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Cercatore   作者: INα
3/6

家出〜到着〜

御者の言葉通りに歩みを勧め手たどり着く初めての街。

 日が登りきったあたりで御者のジェルマン老人から聞いたとおり看板があり、親切丁寧に距離まで書いてる。

「近い方はコルメンチって街か……確か商業の街だっけ?」

 コルメンチ。商業区で働く商人たちは高い徴税に苦しみながらも、この街で成功しないと商人として名は売れない。そのジンクスに縛られていて事実ここ以外で、0から開業したりするものは少ない。そのようなこともあり、厳しい税の徴収があったとしても修行だなどで自身の生活すら危うい状況で日夜営業している街となっている。

「あまり気乗りしないな……こういう街こそ面倒だ……避けて通りたいが食料もしっかりとしたものが欲しいからなー、馬車とか乗って街を移動していくのも楽だからー……あー独り言言ってても拉致あかないし行くか!」

  青年ウェルの歩みは軽やかだった。看板に書いてあった距離は半日ほどで着く歩行距離になるが、何分一抹の不安はあれど初めての街に歩く速さも歩幅も広くなり、日が傾き始めた頃にはコルメンチに到着した。

 街の入口となる大通りには門が構えられていて兵士が立っているのも見えた。

 息切れしながらも水分を摂り息を整え終えたウェルは兵士へ話しかける。

「はじめまして、旅人のウェルと申しますがこのまま入って問題はありませんか?」

「ああ、問題ないぞ。ただし問題は起こすな?取り敢えず宿屋だろ?ここを真っ直ぐ行けば看板が出てるから迷わないはずだ」

 兵士は旅人への対応になれているためか、すぐに宿屋を案内されたことにはウェルは感謝をし、一礼した後言われた通りに宿屋へ向かい戸を開けた。

「いらっしゃい!宿泊ですか?食事ですか?」

 貫禄のある男性が大きな声で迎え入れてくる。

「出来れば、両方をお願いしたいのですが…」

「でっかい荷物だな?旅人か?」

 ウェルは頷き応えた。

「若いのに旅とはロマンだな。店主してなきゃやってみたいもんだ……で何日泊まる予定なんだ?」

「あ……特に決めてませんでした取り敢えず5日でお願いします」

「お、ありがたいね、じゃあ小銀貨2枚と大銅貨5枚で」

 ウェルは金額を言われた途端感じたのは高いということを感じ、一瞬渋ったのを察したのか店主が小声で話してくる。

「いや、すまねえな……この街の事情知っちゃいると思うが、王国に近いこともあって料金を上げるように領主の貴族様に言われているんだ」

「なるほど、利用者も多いことから値上げしたということですね」

「そう解釈してくれると助かる」

「では、その金額でお願い致します」

 ニカッと笑みを浮かべ店主は部屋の鍵を渡してくれた。食事は後ほど届けてくれるということで、ウェルは部屋に入り荷を下ろして椅子に腰を下ろす。

 内装も充分、トイレも風呂も完備十分すぎるこれならあの値段に納得もできる。そう考えながらウェルは食事を待った。

初めての宿での食事ってワクワクしながら待ってしまう。


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