表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
164/175

第164話 孤児院を作ろう2。

 ロルフさんに孤児院用の寮となる建物を手配してもらい、建物だけは形になった。

 デカい風呂も作った。

 寝具も準備した。

 あとは……子供だよね。


 シーラを抱き、あやしているカリーネの所に行く。

 クリスとアレックスも一緒に外で日光浴ってところだろうか。

「マサヨシが来た」

「お父さん来ましたよぉ」

 俺に気付くクリスとシーラの手を振るカリーネ。

 アレックスの頭を撫でると、ムッとした顔。

 シーラの頭を撫でると、キャッキャと笑う。


 この差は何で?

 まあ、それでも二人とも父さん大好きです。

 頬ずりしたいほど……。

 そのうち嫌がられるんだろうなぁ。

 

 俺は用事があるカリーネの横に座り、シーラの手を触るとシーラは俺の指を掴み遊び始めた。


 かわゆいのう……。

 今のうちに親バカ全開ってことで……


「どうかしたの?」

 カリーネが声をかけてきた。

「ん?

 ああ、孤児を集めたい」

「そうなのね。

 前に言ったことを始めるんだ」

 カリーネが頷いた。

 クリスが、

「だったら、炊き出しをしてみたら?

 無料で食べ物が食べられるとなったら、孤児は集まると思うわ」

 と思い付いたことを言う。

「そうね、グランドマスターの権限で、各ギルドで炊き出しをしてもらいましょうか?」

 

 カリーネが同意するっていうことは、クリスが言うことに一理あるのだろう。

 アイナやフィナが匂いにつられて出てきたことを考えると、有効なんだろうな。


「カリーネ、頼んでもらえるか?

 できれば、冒険者たちに街の中を巡回してもらって、病気なんかで動けない子たちも保護して欲しい。

 炊き出しにけがや病気の治療の費用はこっちが持つ。

 孤児たちに声をかけてもらって孤児院に来るとなったら、ちゃんと風呂に入れて清潔な服を着せてもらいたい。

 当然食事も。

 リエクサの街までの移動。

 護衛が必要ならその護衛も。

 その辺の諸々の費用は俺が持つから、依頼を出してもらえないかな?」

「わかったわ、各ギルドに周知しておきます」

 カリーネは言った。



 一応ダンジョンの報告も……。

 このダンジョンは攻略したことにして、完全に自分用に使う。


「カリーネ、大暴走の時に見つかったダンジョンあっただろ?」

「ああ、あなたからも聞いたし、グレッグからも報告は受けてるけど」

「あれも攻略したから」

 一瞬カリーネが呆れた顔をすると、

「まあ、仕方ないわね。

 あなたなんだから」

「確かに、マサヨシだから仕方ないわね」

 クリスも呆れ顔だ。

 カリーネが苦笑いしながら、

「わかりました。

 ドロアーテに報告をしておいて。

 そうすれば、グレッグから報告が上がるでしょう」

 と言った。

「あと、なぜかリエクサには冒険者ギルドが無いんだ。

 できたら、小さくてもいいから支部を作って欲しい」


 事情がわからないがそうらしい。


「それはポルテ伯爵と冒険者ギルドの仲が悪かったから。

 森林が多いから、冒険者としては稼げる場所だと思うんだけど。

 伯爵としては討伐依頼を出すなら騎士団で何とかしたいと思っていたみたい。

 知っての通り、お金が無い伯爵だったから」

「その割には騎士団がまともに機能していなかったんだがねぇ」


 魔物が多いのはそういう理由もあったのか。

 まあ、現在、ケルのわんこ部隊で、魔物はほぼ駆逐済み。

 ヒューベリオン率いるワイバーン部隊も訓練が無く放たれている時は魔物を狩っているらしい。

 ラウラが居ない時はリエクサの街の横にある広場でワイバーンと共に眠っている。

 ある意味名物になっているようだ。


「わかりました。

 私の天下り先だからちゃんとした物を作るわ」


 ちゃんとしてない冒険者ギルドもあるのかね。

 あっ、ゼファードにあったね。


 一カ月ほどすると孤児院の前に子供たちが乗った馬車がぽつぽつと現れ始めた。

 冒険者の護衛付きである。

 そのままリエクサに住みつき、冒険者として仕事をする者も居ると言っていた。

 カリーネの天下り先……つまりリエクサ冒険者ギルド用の建物も移築し、仮のギルドマスターと職員が運営を始めているからだ。


 馬車の中から乳飲み子のような子も出てくる。


 ありゃ、これはまずい。

 そこまで考えていなかった。


 早急に貰い乳ができるように手配をした。

 孤児も居るので夜の世話も込みの三交代だ。

 当然、乳を提供する女性には手当を出す。

 クラーラの手が空いていたので、赤子の世話係を押し付け、その下に子育てが終わったおばちゃんをつけた。

 給料も良いということでおばちゃんたちもホクホク。

 乳児園の様相を呈してきた建物の庭には物干しざおに干された白いオムツと産着がはためくのだった。


 そう言えば子守をしながらの畑仕事って難しいと聞いたことがある。

 リエクサの子を預かる保育園ていうのが必要だろう。

 ただ、子供が労働力の一端を担っている部分もある。

 その分は何らかの方法で、作業量を減少させないと。

 農民、職人、兵士、文官育成で乳児から成人までの一貫教育?

 まだ建物が要るか……。

 ロルフ商会に依頼だろうな。

 人材も追加しないと。

 最終的には鉱山なんかの副収入で「目指せ教育費ゼロ」ってことで。


読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