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三匹のおネエ ~おネエ達の異世界生活~  作者: ジェード
第III章 グレイズの三匹
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091 宝探し

横に蟹歩きするいつもの怪しいキョーコさんです。



 ザザーーーーン……、ザザーーーーン……。



 青い空、綿飴のような白い雲、そして白い砂浜……なんて無いのがグレイズの残念なところかしら。生憎今日は天気が悪くてねぇ。

 私は岩場を蟹歩きしながら移動しているの。


 え? 何のためにって?

 それは久々の鑑定祭りを始めるためよ。


 やっぱこれよね!この世界に来て一番楽しいのはこの宝探しタイムなのよ。

 というわけで、千里眼、オン!……キタキタキタわーーー……って、あれ、それらしいものは無いかしら。遠くで飛んでるシーグライドって鳥の反応があるくらいで、後は海だの岩場だのくらい。成分分析すれば色々な物質が埋まってるっぽいけど、現状で必要な物はないのよねぇ。



「海は気持ちいぞ!」

「そうなのだ!とーさんも入るのだ!」

「私はあんた達みたいに泳ぐのが得意じゃないのよ!っていうか、普通の人間にはこんな深い荒海は無理よ!」



 パトラッシュとインディは元々水属性に適性がある魔物だからか、どういうわけかこんなとんでもない荒海でも泳げているのよねぇ。岩場の波なんて幾ら男は度胸のおネエでも無理よ、無理!

 あら、でも、そうよね。適材適所って言葉があったわね。



「ちょっとー、あんた達、海の中潜って何か取って来なさいよー」

「何かって何だ」

「何でも良いのであるかー?」

「そうねぇ、食べられそうな長ーい海草とか美味しそうな物よー」

「分かった」

「分かったのだー」



 さて、何故私がこんなところに来ているかというと、食材を探しに来たのよ。

 市場が高騰して調達価格が高いのなら、安く探してくる他ないでしょう?

 ライル達には森や草原でハーブ探しをお願いしてあるわ。

 彼らにはサンプルを渡してあるから、とりあえずそれをもとに探して貰えば良いとして、海の幸は私じゃないと探せないと思ってね。

 千里眼の力が有れば何とかなるかなと思ったんだけれど、蓋を開けてみれば良さげなものが見つからなくてねぇ。

 私は昆布とかが取れたらとりあえず良いかなぁって思っていたんだけれど、こんな荒波の酷い岩場しか無いだなんて思わなくてねぇ。海の幸探しどころじゃ無いわ。



「キョーコ、こんな物でどうだ」

「どうなのだ~?」

「うぇあ!? な、なにそれ!」



 二人が持ってきたのは千里眼によるとグレイジャーブルンという魔物の様ね。

 レベル26と結構高いけど、楽勝で半殺しにしたのね。HPが瀕死よ。っていうか、これ何!見た目的には……ナマコをサイぐらいの大きさに巨大化した感じかしら。持ち上げている二人の姿が殆ど見えないもの。

