序章
見てくださった方々ありがとうございます。
初めての投稿です。
マイペースでいこうと思っていますので、これからよろしくお願いします。
とある18歳の男性が女の子をかばって死亡というニュースが流れた。その人物を知っている人ならありえないと思う話であるが、それは事実だ。さて、その人物は誰だろうか。
と言う前に、人生とはモブはモブらしく、人は人と助け合って、見えないところで支え合っている。
表に立つもの然り、裏に立つもの然り。世界に不要な人間はいないと思う。
これは死にたいと思うものも世界不適合者でも、何も起きなければニュースはない。
何も起きなければ、警察はいらない。なにかしら小さな不祥事でも大きな不祥事でも、誰かの「やらかし」がなければ成り立たない生活があるのである。
誰にも名前を呼ばれず、誰にも感謝されず、誰にも認識されず、いつ消えてもなにも変わらないそんなモノでも世界の歯車を回している。
死んでもいいが、死んではいけない。
そんな無気力な使命感が彼を動かしている。
というのが神の視点から最初で最後に一つ言えることだろう。
とある一軒家に電話が鳴り響く。
「はいはい、もしもし。なにか私に御用でしょうか」
「ようよう久しぶりだな、零!今度の学会にお前も出てほしいんだがいいか?」
「えっと、とても手間がかかることであり、めんどくさいので却下ということでお願いします」
「いやいや、お前の様な天才が必要だから………頼む!」
黒谷 零。18歳。小学生で大学の授業を終わらし、色々な場所を転々としている。話し相手は大学の先輩であり彼とは比べ物にならないが世間から見たら天才である。
零の第一声は生まれてから一週間ほどであり、円周率を何百桁まで暗唱していたらしい。
小中ともに一年で飛び級。理由としては、彼の先生が彼に知識で負け泣かしてしまったとか。
え、そんな人間いないって?
それは彼の表向きの実績であり、裏の実績もあるから。詳しい人は利用されるか消されているからである。大舞台に流れることは決してない。
それは暗殺者だ。
表裏どちらも完璧なのが黒谷 零だ。だがしかし、少し残念な点もある。
めんどくさがりであり、無駄を嫌うのである。
「本当の理由は?」
「流石にバレるか。こんなに頼む時はバレんのかな。一つしかないだろう。暗殺だよ。学会の会長が密輸組織に繋がっているんだと」
「しょうがない!すぐ行く!」
良いところとしては正義感が少し強いってところだろうか。勿論、暗殺者だから冷たく猫かぶってる事もあるが。すぐ行くと言って、彼はすぐに家からでる。
話をつける場所はいつも同じ。知っている人間はあそらく4人のみ。
行き方のルートはとてもめんどくさい。回り道を何十回、建物の中を通ることもある。
そんな道を急ぐというのは、できそうでできないことなのだが、彼はできた。
「久しぶりの日光だぁ~、いやそんなこと言ってる場合じゃない。急ぐか」
交差点に差し掛かった時、一人の少女が道路へと走っていく。それを見て、見逃す彼ではない。真っ先に走っていき少女を助けようとした。
一台の車を軽々と避けていき、少女のところに辿り着いた。が……
不運なことに信号無視のバイクにはねられる。
一人なら避けられていただろう。もともと、クライアントに頼まれていた場合も問題はなかっただろう。
不運だったのは、久しぶりの外出だったことと、楽しみすぎたことである。その前の記憶は定かではないが…
そのバイクを運転していた者は表情が分からなかったが、口元が少しにやついたのはかろうじて分かる。
まるで目的が達成されたかのように。
そしてこの場から去っていく。
だが、彼は喜んでいた。なぜなら、少女を助けられたからだ。
「いや…………よかっ…………た……」
そこで彼の意識は途切れることになった。