↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三匹のおネエ ~おネエ達の異世界生活~  作者: ジェード
第III章 グレイズの三匹
106/157

096 裏側 1

キョーコさんの視点です。


 私はまず店の外のイメージチェンジに着手したわ。

 オープンテラス風の前庭にして行列が出来ても雰囲気を味わえる店の外観づくりのために、この町らしい白を基調とした形で作りつつ、格子状ラティスの様に編み込んだ柵で囲ってちょっと目隠しになる感じにしたわ。


「キョウさん、これはどちらに持っていけば?」

「あ、それは二階に持って行っちゃって」


 後始末の片付けをしている段階の私達は、なんとか開店に間に合って良かったとホッとしているところよ。

 私は今回も色々頑張ってみたのよぉ〜?

 

 先ず手を付けたのは地面よ。店の床も庭も全部丁寧に剥がして、地面の方は少し深く掘り起こした後に屑魔石を混ぜて整地して、床に魔力が走る様に工夫してみたの。何故そんなことをするかって? 店の周囲を魔力で囲うことで天候の影響を和らげるフィールドを作れるんじゃないかと考えてみたのが切っ掛けよ。


 この町って結構風が強いのよ。


 だからオープンテラスをやるとなると、風の影響が色濃く出てしまうことは間違いなさそう何で、そうした影響を押さえることが出来ないかって思うようになったの。

 で、結界で閉じられたら完璧だけれど、そんな魔法を使ったら維持に魔力が馬鹿にならないでしょう?

 ヴェイドの使っていた環境から魔力を引き出す能力って、そもそもラズウルドの様な土地じゃないと難しいって考えていたんだけれど、ならば人工的にラズウルドを作り出せれば問題無い事なんじゃないかって気付いたのよ。そのために屑魔石を混ぜ込んだ土を敷地内に敷き詰めなおしたのよね。

 これで出来上がった土の上に魔力が通る流れを作れたら循環して効果を効率化できるんじゃないかと、ポプリ村の聖域の魔法陣のような魔法陣の作成を、私が出来ないか試行錯誤したの。


 初めは記憶をもとにポプリ村の魔法陣の形を思い出して描いてみたんだけれど、そもそも魔力が思う様に土地に巡ってくれなかったのよね。

 何故なのかとしばらく検証してみた結果、屑魔石ではいわば伝導させる効果は有っても、魔力を心臓の様に循環させる事は出来ない様なのよ。

 そこでセーフポイントに使ったあの像の余りを埋めてやり直してみたの。そうしたら、一応魔力は上手く巡って発動しそうになったんだけれど、結局また動かなかったのよね。

 あの魔法陣は目的特化の魔法陣の様で、発動効果は聖域にしかならなかったのよね。でも、その聖域は不思議なことに発動はしなかったの。厳密には一瞬発動しかけるんだけれど、停止してしまうのよ。

 どうやら同じ魔法陣を、既に土地に張られている魔法陣の上に上書きするようなことは出来ない様ね。もし同じものを使うとしたら、私の空間魔法……キューブって名付けたのだけれど、キューブに魔法付与を与える形でやらない限りは上手く行かないみたい。

 これは私の推測だけれど、魔法陣は少しでも変化してしまうと発動効果が妨げられるように出来ているから、記述を汚す形で既に有る物の上に同じものを展開しようとすると変化して上書きされたり不完全で停止することになるんじゃないかしら。

 これは魔法陣というシステムを考えた存在が何を思って付けたのかは分からないけれど、魔法陣のセーフティガード的に用意されたある種の機能的な側面があるのかもね。


 魔法陣と暫くにらめっこしたんだけれど、結局どうしたら良いか分からなくって、不意に強く思い描きながら私の我流でシンボルを作って描いてみたら、どういうわけか上手く行ったのよ。

 何故できたのか本当に分からないけれど、もしかしたら魔法陣という物にはそれ程の意味が無いのかもしれないわね。

 飽く迄それを発動させるための便宜的に作った模様程度のものであるとすれば、魔法の構造とも合致するから分からなくもないのよ。魔法もイメージの強さが一番大切でしょう?

 如何に具体的に姿や形を思い起こせるかで実現性が変わる魔法は、これまでここに暮らしてきた人間では思い描くことが不可能なために実現していないってものが多いから、そうした存在でも魔法陣といういわば数学の公式の様なものを用意することで発動負荷を低減したとしたら、古代のこれを作った人の手仕事は素晴らしいって話に落ち着くのかしらね。


 というわけで、私は適当に思い浮かべて蜘蛛の巣が張り巡らされている様に魔力の流れが伝わっている絵として蜘蛛の巣を描いたのよ。書き上がるとあの声がしたわ。


 新たな魔法陣を登録します。

 魔法陣「名称未設定:667」を仮登録しました。

 名称を設定して下さい。


 ……と言うのよ。

 まるでパソコンの新規フォルダ作成時の様なコメントよね。

 私はスパイダーフィールドと名付けたわ。


 新たな魔法陣「名称未設定:667」は、「スパイダーフィールド」になりました。

 効果:空属性フィールドによるエネルギー遮蔽効果、魔法付与による追加効果適用可能。


 遮蔽と追加効果は普段私が使っているキューブと同じものだけど、これを他の人も使えるという事が大きな違いなのかしら。ただ、土地に描いた魔法陣という名の蜘蛛の巣状に広がる筆跡が無いと効果が行き渡らないのと、 供給する魔力を予め土地に用意しないといけない事や、空属性保持者でなくては発動出来ないという条件を指定してみたわ。


 条件を受理しました。

 魔法陣「スパイダーフィールド」の発動には、軌跡の範囲にしか効果が及ばない、高濃度魔素の土地、空属性保持、が条件付けられました。


 と、こんな感じに勝手に向こうで受理しちゃったから、多分、そういう事なんでしょう?

 フィールドが出来上がってからは床作りをしたわ。

 必要な材料を卸してくれる石材屋を調べてみたら、どうも東方商会系が良心的に対応してくれるっぽいから、オームラ商会系のお店から調達したの。

 西方商会系は私が明らかに東洋人って顔をしているからか、最初アレンが対応して上手く行っていたものが、契約の段階で私が出てきた途端に掌返しよ? 感じ悪いわよねぇ。


 え? わざわざ買わずに錬金で集めれば良いじゃないかって?

 

 そりゃ、それが一番煩わしくなく簡単よ。でも、ここを維持していく人は私ではないから、維持していく人が維持出来る材料で作らないと壊れた時に困るでしょう? え? それなら魔法陣はどうするんだって?


 アレは話が別よ。


 魔法陣は簡単に壊せないのもあるけれど、グレイズでの私達のセーフポイントとして使う為にやってるのよ。誰しもただ人助けするなんてタダ働きよりは報酬がある方が燃えるでしょう?

 私も一緒で、恩着せがましかろうが目的を達成しつつ恩も売るというのが一石二鳥で気持ち良いじゃない? え、お前と一緒にするなですって? まぁ!照れなくても良いのよ?

土木工事から始めたキョーコ。

話の中では詳しく書きませんでしたが、しっかりとポプリ村で使った土木魔法も使っています。

こうして出来上がった人工ラズウルドに魔法陣を適用しようと試行錯誤した結果、新しい魔法陣を作ってしまいました。

続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。