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三匹のおネエ ~おネエ達の異世界生活~  作者: ジェード
第Ⅱ章 人里に出た三匹
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T03 仲間と旅立ち

閑話ネタのTくんです。



 この世界に来てからひと月が経った。


 修行を重ねて剣術や体術のレベルが5まで上がった。

 魔法も何度も撃ち込みを重ねたことでしっかりと使えるようになった。

 これで実戦で困ることは無いと教えてくれた人達は言っていたけれど、問題は実際に「殺す」という行為にあるんだと思う。


 襲ってこられたら、逃げられればいいけれど無理だったなら殺す他に無い。

 殺すということは剣をぶっ刺したりすることだから、切れば血が出るだろうし、悲鳴も上げるかもしれない。そんなことを思うと気が重くなる。でも、これは避けては通れない問題なんだよな。


 僕が育ったことが指南役から伝わると、王宮の大広間で盛大に結成式が行われた。

 何の結成式かと言えば「勇者一行」の結成式だ。

 つまり、僕が旅をする上でのチームの結成式ってことになる。

 同行してくれることになったのは、帝国重装歩兵のギード、帝国騎士団のクラウス、神官のウラ、帝国宮廷魔導士のイゾルデの4名で僕を入れて5名。いずれも見習いクラスの人達で、将来有望の人材を集めたという話。見習いってことは年齢的には一六歳~十八歳くらいの人達かな。


 ただ、実のところはサッパリ不明。

 なんせ、この日が初対面なわけで、彼らが普段どの様に過ごしていたかなんて噂にも聞いたことは無い。


 外見的な特徴を紹介するなら、ギードは重装歩兵というだけあって体格は良い。身長は僕が164センチだから、僕より10センチ以上は高そうかな。茶髪に黒目で白人特有の堀の深い顔立ちだけど、若いから可愛い顔をしていて身形とギャップがあるかも。


 クラウスはプラチナブロンドのサラサラの髪に青い目のイケメン。銀色の鎧に身を包んで帝国の黒マントを付けている姿は絵になる感じ。身長は僕より高いけれどギードよりは少し下かな。見た目からするとクールそうだけれど、実際の性格はどうなんだろう。パッと見で言えば、僕とお友達になりそうなキャラではないかも。


 神官のウラは女の子で、クラウスと同じ銀色の鎧を着ていて、槍を得物にしているみたい。髪は青くて銀色の目をしているからモロにファンタジーから出てきたって雰囲気。身長は僕より高そうだけどクラウスよりは小さいんじゃないかな。っていうか、僕より高い女の子とか……。


 最後にイゾルデは宮廷魔導士の法衣を纏っていて、長い金髪をリボンで束ねていて、エメラルド色の優し気な瞳が印象的。身長は僕と同じかちょっと下くらいかな。誰が見ても可愛いって思うんじゃないかと思うけれど、こういう子って気が強かったりするんだよなぁ。


 僕から見た彼らの紹介はこんなところだね。

 その日は全く彼らと話すことは出来なかったよ。

 式典って私語も出来そうにないくらいに緊張する様な状況だったから、僕自身にも余裕が無かったのもあって接触する気にもならなかったし。


 式典が終わってから部屋の側仕えとして入ってくれている女の子達に話を聞いたら、王宮内女子の間ではクラウスの人気は高いらしい。……まぁ、あの容姿だしなぁ。でも、普段無口で無駄口を叩かないことでも有名らしくて、表情も変えることが無く何を考えているのか分からない人らしい。

 その辺を不気味と感じて敬遠する人もいれば、侍女の子達の様に寡黙さをクールと好意的に変換して受け入れる人と両極端になるみたいだね。


 ギードの噂は特に聞かないそうだけれど、彼の事を知っている人の話では北の方の田舎出身の、いわば田舎の出世頭といったところらしい。恵まれた体格と土の精霊の加護を生まれ持っているという特質のお陰で、重装歩兵として盾らしい力に恵まれたという感じ。選ばれた理由もそこらへんに有るんじゃないかと。


 ウラとイゾルデについては誰も知らないと話していた。

 まぁ、神官は教会の人間だから王宮外なので知らなくて当然だろうし、宮廷魔導士については王宮付きといっても別棟の魔導院というところにいるから、見習いレベルの彼女が王宮に上がることはまず無い。

 知っているとしたら余程親しい人くらいなもんだろうね。


 この四人との旅立ちの日は一週間後の予定になっている。

 最初の目的はギルドに所属することになるっぽい。


 ギルドとは冒険者ギルドのことで、冒険者という存在は傭兵やハンターみたいなことをする人達のことを指すみたい。で、僕もその範疇になるんだけど、何故所属する必要があるかというと、帝国領内ならば問題なく何処でも歩けるんだけれど、領外で自由に国を出入りするには通称「ライセンス」と呼ばれるギルド登録証が必要になるからなんだ。


 ライセンスの取得は各地域の詰所に行って、受付で書面を記入した上でお金を払ってまず「仮登録」することになるんだ。この仮登録証でとりあえず通行許可証代わりに出来るんだけれど、飽く迄仮なので一か月すると無効になっちゃうんだ。

 これを本登録にするには「課題」をクリアしなくてはならなくて、その内容は場所によって様々だし、冒険者自身で選択できることもあるという話。


 まぁ、何をするにせよクリアしないと本登録とはならないので、まずは登録して課題をクリアするというのが最初の目標って事になるんだ。

 噂に聞く範囲には、どっかにある何らかの物を探し出して持ち帰って来るってのが課題として出されるらしい。宝探しが課題というのはチュートリアルとしては分かり易い話だなと思ったけれど、そんなゲームのチュートリアルみたいに優しいおもてなしがあるのだろうか。


 期待に胸を広げてなんてこともなく、半ば引きながらも旅立ちの日を待ったよ。

 なんだかんだと言っても基本小心者なんだよね。

 放り出されたら仕方なく受け入れる方だけれど、それまでは悪足掻きしたくなる方なんだよな。


 旅立ちは呆気ないくらいに素っ気無く始まった。


 出発する当日の朝は早めに支度を始めると、食後すぐに旅立つ用意がなされて4人と合流することとなった。彼らの服装を見ると、以前の結成式で見た白銀の鎧は着ておらず、みんなベージュや茶系の服にレザーのプロテクターみたいなのを着ていた。……旅装というよりは、帝国の正規武装をすることを禁じられているのかな。

 考えてみれば他国に入るかもしれないから、帝国正規兵の格好で出歩いたら目立つか。でも、明らかに装備のランクは下がったように感じる。大丈夫なのかなぁ。


 王宮の裏門に集められた僕達はそこで姫より簡単に出発に向けての労いの言葉があると、それ以外は何も貰うことは無く始まった。……某国民的ゲームの王様がショボい装備にしょっぱい金額を出すと有名だったけれど、僕の場合装備やお金すら貰えなかったのはどう捉えたら良いのやらだよ。いや、一応給料は出たけれど、あれじゃお世辞にも旅費にならないんじゃないかなぁ。

 しかも、あれだけ持ち上げていた割に、この見送り状況も寂しいというかなんというか。盛大に送り出されても気が引けるけれど、これだけ簡素だとこれまでが嘘の様だよ。



 僕は内心苦笑しつつも、前を向いて仲間達と城門を出た。

仲間達と一緒に出たちひろ。

あまりのしょぼさに驚きつつも旅立ちました。


T編続きます。

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