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第61話 マナが居ると時短ができるようです。

二話目投稿です。

これも短くてすみません。

年初めの大集会前には王城に行って養子縁組の手続きをしたいよなあ……

今のままだとギリギリかね?

一度進捗状況って奴を調べないといけない。


と思っていたので、

「サイノスさん、馬具の制作状況を確認したいんですがいいですか?」

と、声をかけてみた。

「そう言えばマイノスの奴が『皮の鞣しに時間がかかっている』と言ってたな……。

 まあ、どちらにしろ、私も一緒に行きますよ」

こうして二人でマイノスさんの所へ行くことになった。



「うっ」

俺が匂いに顔を顰めると、

「ああ、鞣し薬の匂いです」

とサイノスさんが言った。


確かタンニンを使って鞣すんだったよな。

こんな匂いがしたのか……。


地面に多くの桶が並び、薬液が満たされている。

そこに大きな皮が浸かっていた。


「いらっしゃいませ、マサヨシ様」

マイノスさんが現れる。

「すみません、見ていただいた通りです。

 皮の鞣しが遅れていますね。

 もう少しなんですが……」

「行程的には、皮の内部に薬液を染み込ませればいいんでしたよね」

「ええ」

マイノスさんが頷く。


皮の中心を負圧にすればそこに液が染み込むかね……。


「魔法を使ってみてもいいですか?」

「皮の鞣しに魔法ですか?」

不思議そうな顔でマイノスさんが言った。

「ええ、俺の知識を少し使って液を染み込ませてみようかと……」

「行程が進むのであれば助かります」

ということで、皮の鞣しを魔法で行うことになった。


マイノスさんと共に工房へ向かう。

薄い皮の中心辺りを若干負圧に持って行く。

んー、どんな具合かわからない。


悩んでいると、

「手伝おうか?」

俺の中からマナが現れた。

「この皮に液を染み込ませればいいんでしょ?」

「できるのか?」

「任せて!」


マナの姿は俺以外に見えないようにしてあるのか、独り言を言う俺に少し引いているサイノスとマイノスの兄弟。


皮の入った桶が少し光ると、

「はい、染み込んだわよ」

マナの声が聞こえた。


「はい、できました、マイノスさん確認してもらえます?」

「えっ、もうですか?」

マイノスさんは桶に手を入れ、皮を引っ張り出す。

既に表面にあった細かい毛などは除去されていた。

「あっ、完璧だ」

 じゃあ、次の桶に入れます」

マナの力を使って、次々と桶の液を染み込ませた。


「これで鞣しは終わりました。

そのあと行程がいろいろあるのですが……手伝ってもらえませんか?」

マイノスさんがチラリと俺を見ながら言った。

「役に立つのであればね」

残り何行程かがあったが、マイノスさん指導の下、マナと俺の能力で丁寧に皮の処理を行う。

「できた!

 これならすぐにでも馬具の制作が可能になります

 、あとは十日もあれば職人を使って馬にも馬車にも馬具が届けられると思います」

出来上がった皮の状況を見て驚くマイノスさん。


帰り道、

「マサヨシ様、あとは裁断と金具の組付けです。

 行程がだいぶ進みました。

コレなら、年内には馬車で王城に行けそうですね」

とサイノスさんが喜んでいた。


「私は役に立った?」

フワフワと飛びながら俺を見下ろすマナ。

「ああ、役に立った。

 ありがとな」

マナの頭を撫でると、マナはくすぐったそうにして、

「じゃ、明日のおやつを増量で……」

と言って俺の体に戻っていくのだった。


現金な奴だ。


読んでいただきありがとうございます。

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