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027 付与魔法

合計PVがようやく3000を超えました。

いつもご覧下さいまして有難うございます。

三人の暮らしぶりを楽しんで頂けましたら幸いです。


 朝からみんなつやつやお肌にご満悦な三人よ。

 朝食も聖水を使ってスープ作ってくれたから、これで体の中から若返るかしら? というか、たぶんあのじんわり来る『熱』は細胞修復に関係しているっぽいわよね。そう考えると頷ける面があるのよ。

 何故かというと、あのじんわりは「一度目」に強く起きるの。何度も飲んでいるとそれが消えていくのよね。この差は慣れかと最初は考えたのだけれど、若返り効果を考慮すると修復による変化と見る方が自然よね。


 朝から風呂に浸かってすべすべお肌を堪能し、朝食も聖水使用のスープを頂き、聖水で食器を洗って、歯を磨いて……って、もう聖水しか有り得ない勢いで使っているわ~。しかし、朝から聖水聖水って連呼しているけれど、自分で言っていてなんだかちょっと恥ずかしいのよね。

 え? どの辺がって? そこが知りたい? いやん……良い子の皆が見ている前では恥ずかしすぎるわ!


 それと、ふと気づいたことが有るんだけれど、この家も聖属性結界の中に有るでしょう? もしかしなくても、ここに水が有るだけでも聖水になりそうよね。で、検証のために物置の氷を見たら……なってたのよぉ~~~!もしかしたら、この結界の中にいるだけで体が浄化されていくんじゃないかしら。


 汚れたおネエでも浄化されるのかしら。

 あ、そもそも私達が浄化されたら何者?

 唐突に灰の様にキラキラと消えたら大草原不可避よね。

 


「しかし、これだけ強力な聖属性フィールドにいれば、私達そのうち天使か神にでもなれそうよね」



 私の問いかけに、さもくだらないという表情のガリ。

 ケリーはと言えば、笑顔のままね。

 ……こういう時は我関せずって感じかしらね。



「まさかぁ。おネエが三人で天使って誰得? そもそもあたし達女神ってキャラじゃないでしょう?」



 ごめんなさい、それは私も同意するわ。

 仮に女神として出ようものなら物が飛んできそうだもの。



「う~ん、妖怪もとい妖精くらいにしとこうよ~」

「ちょっとケリー、あんた自分も妖怪ってカテゴライズしているの分かってるわけ!」

「えー、だから妖精って言ったじゃないのよ~」



 ケリーにツッコミを入れるガリを見て、話しの流れが迷走している感は否めないわね。確かに三人とも頭が沸いていることは否定しないわ。えぇ。でも実際にただの氷が聖水の氷に変わったことは見逃せない事実なのよ。

 滝壺の結界で聖水が出来たんだもの、ここでも何かしらの変化が起こるのは時間の問題よねぇ。もしかしたら、私達の肌の活性化も聖水だけじゃなくフィールドの影響もあるんじゃないかしら。いわば相乗効果的な何かが働いているかもしれないじゃない?


 惜しいわぁ。

 ここが日本だったら、借金してでも土地を買って観光や物産で儲けたのにぃ~~~。

 でも、この世界でも観光として売り込んだら一儲けできそうよねぇ。


 今日の予定だけれど、昨日私が自分の旅装を用意したら、ガリとケリーに白い目で見られて自分ばっか狡いって罵られたわ。


 あら、心外。


 単純に当時の技術では作れなかった、もとい思いつかなかっただけじゃないのよ。というわけで、面倒だけれど二人の分も同じものを作ることになったわ。今回は私のデザインに統一して作ることになったから、カラーコーディネイトとかは考えなくて良いし、個別の差異も考えなくて良いから楽ちんかしら。……それでも錬成には結構手間が掛かるのよねカーボンナノチューブファイバーって。


 色々と作っていて分かったことだけれど、素材の組成が複雑かつ現代的になるにしたがって時間やコストが掛かる感じなのよね。たぶん、これには私のイメージ力の限界も含まれているんだと思うんだけれど、それを補うために魔力が消費されて帳尻が合う様に作られると考えると、随分都合の良い仕様だとは思うわ。