 あ、でも、確かナマコって干したものとかお高いんじゃなかったかしら? 幸いにして毒の表示は無いから食べられそうだし、水あげ第一号でも良いかも。



「良いわ、今ガレージを一つ上向きに開けるから、放り投げて入れちゃって!」

「「了解!」」



 ガレージの使い方もだいぶ慣れたものよ。

 入口の開け方を変えれば上から放り投げて入れる様な事も出来ちゃうんだから。

 二人はいとも簡単に巨大なナマコを投げ入れたわ。ナイススロー。

 この要領でどんどこ色々と取ってもらうことにしたの。

 私は何もすることが無いから、寛げそうな広い岩場に移動してレジャーシートを出して寝そべっていたわ。もはや、私には鼻くそをほじるくらいの事しか出来ないもの。



「おーい、もう一杯だぞ!」



 うたた寝をしていた私はインディの声で起こされたわ。

 眠い目を擦って見てみたら、宙にぽっかり開かれた四角い穴の中一杯に山の様に、海草やらイカやらタコやらわけわからんものが入っていたわ。

 ぬぅ、空間に溢れる程の量ってどんだけ有るのよ。



「ちょっと、あんた達、これじゃ閉じられないでしょう!もう。こっちに上がってきなさい。仕分けるわよ」

「えー、めんどくせー」

「分かったのだ~!」



 ぶーたれるインディと比べてパトラッシュの返事の良さが癒しね。

 二人はすぐにジャンプしてこちらに上がってきたわ。

 私はガレージの入り口をもう一つ開いて、二人に大きめのナマモノ達を新しく開いた方に入れてもらってスペースを確保したわ。最初に開いた方はいつもの百人のっても大丈夫な物置プラスアルファ程度の大きさしかないんだけれど、新しい方は小さな学校の体育館程度をイメージしたから、結構広めに出来ているの。そっちで魚市場みたいに選別して置いておけば使いやすいかなって。

 ガレージに入った時点でナマモノ達の時は止まるから、瀕死のナマモノも瀕死のまま生きているってことになるのが微妙よねぇ。これが本当の生殺しかしら。


 色々と仕分けしていたら、ホタテ貝みたいな魔物も出てきて、ボーリング玉程の真珠を持っているのが見えたのよ。ボーリング玉よ? ボーリング玉!

 あまりの非常識っぷりに驚いたけれど、こんなにデカいと指には収まらないし、頭に乗せる……にも重そうよね。使い道が思い浮かばず、宝の持ち腐れ感半端ない真珠さんね。


 肝心の私が欲しかったものだけれど、ひょろ長いというより長過ぎなワカメくらいの薄さの海藻が入っていたのよねぇ。これが昆布だったら小躍りするんだけれど、わかめが長いとどうなっちゃうのかしら? 乾燥させたら小さく縮んで使い物にならなかったらどうしましょう。とはいえ、わかめスープとか美味しいわよね。


 魚類の方はカジキマグロみたいに鼻の鋭いひょろ長い魚とか、丸々と太ったマンボウっぽい魚とか、でっかいのが多かったわね。

 デカい分大味っぽそうだけれど、そもそもこの海はこんな体長1メートル以上ありそうな魚ばっかりしかいないのかしら。

 潜っていない私には判断のつけようが無いんだけれど、市場を見た限りには小さな魚も居たから、全くいないはずはないのよね。……というか、二人が競い合ってデカいのしか取らなかったというのが答えとして一番しっくりしそうかしら。




 さて、漁をした後は処理しておかなきゃいけないことがあるわね。

 ナマモノ達はいずれ朽ちてしまうから、美味しく朽ちて貰う必要があるわ。

 その方法干物よね。干物。


 日本の全国各地にある干物文化からしたら、この世界には驚くほどそうした文化が無いのよね。まぁ、海に入ろうものなら、これらの巨大ナマモノ達に逆に返り討ちにされそうだけれど。

 カツオっぽい丸々太った肉厚の魚を試しに乾燥させてみたわ。とは言っても、ただ単に天日干しをするんじゃないわよ。私には魔法という便利な道具があるんだから、しっかりと使わないとね。

 乾燥のさせ方を幾つか並行的に試してみたわ。

 一つは空間魔法で囲って徐々に水分を飛ばしていく方法、もう一つは風魔法で乾燥器の様にぐるぐる回して乾燥させる方法、最後は熱で乾燥させる方法ね。


 一つ目は魔法で囲うまでは良かったんだけれど、空間から徐々に水分を抜いたら、最終的にカラカラになっちゃって、誰にも見せられない状態ね。痩せるにしても無理ない痩せ方大事よね。

 二つ目は風魔法でチャレンジしてみたけれど、水が抜けきらず結構いい感じに抜けたんじゃないかしら。

 三つ目は微妙ね。表面的には乾いたんだけれど、中の方は全然だったわ。

 この結果を見る限りだと、二番が一番よさげなのかしらねぇ。

 とりあえず2番のやり方で干してみたわ。


 そんなこんなを昼過ぎまでやった私達はクレアちゃん一家の所に戻ったわ。

食材が高騰しているならと海産物の採取に踏み切ったはいいものの、荒波に恐れて二人の子供に任せる始末です。そうして待っていたら、とんでもない量を持って来た二人です。

続きます。

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