意外な一面
「気になる物がこれくらいしか無かったのでもういいです」
「あら、そうなの?ほら!これとかどう?これとかもいいのになぁ~」
そう言って勧められたのは、さっき見つけたぬいぐるみやおもちゃだった。さっきも言った通り、もう子供ではないのだ。この様なものに惹かれる年ではない。ということでお断りする。
「じゃあ次は宿に行くけど、一人で大丈夫なの?それとも私が一緒に寝てあげようか?」
「お気遣いアリガトウゴザイマス。ですが、もう18歳なので大丈夫です」
絶妙に心のこもってない感謝の言葉だった。我ながら情けない。どんなにウザイ時でも声のトーンを変えずに応えていたのに急に棒読み感が出てしまった。それは仕方がないことであろう。チビッ子扱いしてくるのだから。身長は低くても心は大人だっていうのにさ。
「あら、そうなのね……。ホントに大丈夫なのね。じゃあ宿に向かうわよ……」
急に元気がなくなった気がするけど、気のせいかな。うん、気のせいだろう。
宿までの道は意外と遠いらしい。
まず、瞬間移動した場所まで戻る。
ここまではさっきの場所に戻ることが目的だろう。改めて見ると、どこに城がありあの部屋があるのか全く分からない。まあ、それだけ遠かったという話だ。
そして、戻ってきてからはギルドに向かった。ベルさんが試験変更の紙を貼りに寄るからだった。
貼られた瞬間、ギルドは大騒ぎしていた。
「嘘だろッ!試験日が明日だと!?聞いてねぇ。何かの間違いじゃないのか?」
「マジかよ。俺、王宮騎士団上位職の聖騎士を受けるつもりだったんだけどやめようかな」
「俺も王宮騎士団上位職の魔剣騎士を受けるつもりだったが、今の腕じゃあ落ちるかもなー」
「というか、上位職だけ早めるとか不公平過ぎないか?王宮騎士団の初級職は変わらないのによー。これじゃあ、聖騎士、魔剣騎士、あとは瞬騎士だっけか。そいつらが不利じゃないか」
「まあ、上位職だからいつでも対応出来るようにとかじゃね?あと、瞬騎士を受けるやつはいないだろ」
などといった文句が多数あったようだ。そりゃあ文句を言われるのは仕方がない。それにしてもなぜ瞬騎士は人気がないのだろう?その時、近くで大声が聞こえた。
「ほらほら、そこのぽんつく共!これぐらいで弱音はいてるんじゃあ、いつになっても王宮騎士団なんかには入れねぇぞ!いいか、討伐中に準備が遅れたらどうする。“今、一生懸命準備してるので待ってください”なんて言い訳が魔物に通用すると思っているのか?それとも試験を諦めるように必死こいて逃げるのか?違うだろッ!どんな時でも対応出来るようにしとくのが冒険者ってもんだろうが!これでも分からねぇやつは王宮騎士団なんか諦めろ。冒険者もなッ!」
「「「はっ、はいぃ!」
こんな人だったんだな、ベルさん。そりゃあビビるわ。俺も小さい頃先輩に最後まで気を抜くなー!とか怖い顔で怒られた時ビビッてたもんな。
と思っていると、この出来事が当たり前のようなことをいう輩がいた。
「あれが王宮騎士団聖騎士団長ベル……さん!なの?」
「そうだぜ、あの人は若いのに実力で先輩たちを倒していった、下剋上代表のお方だぜ」
「マジ!?あんなに綺麗な人が団長だと!」
「あんな人に怒られたなんて俺は幸せだぁ~」
「お母さん!私、将来ベルさんのように立派になる!」
「そうだね、頑張りなさい」
な……んだと?あんなにチビッ子が好きなウザイ人が王宮騎士団団長とは。もしも俺が合格してしまったらこの人はせんぱい先輩という立場になってしまうじゃないか。まあ、この人は聖騎士で俺が受けるのは瞬騎士だから大丈夫かな。こんなにも評判がいいのだ。今後ともいい関係を続けていきたいものだね。
それとも今、この性癖を言ってしまおうか。そう思った瞬間、後ろから殺気が起きたような気がした。これは止めた方が良いという合図だろう。
「じゃあ、行きましょう。レイ君!」
顔を真っ赤にして早歩きで去っていく。これで一つ土産話がとれたな。
そう思い、ついていくのであった。
今週は色々忙しくなってしまい、日曜日に一気に投稿という形になってしまいました。
最近では週間ユニークユーザーが100人を超えててとても驚きました。
来週は一話か二話の投稿になりそうです。
この小説が良いなと思った人は知ってる人に宣伝していってくださいますようお願い申し上げます。←願望
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これからもよろしくお願いします。