 3時間ほど掛けて出来上がったものを見てみれば、なんか軍隊の制服と言われても良い感じかも。でも、こんな装備を付けているファンタジーの軍隊とか怖すぎ~。


 そこでふと思いついたの。


 フィールドに魔法を張ったり、水に熱を伝えたりって感じで魔法が使えるのだとしたら、物に魔力を込めることが出来るってことよね? ……なら、物に魔法の効果を残せたら、色々と恩恵が受けられるんじゃないかしら。

 例えばカイロみたいなホカホカ効果とか、扇風機みたいな送風効果とか、虫よけとか、魔除けとか……何かしら、私の発想の貧困さは昨日今日始まった物じゃないのは重々承知しているけれども、このショボさ! うむむむ。


 とりあえず魔石をサイコロ大に切り出して、それに熱を加えてみたの。熱といっても心地よいくらいの温度よ? お湯で言えば41度とかそんくらいね。そんなイメージで魔力を飽和値まで入れていったのよ。小さいからあっという間に飽和値に達したわ。で、結論を言えば完成よ。サイコロカイロ。たぶん、込めた魔力が無くなるまで効果は持続すると思うけれど、仄かにあったかなこれを応用すれば、確かに役立つものが沢山作れそうね。



 新たなスキルを獲得しました。

 魔法付与 レベル無し

 素材に魔法効果を付与することが出来ます。



 唐突に来たスキル獲得。

 魔法付与というスキルが有ったのね。レベル指定が無いということは、これはレベルとは関係ない技術ということなのかしら。覚えていることに意味があるみたいな。でも、スキルが有るなら覚えようとすれば誰でも使えるということなのよね。


 さて、私はそこで考えたの。

 旅装に魔石の微細な粉を混ぜ込ませる様に錬成しなおしたらどうかと。

 とりあえず服をごっちゃに集めて、そこに手に持ったレンガ大の魔石をナノサイズに微細化して含ませるイメージで錬成しなおしてみたわ。錬成自体は成功したけれど、見た目には変化が無いから効果の程は不明。ただ、意外にごっそりと200程MPが減っていたから、間違いなく作用しているはずなのよ。

 重さの面では全体でレンガ1個分だし、そもそも魔石はそれほどの重量が無いのよね。レンガ大でも300グラム切ってると思うから、それを3分して100グラムずつの増量なんて微々たる差よね。


 魔力の付与については後で3人で話し合った方が良いわね。

 勝手に入れて無駄だったら嫌だし。


 今日は私がケリーの代わりに昼食を作るのよ。

 昼食のために朝から仕込みをして兎肉のスープと野菜のスープを作ったの。

 煮込んだからお肉がトロトロよ。他に塩とハーブと聖水とラードで作ったドレッシングで和えたサラダも用意したわ。あのレタスっぽい葉っぱが良い感じに美味しいのよ。


 昼を回ったころに二人は帰って来たわ。

 ケリーはなんか埃をかぶった様な汚れた姿で帰ってきたのよ。

 何をしていたのかしら。



「おかえりケリー。あなた何処へ行ったらそんな姿になるの?」

「ん?あーー……。練習のためにちょっと近くの山を登って、戦隊ものの怪人と戦っていそうな場所を見付けて頑張ってきたの~」

「……そんな場所を見付けたの」



 相変わらずこの子も行動が不思議な子ね。

 とはいえ、この辺にそんな場所があるとは。

 私もちょっと気になる場所ね。え、ちょっとだけかって?

 ……ごめんなさい。ガッツリ気になったわ。



「で、どうだったの? 怪人と戦っていそうな場所も含めて」

「うん? そこ気になるの~? その場所は山崩れを起こしている場所で、山肌がちょっと削れていたんだよね~。崩落したらキケンって感じもしたけど~、危機感が有った方が良いかな~って。魔法については良い感じに使い方が分かってきたかも~。あとね、新しい属性見つけたよ~。空属性っていうの~」

「え、空属性?」

「うん。時間や空間に作用する特殊な属性で、キョーコちゃんが使ってるフィールド魔法を使っていたら覚えたの~。でも~、何が引き金になったのかは分からないわ~。たぶん、キョーコちゃんの方がずっと多く使っているでしょ~?」



