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023 魔石

 家に帰ってきた私は、昨日みたいにダークウルフが襲撃してくる可能性を考えて、先程使った聖なる結界を張ってみることにしたの。夕焼け空の下、パトラッシュから降りた私は家周辺をすっぽり包み込むような円筒形のイメージで聖なる結界を作ってみたわ。


 名付けて「浄化結界」よ。


 私は集中して魔力を注ぎ込む。つぎ込んだ魔力は体に残っているほぼ全て。使える範囲の限界まで注ぎ込む感じにやってみたの。そうしたら体からごっそり力が抜けたと感じた瞬間、フィールドが閃光を発して完成したわ。

 試しにステータスを見たら、LPが3ほど持ってかれていたの。つまり、残りMP800ちょいと1940x3ってことよね。合計6500以上のMPを消費したってことでしょう。


 うげ。



 スキルレベルが上がりました。

 聖属性 LV,1 → LV,5

 


 一気に駆け上がりすぎ。

 いや、確かに命削ってるから、それくらいの価値あるかもしれないけれど。

 ぬぅ……、まぁ、これで安心出来るわよね?



「主は高位聖職者か?」



 結界を見てパトラッシュが問いかけてきたわ。

 パトラッシュからしたらそのように見えるのかしら。でも、高位聖職者だなんて、私みたいなおネエがなる様な職業じゃないでしょう? 私は思わず苦笑しちゃったわ。



「フフ。いいえ、違うわよ」

「そうなのか。……これほど見事な破邪空間は見たことが無い」

「そう? 凄い? お世辞抜きで?」

「世辞などつかぬ。これ程のものであれば、そう易々と魔の者の侵入を許すことは無いだろう」

「あら、パトラッシュがそう言ってくれるなら安心ね。有難う」



 私は笑顔でパトラッシュの体を撫でると、彼を犬小屋に連れて行ってから家に入ったわ。

 ケリーがお帰りなさいって声を掛けてくれたので、ただいまって言って入ったの。

 入ったら、なんかキラキラと光っていて部屋が仄かに明るいのよ。

 


「ねぇねぇ、キョーコちゃん、突然部屋の中に光る粒が現れたんだよ!」

「あー、それね。私の結界の効果よ」

「結界?」



 ケリーがキョトンを顔をしたわ。

 まぁ、唐突に言われて理解できるものじゃないわよね。



「そう。魔物の襲撃から守るための結界。一応私達に害意ある存在やアンデッドとかから守るっていう条件が付いているんだけれど、ここに来る凶悪な奴からは守ってくれるんじゃないかしら」

「そんなこと出来るなんてすごいよキョーコちゃん」

「滝壺で試した範囲には成功していたと思うけど、実際の効果の程は今夜を越えて見ないことにはわからないわねぇ」

「あら、そんな不確かな物なの?」



 そこに風呂上がりで早速昼に作ったスウェットを着たガリが、私に胡散臭そうに聞いてきたわ。

 私自身半信半疑よ。



「少なくともパトラッシュの感想としては凄いものらしいわよ~」

「そうなの? まぁ、ゆっくり休めるのを期待しましょう」



 その後はケリーの作ってくれた夕飯を頂いたわ。

 今日のご飯は豚肉とネギっぽい香りの草を串に刺して焼いた串焼きよ。

 ネギまって良いわよねぇ。ハーブが効いて肉独特の臭みも感じず、焼き鳥感覚で美味しく頂いたわ。

 食事の後はお風呂に入って着替えて寝たの。

 二階の家には3段ベッドが作られていて、ふかふかにした草の上に新しいシーツが被せられて寝心地もだいぶ良い感じになったのよ。

 一番上がケリーでガリが二段目、私が一番下という割り当てになったわ。

 まぁ、身長順ってところかしら。

 


「おやすみなさい」



 その日もMPを使い切っていたから、布団に入ったらすぐに寝入ってしまったわ。




 翌朝




「ふぁああぁ~~~」



 背伸びをしながら起き上がると、上の段にどんと手が当たったの。

 唐突にぶつかってビックリしたわ。……そういえば3段ベッドだったわね。


 ベッドから降りると、既に二人は起きている様で姿は無かったわ。

 のそのそと部屋から出ると、今日も天気は快晴ね。日の光に照らされてキラキラ光る粒子が漂っているのがいつもと違うところかしら。

 縄梯子を降りて一階に行くと、相変わらずあの光が待っていたからうっすらと明るいのよ。

 ケリーは調理の真っ最中で、ガリは既に昨日のあの服に着替えて座っていたわ。

 なんていうか、こういう姿を見ると異世界感増すわね。

 ケリーや私はスウェットのままなのに。



「おはよう、二人とも」

「あら、おはよう」

「おはよう、キョーコちゃん」



 私は朝の挨拶を交わすとガリの対面の椅子に座ったわ。



「今夜は平和に終わった様ね」

「その様ね。パトラッシュの話では結構な頭数のダークウルフがやってきたそうだけど、結界の中に入ることは敵わず、体当たりとかを日が昇るまで繰り返していたそうよ。それも日が昇り始める頃にはみんな退散しちゃったそうだけど」

