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三匹のおネエ ~おネエ達の異世界生活~  作者: ジェード
第Ⅱ章 人里に出た三匹
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070 グレイズへ

これで二章は最後です。

 それから一か月後、村も落ち着いてきた頃に村の作物や民芸品を売る行商に向かうことになったの。村で唯一の商業者ライセンス持ちであるシャインのライセンスを使ってグレイズに入るんだけれど、勿論私も同行して入り、自分のライセンスを取得するつもりよ。


 ポプリ村は水神騒動以降色々と混乱はあったものの、私も積極的に関わって収めて元の平穏な村に戻ったわ。ただ、農業の効率を改善するために治水工事を行ったり、糞便処理を一か所に集めてたい肥にするし尿処理の変更、税金の免除の代わりに労務作業をする労務税の設定等、これまでの村とは変えたわ。


 治水工事については、村民の中の土属性使いを集めて魔法で掘削してみることにしたの。

 最初は彼らに自分の使える魔法を使ってもらったんだけれど、土魔法ってあまり使い道が無くて土を砂に変える魔法だとか、砂を固める魔法だとかしかなくて、どちらも生活魔法としての活用らしいの。

 前者は固い土を掘るのに砂に変えるし、後者は散乱する砂を固めてポイ捨てするのに使ったりね。


 私は彼らにお手本として用水路の輪切りモデルを用意して、どうやったらこの形になるか考えてもらったの。魔法は物の状態をどうするかイメージ出来れば形になる技術だから、彼らには想像することの大切さを考えてもらったわけね。

 彼らは詠唱によって覚えるという感覚が抜けず戸惑っているようだから、詠唱を否定はしなかったけれど、それは彼らが魔法を使うんだと集中するために儀式として捉えて、その上で効果を与えるための術式を改めさせた感じかしら。


 これによって掘削魔法「クッサク」と盛土魔法「モリド」が生まれたわ。


 この魔法が出来てからは工期が大幅に短縮出来て、村民達も魔法でこれほど簡単に進められると分かってからは張り切って頑張ってくれたわね。

 掘りぬいて形が整ったら、底に不透水層の粘土層を用意するために粘土を見本として用意して見てもらって、同じものを土を使って作り出す粘土作成魔法「ネンド」が生まれたの。

 これで川から水の流れを呼び込めば農業用水路の完成ね。

 作り方を理解してしまうと、彼らも行動は早くて数人がかりではあるけれど、一週間ほどで完成したかしら。

 用水路の仕切りを開けて水を通す完成式は大いに盛り上がったものよ。


 汚物処理については色々と考えたのだけれど、家の外にトイレを作り用を足すという形をまず提案して、家の中の悪臭問題を解決し、外に作ったトイレには木製の便座を設けて、その下に便壺を置き、私特製の消臭ビーズ入りの小さな袋をトイレの中に下げてもらったの。この袋の中のビーズは魔石で、ここに風魔法による消臭効果を付与しているの。村内の風魔法使いが魔力を供給すれば効果は永続という優れものよ。


 これで村からあの匂いが消えたわ。


 そして、便壺の中身の処理が一番問題だけれど、これは一か所に集めてたい肥にして活用することで纏まったわ。その為のたい肥工場の建設だとかも行ったわね。

 

 税金の免除については、免除であって廃止ではないというのがミソよ。

 貧しくて払えない税金が存在するよりは、貧しくても払えるものがある方が確実でしょう?

 そこで労務作業を一定期間従事すれば税金を減免するという扱いにしたの。

 こうすれば貧しくても払いきれるものね。

 労務作業は週に一回のボランティア活動って形に落ち着かせたから、現代社会みたいに会社に時間的に拘束されているわけではない全員自営業的なこの世界では、割と無理なく受け入れられたわ。

 ちなみにこの労務をしたくない人も現れるとは思ったの。


 例えばお金のある人ね。


 こういう人には従来通り税金を課すの。

 ただ、今回の改正で以前より税金額は増やしてるのよ。これは労務作業に従事する人を作るためにわざとよ。村の今後の為にお金が必要だけど、労務で手伝ってくれるなら逆に税金払わなくて良いよってなれば、とりあえず皆納得して作業しようと思うでしょう?

 税収は大きく減ったけれど、お金で雇う人件費が浮いたことで逆に出来ることが増えたのよね。

 例えば労務作業で皆があまり従事したくないたい肥作りに頑張ってもらうだとか、今回の治水工事みたいな土木作業なんかもそう。

 人件費って侮れないのよ。

 ちなみにこれまでの税金が何に使われていたかだけれど、グレイズへの入場料として納めていたり、その際の賄賂としても使われていたのが分かっているわ。他は滞在費や素材の購入に充てられていたわね。

 減収分を考慮しても入場料や滞在費は賄えるから問題ないわ。

 賄賂とかは中身を見直す良い機会ということにしたの。


 それらが終わってからは自警団組織の鍛え直しね。

 アレンを中心に纏めた自警団には村の男達が全員所属することにしたの。

 で、パトラッシュとインディの二人と戦うことで実戦訓練という感じ。

 ……結構なスパルタ具合だったみたいで、最初は負傷者続出で傷薬を大放出する結果になったけれど、ヴェイドとの戦いで弓を使っていたライルなんかは結構頑張れているみたいで、すぐに強くなったのは印象的ね。


