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斜め45度の視線で

作者: 半信半疑

 誰かが決めた価値観では、

 判断できないことばかりで。

 世の中全てを斜めに見つめたい。

 真正面は、毒が強いから。


 純真無垢など片腹痛い。

 奥底にいるのは、ぎだらけの怪物なのに。

 牙を見せた瞬間を、みんな忘れているんだね。

 狂ったように笑ってるのはどうして?

 見たくないものが映るからでしょう?

 本当のことって何?

 君の言う”真実”ってやつのこと?


「十分な検証は行ないました」

 そう言う役人の顔は無貌むぼう

 意図的に消された人の顔。

 僕らは皆、人形なんだ。

 カミサマのてのひらの上で踊るんだ。

 お気に入りじゃないと捨てられてしまう。

 側溝に向かってポイって。

 お願い、誰かさん。

 消耗品の塊に価値を与えて。


「明日の光が生まれる前に、屋上を目指そう」

 そう言った誰かさんは、頭から喰われた。

 やっと認めてもらえたのに。

 沈む腰にしがみつき、

 行かないで、と言ってみる。

 でも、結末は分かっていた。

 だからこれは、単なるわがまま。

 理不尽に対する、最後の抵抗。

 ”希望”という羽は千切られむしられ、

 背中には暗闇が、のっぺりとした顔をのぞかせていた。


 箱庭を飛ぶ蝶は幻想なんだって。

 昨日読んだ物語に書いたあったよ。

 月の裏側では黒い凸凹でこぼこが笑ってるんだ。

 指を折られた右手では何もつかめやしない。

 いつだって最低の気分で、濁った水をすするんだろう。

 だから外れる。

 だからかたむく。


 誰かが決めた価値観では、

 判断できないことばかりで。

 だから斜めに見つめていたい。

 真正面からは見えないものを。


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