「まぁ」



 ガリの話を聞いて、一応しっかりと機能していたことに安堵した私。

 なんだかんだとLPまで消費して作ったんだから、ちゃんと機能してくれないと困るものね。

 でも、いつまでもつのかしら。


 私はいつも通りにみんなで朝食をとった後、魔石の採集と昨日の滝つぼの状態を確認するために、パトラッシュと共に出かけたわ。

 滝壺に来てみると、昨日作った結界がまだ機能していたことに驚いたの。



「ちょっと、ちょっと見てパトラッシュ!昨日の結界がまだ動いているの!」

「主、この結界は土地の魔力を利用して継続するものだ。この辺は魔素が濃い故、そう簡単に消えはしないだろう」

「え、もしかして永続的なものなの?」

「この土地ならばその様なものだ」

「まぁ、凄い」



 周囲を見回して変化を確認してみたけど、昨日と違うところは見られないかしら。

 あ、でも、微妙に水の輝きが違う様な気がするのは気のせい?

 滝壺から流れ出た水の流れはフィールドから出た後も仄かに輝いている様に見える。

 これはもしかして、川の水が浄化されたとかそんな感じ?



「ねぇ、パトラッシュ。この水って、もしかして、聖水になっているとか……有り得る?」

「主の言う通り聖水だ」

「あー……」



 聖水の流れる川とか、何それ。

 これじゃ、なんか聖地とか言われそうな雰囲気よね。

 でも、聖水というぐらいだからご利益は有りそうかしら。

 とりあえず、この水を家に持ち帰って使ったら、美容とか健康に良さそうな。うひひ。

 私は早速水を凍らせて幾つか氷の板を作ると、前の時同様にパトラッシュに持って行って貰ったわ。

 それが終わったら、いつも通りパトラッシュには自由にパトロールに出掛けさせたの。

 私はというと、予定通り魔石採集よ。


 試しに適当な地面に魔力を含んだ宝石のイメージで集中してみたの。それで出来上がったのは赤い石ね。思ったよりがつがつと集まってきて、最終的にレンガ20個程の量を採集出来たのよ。さっきパトラッシュが言っていた「魔素」が濃いということと関係しているのかしら。いずれにせよ魔石は存在しているってことね。


 それで出来上がった魔石に魔力を込めることが出来るか実験してみたわ。


 レンガ一個分の魔石に光の魔力を込めて光らせるイメージでやってみたの。

 暫く魔力を込め続けていたら、徐々に光りだして、LEDランプくらい明るく光った所で魔力が吸い込まれるのが止まったわ。たぶん、これが飽和値って事なんだろうけれど、照明に使うのに良さそうね。

 出来上がったレンガを16本のバー状に加工したらまんまLEDのバー型ライトっぽい。


 やった、照明ゲットだわ。

 魔石は使い方次第では色々と使い道が有りそうね。


 その後はポンポンを採集に出かけたり、魔法の練習をした後は家に帰って家財道具作りをしたりと過ごしたわ。その夜は魔石の照明のお陰で数日ぶりに文明的光ある家の中で過ごせたの。

 やっぱり、明るいって大事よね。



 スキルレベルが上がりました。

 光属性 LV,1 → 2



 あ、一つだけ問題が有るのは、このLEDバー型ライトって電気の様にオンオフが出来ないことね。そりゃ、やろうと思えばできるのよ? 単純に魔力を吸い出せば良いだけだから。でも、使う度に魔力を入れたりするのは面倒なのよね。というわけで、基本魔力を使い尽くすまでつけっぱなしになっちゃうの。


 これが使いにくい。

 浄化結界をマスターしたキョーコさん。残りの魔力を使い切る程度のつもりがLPまでごっそり使った豪華版になりました。そして、聖属性も大幅レベルアップ!

 そして、魔石をごっそり採集したキョーコは光ある文明的生活をゲットです。オンオフできないなんて細かい事を気にする辺りは貧乏性故でしょうか。いえ、省エネ大国日本のお姉としては当たり前の感覚ですよね。

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