番外回! ぷんすかリーナ
今回は番外回です。
ある真夏日、りゅーすけはリーナとアニメの一挙放送を見ていた。
ーーこういう暑い時はアニメに限るよ……。
りゅーすけは麦茶を飲み、梅のお菓子を食べながらこくこくと頷いた。
りゅーすけとて高校生。丁度アニメにハマる時期だろう。
今日はりゅーすけとリーナが楽しみにしていた、『魔王は妖精になっちゃった!』。通称『よーまお』と呼ばれるアニメの一挙放送なのだ。
りゅーすけの肩にはリーナがせんべいをガリガリ食べながら、じっとスマホの画面を見ていた。
ーー妖精とせんべい……合わんな。
ちなみに、リーナはりゅーすけと違い初見である。りゅーすけよりも期待に胸をふくらませていることだろう。
さて、いよいよ『よーまお』の一挙放送が始まった。……始まったのだが。
物語が進むにつれて、リーナの顔が不機嫌になっていった。
それだけではなく、あーだこーだと愚痴を言い始めるようになった。
「魔王様が妖精になんかなれないよー! 魔王様は葉っぱでドロンできるタヌキじゃないんだよ!」
「…………」
「魔王様が悪い人なわけないよ! 魔王様は単に魔力が多いだけの優しいへっぽこなのー!」
「…………」
「むむむ……どうして妖精の男の子がいないの? リーナわかんない……」
「…………」
りゅーすけはそっとスマホの電源を切ると、リーナの頭を優しく撫でた。
ーー今度からは日常系アニメを見せよう、うん……。
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