第104話 用心棒追加。
誤字脱字が多く、ご迷惑をおかけしております。
んー、もう少し綺麗な服も要るかな?
「カリーネ、悪いんだがこの子たちと服を買ってきてもらえないか?」
「いいわよ?
でもマサヨシは?」
「俺は義父さんに事後報告をして、用心棒を連れてこないとね。
あと、転移の扉を作らないとね。
お金はこれを渡しておくよ」
小袋に金貨と銀貨が少々入った物を渡す。
「じゃあ、あなた達。
私と服を買いに行きましょう」
カリーネは三人を連れて屋敷を出て行く。
それを見送ると、俺はオウルの屋敷に帰った。
屋敷に戻り、そのまま執務室へ向かう。
「義父さん、居ますか?」
「どうした、入れ」
言われるがまま執務室に入ると、
「事後になりましたが、報告が」
「何だ?」
「ゼファードで屋敷を購入しました」
「ふむ、それは何でだ?」
カリーネから言われたことを、義父さんに話す。
「ふむ、確かにゼファードを拠点としない者がダンジョンを深層へと攻略しているのはおかしいかもしれないな。
それは仕方なかろう」
父さんは頷きながら言った。
そして、
「しかし屋敷を買ったのなら、管理する者が要るだろう?」
と聞いてくる。
「それは現地の孤児を雇い入れました」
「素性は?」
「フィナと同じく、冒険者の親が亡くなった三人姉弟です。
身を売ろうとしていた姉とその弟二人。
娘はすでに隷属化されていましたので所有者を私に変更してあります」
「小さな子が……不憫よな。
わかった、問題はあるまい。
また増えねば良いがな……」
ニヤリと笑う義父さん。
「変な事を言わないでください!
たまたまですよ。
目についたところにたまたま居ただけです」
「わかった、お前の好きなようにすれば良かろうて」
「ありがとうございます。
つきましては、庭師見習いのボーをその屋敷に住まわせようかと……。
剣の腕もそこそこになっていると聞いていますので……」
「良いのではないか。
庭の手入れも必要だろう」
これで、屋敷ついては問題なくなった。
執務室を出て庭師見習いのボーのところへ行く。
ボーは、庭木の一つの剪定をしていた。
「ボー、やってるな」
「あ、マサヨシ様」
そう言って、ボーは脚立から降りてきた。
「頼みがあるんだが聞いてくれるか?」
「何でも言ってください!」
「ゼファードに屋敷を買ったんだが、そこの庭師をしてもらえないか?
ついでにそこで暮らす姉弟の用心棒も」
ボーは少し考えたが、
「やらせてもらいます」
と頷いた。
「じゃあ、すぐに準備をしろ」
「準備と言っても、俺は着替えぐらいで、袋一個です。
すぐに準備してきます」
ボーは走り出した。
「じゃあ、俺は転移の扉を作るから、メルヌ行きの扉の前で合流だ」
「わかりました」
俺は倉庫に行くと扉を見つけて、ゼファードの屋敷に繋がる扉を作る。
「自立したな……」
扉を開けると、屋敷の玄関。
「できあがり」
丁度ボーも来たので、扉に使用者登録をして、ゼファードの屋敷にもどる。
カリーネたちより先に着いたようなので、姉弟から少し離れた一人部屋をボーにあてがう。
「えっ、こんないい部屋に住んでいいんですか?」
「んー、悪い。
一人部屋はこういうのしかなくてな。
この屋敷も事情があって買っただけなんで、基本ボーと姉弟しかいない。
お前がカリンと一緒にこの屋敷を守ってくれ。
武器は要るか?」
「ショートソードがあると助かります」
「業物という訳ではないんだが……」
俺はダンジョンの中で手に入れた武器の中からショートソードを何本か出した。
ボーはそのショートソード抜き、持ち上げたり軽く振ったりして馴染むものを探す。
「これでお願いします」
と言って一振りのショートソードを見せる。
「ああ、使ってくれ」
俺がそう言うと、ボーはショートソードを腰につけた。
「あら、帰ってたのね」
カリーネが現れる。
そしてカリーネに付いて町娘のようなカリンが現れた。
ロムとラムも動きやすそうな格好に変わっている。
「子供服なんて久々ね。
何とかいいのがあったわ」
「ありがとう。
こっちも準備ができた。
カリン、こいつがボー」
ん?カリンを見てボーっとしてる。
一目惚れかね?
「挨拶ぐらいはしろ」
と俺が言うと、
「えっ、ああ、ボーです。
よろしく」
と言って赤くなって頭を掻いていた。
「こいつにこの屋敷に住んでもらう。
それなりの剣技を持ってるから用心棒ぐらいにはなる。
ボーにも言ってあるんだが、基本的にこの屋敷にはボーとカリン姉弟の四人しかいないので仲良くするように」
「マサヨシ様は?」
「基本的にオウルの屋敷に居る。
俺は、玄関からそのままダンジョンへ向かうだけ」
カリンは訳がわかっていないようだ。
「実際にやってみたほうが早いな」
俺は転移の扉を開けた。
「これは俺の魔道具で『転移の扉』という。
この扉を開ければオウルの屋敷に繋がるわけだ」
「えっ、この向こうがオウル」
「マサヨシ様はスゲーんだぜ。
こんななりだけど強いし優しいし。
だから、婚約者なんて片手に余っているんだから」
俺はボーを小突いた。
「痛っ」
「余計なことを言うな!」
「すみません」
苦笑いで返すボー。
「とりあえず、カリンにもこの扉は使えるようにするので、ちょっと手を貸してもらえるか?」
恐る恐る手を出すカリンの手を取ると、使用者登録を終えた。
「うし、これで終わり。
食材費はこれで足りるか?」
俺は食材費として銀貨十枚を渡した。
「多すぎます!」
「ボーも居るんだ。
多めのほうがいいだろう?」
と俺が言うと、
「俺、そんなに食べません!」
と反論する。
「まあ、怒るな。
あと、何かあった時のためにこの金貨も預けておく。
どうしても使わないといけないときに使えばいい」
更に子袋に入れた金貨五枚をカリンに渡した。
「それでも足りない時はちゃんと屋敷に報告すれば俺が何とかするからな」
カリンは受け取った袋の中をまじまじと見ていた。
「あと、ボーもカリンもオウルの朝練には参加すること。
カリンは読み書き計算はできるか?」
「いいえ……」
恥ずかしそうにするカリン。
「ボーは?」
「マールさんに教わりましたから、問題ありません」
胸を張るボー。
「だったら、時間ができたらボーが先生になってカリンとラムとロムに読み書き計算を教えること」
「「わかりました」」
と、ボーとカリンは頷く。
「こんなもんかね……。
後のことはボーとカリンで考えてくれ。
何かあったら、オウルのほうに来ればいい。
俺が居なくとも誰かが解決してくれるだろう」
「「わかりました」」
二人は再び頷いた。
見栄えのための屋敷。
無駄遣いしすぎたかな?
まだやってはいないが、俺の収納カバンに屋敷ごと入れられるのであれば、家を修理して移築とかできるかも。
さて、明日は朝からゼファードのギルドへ行こうかね。
「主人の部屋……。
あそこいいわね。
みんなと結婚したら、この屋敷別宅にしましょうよ」
気の早いカリーネが居た。
読んでいただきありがとうございます。