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三匹のおネエ ~おネエ達の異世界生活~  作者: ジェード
第Ⅱ章 人里に出た三匹
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063 ヴェイドとの戦い 前編

視点がキョーコさんに変わります。

 さて、避難誘導はバッチリ上手く行ったけれど、敵の正体が分かった所で能力は未知数ね。というのも、この正面の魔物には鑑定が効かないの。


 こんなのは初めての事よ。

 たぶん、何らかのレジストする能力がスキルに存在しているのね。


 私はこの世界に来て人間との接触が無かったし、敵も知能ある敵と戦闘をしたことが無かったから考えたことも無かったけれど、敵にも私と同様の能力が有ったとしたら、当然にそれを使用して自分の戦術の検討をするはずなのよね。

 そうした意味で鑑定スキルというものが仕掛けられた場合のリスクというものに頭が及ばなかったのはミスね。


 その上で相手を考えるとして、鑑定妨害スキルが私の能力レベルに関係なくレジスト可能なものだとしたら、相手の力は未知数ね。もしかしたら私達より弱いかもしれないけれど、強いかもしれないと言ったところ。でも、鑑定妨害スキルが私の能力レベルによってレジスト可否が左右されるとしたら、これはかなり不味い事態よ。


 少なくとも私より格が上ってことが確定しちゃうもの。


 そうなるとインディ一人では難しいけれど、ただ相手にレジスト能力があったとしても、こちらの存在に気付ける能力が無いことはこれまでの状況証拠で確定かしら。

 それは透明人間の私の存在に気付いていなかったことで分かる事実ね。


 私は戦闘になる前に着々と準備を進めて行ったわ。

 面と向かって意思疎通可能な相手という意味では初めての戦闘だから、出来る限りの準備は怠らない。この日のために密かに色々と準備をしてきたもの。

 鑑定が駄目ならと、周囲の魔素の動きに着目して、魔力を感知することが出来ないかと試行錯誤して手に入れたスキルが「魔力感知」よ。

 これはレベル式で、魔力感知レベルは現在5ね。周辺の魔力の濃淡をサーモグラフィ感覚で見ることが出来るの。まるでスピリチュアルな人々のオーラが見えます状態よ。これで見えないものもバッチリね。


 というわけで、そう簡単にやられるキョーコさんじゃないわよ。

 私の方は結界をさっさと張って、完全防御態勢を構築っと。


 インディに装備させた防具には様々な魔法付与を与えているし、事前に様々な補助魔法を補強済み。その上でインディの潜在能力が何処まであるのかってところだけれど、実のところ私にもインディの実力は分からない。

 彼と体術の訓練はしたことあるけれど、もっぱら私が教えてもらう側だったから、本気で戦った彼がどれだけ強いのかは見当も付かないのよ。……少なくともガリ並みに動けることは分かっているんだけれど。


 仕掛けたのは魔物の方が先ね。

 ヴェイドは杖を構えると水の魔法を使って水球を彼の周囲に多数浮かべたわ。大きさにして野球ボールからソフトボール大くらいのものかしら。それらはまるで彼を守る様に周囲をふよふよ浮きながら回っている感じ。回る速さはメリーゴーランドよりはずっとゆっくり目かしらね。


 インディが駆けだす。


 跳躍し天井を蹴ってくるくる回転して方向を転換すると、ヴェイドに向けて下降して迫る。

 ヴェイドの周囲を回る複数の水球が反応し針の様に変形すると、下降してくるインディに向けて射抜く様に尖った。インディはその攻撃を全身を凍りつかせて弾き、そのままヴェイドの腹にパンチを入れる。

 ヴェイドはもろに攻撃を受けて壁に激突しめり込むも、すぐに体制を立て直してインディの腕を掴みかかると投げ飛ばした。インディは上空で回転して姿勢を直すと天井を蹴って反転し、不規則に壁を蹴って飛びながら相手との間合いを詰めていく。

 

 インディやるわね。


 こうして見ている感じだと危なげないし、私が鼻をほじって寝転がっていても勝てそうな印象だけれど、ヴェイドって奴もやられてはいてもダメージらしい負荷を負っている印象は無いのよねぇ。

 そもそもこのヴェイドって奴、百年程前の村長のご先祖さんが契約した悪魔ってことなんだけれど、村長さんは村民大事という心は確かだったみたいで、自分自身は生贄としてインディのところに送られることを望んでいたのよ。


 え、なんでそんなことを分かったんだって?


 契約が二重に存在していることはインディとの話で分かったの。そして、インディのところに来ている生贄はずっと老齢の男が続いていたのよ。

 この老齢の男がポイントかしらね。

 で、インディとの話で例の偽物の紋章についての検証になってね、ジェシーちゃんに出ている紋章から解析して、出所が村長からだってのは突き止めたのよ。

 それで、村長が怪しいということになったのだけど、それ以前に村長が人間ではないかもしれないことには気が付いていたわ。

 それは先ほど「鑑定が効かない」というところにも繋がるんだけれど、村長にも鑑定が効かなかったから怪しいってことは分かったし、まぁ、本人から聞いちゃったしね。


 

 そんなことを考えていたら、戦況が動いたわ。

 インディが巧みに駆け回って攻撃を仕掛けていったこともあって、ようやくヴェイドの動きが鈍くなってきたの。ヴェイドも杖で応戦したり魔法を放って牽制したりと反撃しているんだけれど、インディの素早い動きに翻弄されてうまく対応できていない感じ。

 最初の状況だと体力的な差が見えなくて分からなかったけれど、手数で上回ったインディに軍配が上がったかしら。



「もうおしまいか。俺を騙った割には随分と弱いじゃないか」

「ぐぬぬぬ、小僧ちょこまかと」



 ヴェイドが杖を振り上げると、杖が閃光を発して唐突に衝撃波のようなものが伝わったわ。結界越しにも地響きと共に伝わるほどだから、もろにあたっているインディには相当の衝撃があったんじゃないかしら。

 光が止むとヴェイドの姿が変わっていて、法衣みたいな服装から動きやすそうなパンツ一丁の全裸に変わったわ。……いや、サービスショットと言われればそうなのかもしれないけれど、何故かしら、私にはちっともサービスに感じられないのよねぇ。


 でも、パン一になったヴェイドは劇的に変わったわ。


 インディが相変わらずのスピードで翻弄するかと思われた攻撃も、ヴェイドはインディの腕を受け止めて躱し、返り討ちにし始めたの。同時に周囲に侍らせている水球が追撃する様に四方から滅多打ちにするから、インディは防御姿勢をとって後退するのが精一杯って感じ。

 そこに更にこれまで微動だにしてこなかったのを一変させて、インディに向けて跳躍して迫ると強烈な拳を腹に打ち据えたわ。



「ぐああああ!!!」



 インディが壁に激突してめり込む。

 これは危険だわ。

 私が動こうとするより相手が早く構えると、一気に畳みかける様に魔力を手に集めて殴りかかったの。

 インディの腹に一際強く打ちすえられた一撃は、魔力の力も加わって一気にインディの体ごと岩を貫く。強烈な破壊音とともに岩壁に大きな風穴が空いたと思ったら、さらにその穴にヴェイドが飛び込んでいくのが見える。


 ちょっと待って、あんな一撃を食らったら無事とはいかないでしょ!?

 私も慌てて結界を解除して追ったわ。

水神を騙ったヴェイドとインディの戦闘が始まりました。

キョーコはインディに事前に魔法を掛けて送り出し、自身は結界防御で様子見です。

途中まではインディが優勢でしたが、パン一になった途端に形勢が逆転しました。


続きます。

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