 確かに時間や空間に関する属性は有りそうに感じていたけれど、一緒になっていたとは。どうやって見つけたのかしら。範囲指定魔法を使用し続けると空属性が芽生えるとすれば、範囲指定自体が魔法ということになるから、範囲指定魔法は合成魔法ってことになるのかしら。どういう関係かは気になるわね。この辺はそのうち検証してみれば分かるでしょうけど。



「そ、そうね。でも適正とかセンスみたいなものがもしかしたら有るのかもしれないわね。私とあなたでは呑み込みが違うと思うから」

「うーん。そうなのかなぁ~。ただね~、問題は何が空属性魔法なのか分からないってことなんだよね~。だからスキルを獲得できただけで、よくわからないのが実態だったり~」

「あらま」



 ケリーも研究熱心な子だから、いつもの感覚なら突き止めてくる印象だけれど、この子ですら分からなかったというのだから、私に分かるのかしらねぇ。



「……分かったわ。私の方でも後で研究してみる。とりあえず、有ると分かればそれだけでも収穫よ」



 ガリは私達が話している間にお風呂の方に行って水浴びをしたみたい。水と言っても朝沸かした残り湯だからぬるま湯だけれど。あ、ちなみに聖水って老廃物を浄化するのか汚れないのよ。凄いと思わない?

 サッパリとタオルを首に掛けて半裸で現れたガリがテーブルに座って話しかけてきたわ。



「あんた達、とことん魔法特化よね。少しは体を動かして戦うとか考えなくて良いのかしら?」



 見事なボディを見せつける様に座るあんたと違って、私ら二人は適度に中年体形よ。

 私は眉間に皺を寄せて睨んでやったわ。横目に見たらケリーも目を細めて睨んでいたわね。



「……そんなの出来るのあんたくらいよ。私は生まれてこの方武道らしい武道は習ったことが……あ、無くもないわ」

「何それ、煮えたぎらないわね」



 呆れて苦笑するガリ。

 私もすっかり忘れていたんだもの。

 仕方ないじゃないの。



「あのね、私こう見えて保育園から小学3年まで空手習っていたわ。忘れていたくらいだから、型なんて全く覚えていないことは保証するわよ!」

「そんなもの保証してどうするのよ……。でも、体術は回避にも使えると思うから、習いたいなら教えてあげても良いわよ」

「あら、随分親切な申し出ね。そういうことなら乗ろうかしら」

「キョーコちゃんがやるなら私もやるーーー!」



 にこにこして手を上げて参加すると宣うケリー。

 この子は狙ってこれをしているのかしら。

 いや、残念だけど素なのよねぇ。嫌だわ。


 私達二人が参加すると答えたことで、午後からはガリの体術教室をすることが決まりました。まぁ、どこまでやれるのかと問われたら、あんまりやる気無いというのが本音なんだけど……。


 それはそうと、私は二人に必要な連絡事項を思い出した。



「そうだ、あんた達の旅装用意したわよ。でね、付与魔法っていうものを使えないかと試してみたら出来たの。そうしたら『魔法付与』というスキルを獲得したのよ。しかも、これはレベル指定が無いから覚えているだけで使えるモノなんだと思うのよ。やり方自体は簡単だから、後で教えるわね。これさえあれば自分で魔法をアイテムに付与することが出来る様になると思うの」

「まぁ、相変わらず研究熱心ね。でも、それは私の剣に込めることが出来れば魔法剣って事よね。やっているけどやり方が違うのかしら。スキルの獲得にはつながらなかったわね」

「あら、何が違うのかしら」



 あぁ、確かにガリって魔力を使って風の刃を出していたわよね。

 どうして付与にならなかったのかしら。



「キョーコちゃんのは魔力をガッチリ入れる感じで、ガリのはさらっと纏わせる感じで使っているんじゃないかな~。どーお~?」

「……確かに私はガッチリ入れてるわ」

「あたしは纏わせる様にしているわね」

「じゃぁ、ガリはキョーコちゃんの様に~、剣にガッチリ込める気で使えば付与になると思うよ~」



 こうして私達は昼食を取りながらスキル談議に花を咲かせて、午後の練習に挑んだわ。

 聖水にどっぷりと浸かる三人。

 肌は勿論、内臓も若返りの効果を感じています。

 破邪結界の効果抜群です。

 付与魔法を見付けたキョーコは二人に教えました。

 二人はどう使うのでしょう。

 そして、午後はガリ先生の体術教室の開催が決まりました。

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