校生かよお前」


….責められてるのか、褒められてるのか絶妙なラインの言葉が飛び交っている。


「俺だって普通に怒る時もあるよ。でも、どちらかと言えば驚きとか呆れとかの方が大きいかな」


それなりに成績がないと入れない学校のはずなんだけどな…


恋模様って、色々と語り継がれることも多いしな。


本当に人を変えてしまうものなんだろうか。


俺は朝比奈さんを横目で見て溜息をついた。


「でも、こうして皆が集まってくれなかったらどうしてたことか。しつこいかも知れないけど本当にありがとう」


廣幸に背中を叩かれ衝撃が走る。


「分かってるならもう言うな。最後パーッといい所見せてやろうぜ」


「そうだな。頼りにしてるぞ。欲を言うなら大量リードをつけてくれよな」


「いきなりすげぇ無茶ぶりが飛んできたな」


廣幸が大袈裟にリアクションした事で周囲が笑いに包まれた。

「ところで、一ノ瀬さん。リレーの走順とかって決めてるんですか?」


「それは流石にまだ決めてないかな。でも、廣幸は一番目か二番目かそれなりに早い段階で走ってもらおうかなとは思ってるよ」


 俺が知っているのは廣幸と朝比奈さんしかいないのだが、それだけでも先に情報を持っておけるのはかなりでかい。


岸宮さんと清水さんとは一緒に練習してみないとわからないがそれでも廣幸の運動能力はかなり高く一人いるだけでパワーバランスが大分違う。


俺の実力も現役の運動部に比べたらそこそこだろうし廣幸をどう使うかで勝敗が決まると言っても過言ではないだろう。


「一ノ瀬くんの中で神宮寺くんは切り札って所なんですかね?」


朝比奈さんは俺が考えていたことを汲み取ったのだろう。


「本人の前で言うと調子に乗るから嫌だけど、そうなるね」


「神宮寺さんってすごいんですね」


清水さんに褒められた廣幸は得意げな顔をしていた。


「任せろ!この神宮寺廣幸が必ずしも良い結果にしてやるぜ」


廣幸と目が合い、そして首を傾げた。


「というか、すごく謙虚だから二人は知らないと思うけど柊もすごい奴だぞ?」


突然廣幸が俺の事を指をさして二人に向かって言った。


「え!そうだったんですか!?」


「この落ち着きようですから、なにか秘密があるとは思ってましたけど」


おいおい....余計な事は言わないでくれよと思いつつも、一緒に練習をしたことがある朝比奈さんも便乗していた事に少し笑ってしまう。


….嘘つき。


直後に朝比奈さんと目が合うと何かを訴えているようにとれたのでそっとしておいた。


「なんだ、みんな知らなかったのか。こいつ何で帰宅部なのか分からないくらいには運動できるぞ」


「すごいですね!一ノ瀬さん!何か中学の時やられてたんですか?」


意外性が大きかったのか清水さんが目を輝かせながら聞いてくる。


「そんなに期待されても....なんもしてないよ....」


「一ノ瀬さんは嘘をついてますね」


「そうだな。柊は嘘をついてるな」


「どうなんですか?一ノ瀬くん」


みんなにつつかれ最後には悪戯めいた顔をした朝比奈さんが顔を覗かせた。


「….ちょっとはしてた」


誇れるほどやってたわけでもないし、わざわざ言うことでもなかった。


でも、こうして最終的に言うなら変に嘘をつかなければと後悔した。


「やっぱりしてるじゃないですか!ちゃんと正直に言わないと駄目ですよ」


「すみません」


清水さんに怒られうなだれて謝罪する。


顔を上げると廣幸と朝比奈さんは笑いを抑えるかのように我慢していた。


「わかればよろしいです。では、一ノ瀬さんは何をしていたんですか?」


「バスケと格闘技を少しだけ」


「その細せぇ体で格闘技もやってたとは流石の俺も初耳だ。清水さんグッジョブ!」


「変な事ではないんですから、一ノ瀬くんも隠さず最初から言えば良かったのに」


廣幸に笑われ、朝比奈さんは仕方がない人と言わんばかりの表情を向けられた。


「別に言うほどのことじゃないと思ってたから、下手に言って期待感持たせても嫌だったから....」


「一ノ瀬さんってもっと完璧でクールな感じかと思ってました」


そう言って清水さんは笑った。


俺は次第に恥ずかしくなり咳ばらいをして話を切り出した。


「まぁ、一応運動はできないこともないという感じかな...あはは」


「じゃあ柊が俺に期待するように、俺も柊に期待するとするかな」


「神宮寺くんの言う通りですね。最初から諦めていない、一ノ瀬くんに期待ですね」


「私も一ノ瀬さんにすごく期待してますからね。それと、作戦通り空露ちゃんから返事返ってきましたよ」


そう言って見せられたスマホ画面には『今日空いてるから学校終わりでいい?』とメッセージが送られてきていた。


別にヒーローになりたいわけではない、見返してやるとかそういった思い上がりもない。


その寄せられた期待は大きいが裏切ることなく答えたい....。


それが俺にできる、みんなに返せる恩返しだと思うから。


「俺も今日予定ないから問題ないよ。学校終わりで大丈夫って伝えてもらっていいかな?」


「わかりました。では、学校終わりでいいよ~!って伝えちゃいますね!」


 あとは岸宮さんを説得するだけか....今日が正念場といったところだ。


正直なところもう岸宮さんに何を言うか決めている。


それが彼女にとって刺さるかどうかはわからない。でも、俺はそれを伝えられればいい。


「大丈夫だよ。お願いします」


清水さんがスマホをコツコツと音を鳴らしながら返信を入力している。


次にスマホを見せられると岸宮さんからの謎なキャラクターからのOKとかかれたスタンプが送られてきていた。


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