第3話 ヒンデルマン邸
「ここがヒンデルマン邸ですわ」
流石、伯爵の家だな。クソでけぇわ。
「少々ここでお待ちください」
「分かりました」
「お迎えに上がりました。私に着いてきてください」
おぉ、やっぱりメイドさんいるんだな。
めっちゃ庭広い……
歩くの疲れる。てか、体力とかそのまんまなんだな。ただただ魔力が引き出せるようになっただけか。
なんか、めっちゃ広い部屋に連れてかれた。
お?人来た。かっけぇおっちゃんやな。
「今回は、娘を救ってくれてありがとう」
ん?娘……ってことは領主か。
「たまたま通りかかっただけですので」
謙遜しておいた方がいい気がした。
「すまない。まだ、名乗っていないな。私はハンス・フォン・ヒンデルマン伯爵だ」
「私はクーヤ・シノノメと申します」
「うむ。何か報酬を与えたいと思うのだが、望みはあるか?」
うーん。
そういえば、武器がないな。
「武器が欲しいですね」
「武器。か」
「宝物庫から選ぶか?それとも、鍛冶屋を紹介した方がいいか?」
どうしよっかな。
「鍛冶屋を紹介していただきたいんですけど、どのような武器にするか決まっていないので、いくつか試させてもらってもいいですか?」
「うむ。分かった。何を試す?」
何にしようか。
魔法は使ってみたいんだよね。
でね、僕が魔法使えないのってね。多分、魔力を体から切り離せないからだと思うんだよ。後は、魔力の変換が出来ないとか。これは、フィアースべアーと戦った時に思った予想ね。だから、杖とかにそういう能力を付けたら使える気がする。
普通は、詠唱して使うらしいけどね。これは、馬車でクリスティーナ様に聞いたんだ。詠唱の方が魔法の自由度が高いから、逆に杖とかに能力を付けるとそれ以外は使えないからね。
そのうえ、杖に飛ばすのを補助してもらうくらいならいいけど、杖で発動すると魔力もめっちゃいるらしいからね。まぁ、僕は魔力無限だけど。
てことで、1回試して見たいけど、他の人はそんなの使わないから!作ってもらわないとダメかな。
普通の武器は、どうするかな。
まず、僕が前世?で得意だったのは棒。または、槍
でも、異世界なんで憧れるのは剣。
異世界で刀は珍しいから刀もあり。
速さ重視で両手にナイフでもいいかな。
身体強化使いまくって斧で戦ってもいい。
まぁそれなら、ガントレット付けて殴る感じでもいいけど。
てことで、選択肢としては、棒、槍、剣、刀、斧、ガントレットって感じかな。
それと、魔法の杖って感じで。でも、これは個人的に頼む感じかな。ハンス伯爵に頼りすぎだからね。
あ、刀は多分ないな。
「棒、槍、剣、斧、ガントレットを試させてもらってめいいですか?」
「うむ。ハイン。」
「はい。準備してきますので、少々お待ちください」
執事だ。ずっとハンス伯爵の後ろにたってたし、雰囲気も執事だったから、いるのは分かってたけど。やっぱ、執事って仕事出来そうだよね。
「準備が出来ました」
「よし、行こう。着いてこい」
「はい」
「こちらに置いておきました。あちらの的に攻撃して頂いても構いません。どうぞ、お試しください」
よし、どれから試そうかな。まずは、王道の剣からかな。
やっぱり重いな。身体強化付けるか。
軽くなった。足に魔力多めにしよう。
このまま、一気に距離詰めて攻撃する感じで。
ん、振りずらい。
次は、槍にしよう。
身体強化はそのままでいいや。
で、連続で攻撃する感じで。
意外と良いかも?けど、距離を取るのは難しいかな。魔法は使いたいからね。
次は、棒にしよう。
やっぱり、これが1番持ってしっくりくるんだよね。
じゃぁ、フィアースベアーの時みたいに魔力を纏わせて。
あ、攻撃するところを多めに纏わせよう。
じゃぁ、叩く。
バンッ!!
んん?!的が爆発した?まぁでも、棒で決定かな。
「大丈夫ですか?」
「はい」
「何をしたんだ?」
「棒に魔力を纏わせて攻撃しました」
「纏わせる、か。自分に纏わせるのは基本だが、武器に纏わせるのは効率的とは言えないから疎遠されがちなんだがな。まぁ、よい。武器は決まったか?」
「はい。棒にします」
「分かった。少し待て。紹介状を書く」
「分かりました」
「今日、街に来たばかりのようだが、泊まるところは決まっておるのか?」
「いえ」
「ならば、今日はここに泊まっていけ。鍛冶屋には明日行くといい」
「ありがとうございます」
「ハンス。案内してやれ」
「私に着いてきてください」
「こちらです。このベルを鳴らすと使いが来ますので、御用の際は鳴らしてください」
「分かりました」
「それでは、ごゆっくり」
「ふぅ」
疲れたな。転生したら伯爵の娘の恩人になっちゃったね。
てか、布団ふかふかだ。着替えが欲しいな。
お、準備してある。流石だな。武器を試してる時に予想してあったのかな。
体、拭いてから着替えて寝ようかな。
おやすみ。