 ちなみに私はあの戦闘後しばらく寝たきり生活だったわ。

 LP1が解消されてもインディとパトラッシュの二人が常に見張っていて安静にしていろと、結局三日ほどは煩かったかしら。

 出掛けるにも常に付き添っていて、可愛いけれどお邪魔虫さんよ。


 まぁ、私の体の心配は周りの人達全員だったかしらね。


 なんだかんだと私って村を救った救世主扱いなのよ。だからというか、食事を作ろうと思ったらご近所の奥さんがお裾分けと言って食べ物を持って来たり、ライルのお母さんもいそいそやってきて料理をしてくれたかしら。他にも話し合いの為に村長が私達の分の弁当持参で我が家にやってきたりと、常に賑やかな状況よ。

 私が生きてきた中でこんなにちやほやされることなんて無かったから、なんかとってもくすぐったい様な違和感で一杯だけれど、人の好意は素直に感謝を捧げるべきかしらとも思ってみたわ。


 元気が良くなってからは先程話したような工事に参加したり、話し合いを纏めたり、手が空いたときはご婦人方と一緒に民芸品造りに従事したりと過ごしたわね。

 民芸品については、装飾品以外に実用品として飾り籠や菓子箱やトートバッグなんかを用意してみたの。これまでの装飾品についても編み込みで作ったお花のコサージュなんて用意してみたし、男達にも仕事をと思って、ネックレスやブレスレット等の木彫品を用意してみたの。

 良い感じに格好良いから私も使っているわ。

 一応村の皆で使って、村ならではの雰囲気造りを意識することにしてみたの。

 それに、使っていれば商品の問題点に気付くこともあるから改善に繋がるでしょう?

 気付きって大事なことよ。


 低価格の薄利多売ではなく高価格の商品で高い粗利を得ることを大事にしたいと思っているから、お値段は高めに設定よ。私安売りしないの。



 そんなこんな色々あったけれど、馬車の中は村の新しい商品で満載。

 私達は村の馬車に乗って商業都市グレイズを目指すことになったわ。

 馬車には私とインディとパトラッシュの他に、シャインとライルとアレンというメンバーよ。

 御者台にシャインが座って、私達は幌の中。アレンがシャインの隣に座り、ライルが幌の中で後方を監視ね。まぁ、私には鑑定眼で四方を監視できるから、監視に穴が開くこともないから不安は無いわね。インディとパトラッシュなんか、私が回復してから自警団を鍛える間に自分達でも随分と修行をしていた様よ。


 なんかこの子達は某格闘漫画の世界の子ね。

 名付けを間違えたかしら。


 ジェシーちゃんとルード君はお留守番で畑の方を頼んだからこの旅には参加しないけれど、二人もそのうちライセンスを取りに行かせた方が良いのよね。


 村の音楽が賑やかに鳴り響き、沢山の村人達が見送る中馬車が動き出す。

 私は幌の中から手を振って応える。


 さて、二人には会えるかしら。

 会えると良いなぁ。




 










 川のせせらぎが聞こえる。

 さらさらと流れる音がほんのり向こう側から聞こえる気がする。



 寒い。



 全身が濡れているのか服が纏わりつくのを感じるし、水を吸っているためか重たい。

 体中が軋む様な鈍い痛みを感じるけれど、どうしてそうなっているのかは分からない。



 ザッ、ザッ、ザッ、ザッ……



 足音が聞こえる。

 それも一つじゃなく複数。

 ゆっくりだけれど、確実に近づく音。

 一つがこちら側に小走りに駆け寄ってくる。

 それは私の近くで足を止めた。

 程なくしてもう一つの足音も近くで止まったのが聞こえた











◆ステータス

キョーコ 

 年齢 37 LV,28 職業:魔法使い

 HP2350/2350(924UP)

 MP3840/3840(1488UP)

 LP10/10


 AT113→1193(1080UP)

 DF109→1165(1056UP)

 MA1368→2784(1416UP)

 MD1636→3520(1884UP)

 SP160→982(822UP)

 LU375→1101(726UP)


 スキル

 体 術 LV,6

 武 術 LV,3<眷属共有>

 気闘法 LV,1<眷属共有>

 錬金術 LV,8

 鑑定眼 LV,10→「千里眼」発現

 画 力 LV,10

 調理術 LV,7

 裁 縫 LV,8

 工 芸 LV,9

 調 教 LV,10

 支 配 LV,5

 集 中 Lv,9

 言語学 LV,6

 念 話 Lv,5<眷属共有>

 浮 揚 LV,2<眷属共有>

 隠 密 LV,4<眷属共有>

 加 速 LV,6<眷属共有>

 生 産 Lv,1<眷属共有>

 威 嚇 Lv,2<眷属共有>

 嗅 覚 LV,3<眷属共有>

 並 列 LV,1<眷属共有>

 上魔法 LV,9

 水属性 LV,10

 土属性 LV,10

 火属性 LV,10

 風属性 LV,10

 光属性 LV,10

 闇属性 LV,3

 聖属性 LV,10

 邪属性 LV,2

 空属性 LV,10

 魔力感知LV,8

 炎熱軽減LV,2<眷属共有>

 冷温耐性LV,5<眷属共有>

 魅了耐性LV,1<眷属共有>

 音波耐性LV,1<眷属共有>

 石化耐性LV,1<眷属共有>

 邪幻耐性LV,3<眷属共有>

 魔法付与

 魔法合成

 眷属共有

 毒無効


 称号:魔人のおネエ

半ばキョーコが中心となって変わり行く村。

新しい村の歩みが始まりました。

キョーコ達は新しい村の産品を満載してグレイズへ向かいます。


三章に続きますが、暫し閑話ネタ行きます。

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