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第5話 まあ、とりあえず街に行かないと、どんな話も始まらない。

 奴隷商人の懐に地図があったので、字が読めるのか確認することにした。

「この先に街があるみたいだね。えーっと、ドロアーテでいい?」

「そうよ、ドロアーテ、あってるわ」


 おっと、当たってた。


「私はドロアーテで奴隷として売られる予定だったの。

 でも街としては大きいからマサヨシが活動するには良い所かもしれないわね」

 あまり行きたくないのかクリスは嫌な顔をする。

「行かない方がいい?」

 俺が尋ねると、

「いいえ、マサヨシが行くなら私もドロアーテに行くわ。

 それに戻るほうが危険だと思う」

 と、何かを決心したように言った。

「じゃあ、まずドロアーテへ行こうか……」


 と言ってみたものの、馬が殺されたので歩くしかない。

 まあ、馬が生きていても俺には扱えない。

 つまり、歩くしかないわけで……。


 ふと「移動も『イメージ』で何とかならないかな」と思った。

 やっぱ「平原を走る(疾走する)」といえば、「〇ム(ド〇ッジでもヨシ!)」。

 ジャイアントなバズーカを持って中腰のホバーで走る。

 子供のころブラウン管テレビで見ていたのだ。

 そのド〇をイメージして……。


 すると、足が数センチ浮き上がる。


 おっ、行けた!


 そして前進をイメージすると移動を始める。


 これ、意外と安定するな。

 俺の体型も〇ムっぽいからか?


 走り始めて二秒ぐらいでクリスが点になった。

 俺的に、この移動を高速移動と名付けよう。


 てな感じで、勝手に満足していると、遠くから視線を感じる。


 ありゃ? クリスがちょっと怒ってる。

 やばっ。


 急いで戻った。

「魔法を使ってしまいました。ごめんなさい」

 と、先手で謝る。

 嫁さんが怒っていた時はこれが一番だった。

「ひどい! 放っていくなんて……」


 あっ、クリスがちょっと涙目だ。

 何とか許してくれないかな?


「ふむ、だったらこうやって連れていく」

 そう言って抱き上げた。

 俗に言う「お姫様抱っこ」。

 嫁さんとの結婚式以来か? 

 前撮りでウエディングドレスの嫁さんを抱っこさせられたっけ。

 滑りやすい生地だったから苦労したよな。


 などと思い出す。


 ん?

 クリスはおっさんに抱っこされるのは嫌かな?

 

 と思っていると、クリスは顔を赤らめて手を首に回してくる。

 

 許容されたようだ。


 細い体だが、出るところは出ている。

 気になるが気にしないように努力した。


「さて、ドロアーテへ行こう」

 全速で街道をホバー移動開始。


 意外と音しないのね。

 エンジン使ってないからか?


 後方へ空気らしきものが噴き出す音が「シュー」ってするだけ。


 うーん、町までの距離感がわからん。あの適当な地図じゃ仕方ない。

 マップ表示できんかな?


 そう思うと、手に入れた地図よりも正確な地図が視界の右上に表示された。拡大すると半透明になり、視界全体に現れ縮尺も調整できた。


 さすがにナビゲーションは無理だろう。

 あれ? マップ上に矢印が表示。

 地図上にもルート表示。

 道なりに行けって?

 なら、レーダーとかも? 


 周囲の魔物黄色、敵対者赤表示、その他、白表示……すると、光点が表示された。

 とりあえず近くに敵は居ないことがわかる。


 どれくらい速度が出てるだろう。そういや〇ムって、時速九十キロメートルぐらい出るらしい。

 クリスはこの速度に慣れていないのか、ぎゅっと抱き着いて目をつむったままだ。

 胸のふくらみが当たるのだが、それは役得ってことで……。



 そういえば街道で人にすれ違わない。

 あのゴブリンたちが原因なのかもしれない。

 安全な別の道があるのに、奴隷商人のようにわざわざ危険を冒してまでこの道を選ばないか……。


 お陰で目立つことなくドロアーテへ近づくことができた。


読んでいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] >ド〇ワッジ ド〇ッジでは? 一文字も隠れてませんよ(苦笑)
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