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月の輝く異世界で僕は生きる  作者: べにいろ
試練の塔
3/3

『干渉』以外の魔法

28年2月22日投稿。

2話『干渉』以外の魔法


二層の探索を始めてから、20日が経つ。

僕の探索状況は、春の山、夏の山、秋の山の探索は終わった。

最初の予想通り、山の向こうには洞窟があり最近まで誰かが使った痕跡も見つかった。


ここまでに出てきた魔物は木の人形だ。

それも、魔法を使ってくる人形。

例えば、春の山では『風』を使う人形しかいなかった。

夏の山には『火』を使う人形。

秋の山には『土』を使う人形。

これらに対して僕は、アリーテルに最初もらった知識の中に属性についてあったので対処はしやすかった。

僕の『世界干渉』は『火、水、風、土』を今の所出来るようになり、他にも『氷、雷』といったものがある。


「さて、冬の山を探索し始めて2日か・・・ここまで扉は見つかっていないから、ここにあるはずだよね。」


ちなみに、ここの山の気温はおよそ-2℃くらいはゆうにある。

でも、僕の服装は皮の胸当てに手甲。これと皮のズボン。後は、皮のコート。

流石に、これじゃ寒さはしのげないので『干渉』を使う。


「『僕を温めて』。うん、これなしじゃここは無理だよね。でもこれ、動いたら10分しかもたない・・・」


今は丁度、山の中腹辺りを探索している。

まだ、この山で魔物に遭遇していないためここの属性は分からないが恐らく『水』か『氷』と予想している。


「お、これ火を燃やした後だよね?・・・あれまだ温かい?近くに居るのかな?」


僕の前には野宿の後がある。

足跡は2人かな?

それも、この山の頂上を目指している。


僕は心のどこかで少し興奮していた。

なにせ、アリーテルに他の者は『転移』させられたため僕1人でここまで来た。

恐らく、僕は怖かったのだろう。1人で会話のない、安心のない。

そんな、探索が。



「『ウインドランス』!!ミミ!後1体よ!」


うん?あ、いたぁ!!!!

聞こえてくるのは剣が鈍い音を立てて何かを切る音。

女の子の声。


「いったぁ!!アヤ!これ硬いよぉ・・・」

「泣かないの・・・まったく。普通、短剣で木を一刀両断しようとしないのよ?」


僕は声のする方に急いで歩いて行く。

でも、なるべく足音を立てないようにしないとね。

なにせ、2人が僕を攻撃するかもしれない。

最初は様子見かな・・・


「ふー・・・ここの人形は『氷』を使ってたわね。じゃあ、『土』の方がいいのかしら?」

「うう、私『魔法』嫌いですよぉ!」

「むぅ・・・それはミミが『召喚』の魔法だからでしょ?私は『属性』の魔法だから詠唱だけでいいから簡単なのよ?」


『召喚』?『属性』?何言ってんだろう?『干渉』じゃないの?


ガサガサ


「敵よ!ミミ、援護お願い!!」


僕の反対の茂みから、3体の人形が出てきた。


「ちょ、多いよぉ!『白くて硬くて短い短剣』っとほいなぁ!!」


ミミと呼ばれていた小柄な女の子が、何かを言うと手に白い短剣が現れそれを1体の人形に投げた。


「ナイスよ!『アースボール』!」


ミミの短剣は魔法を使おうとした1体の人形の顔の部分に命中して、魔法を阻害する。

そこに、アヤと呼ばれていた女の子が土のボールを放って、人形は砕けて魔石と氷の枝が残った。


「キャッ!!」


僕は声のした方を向くと、ミミが氷の礫を左足にくらって地面に座っていた。


「ミミ!!」



「危ない!『土よ壁を作って』。」


僕はアヤに向けて放たれた氷の礫を見て咄嗟に『干渉』して、アヤの身長と同じくらいの土壁を作った。


「え?」

「後は任せて・・・『硬い土よ人形を砕いて』。」


アヤが驚いて、止まってる間に土を丸めたのを人形に向けて放つ。

アヤの使った『アースボール』をまねてみた。

その土は人形の上半身に当たり、そのまま砕いた。


「後1体だね。『腕よ強くなって』。遅いな。真っ二つになれ!」


僕は腕に『干渉』して、強くなった腕で長剣を縦に振りおろして人形が真っ二つになった。

狼を殺して以来、剣の扱いが上手くなったかな。

実際、斬り方も少し分かってきたし。


「えと・・・あなたは?」

「僕は神堂 仁だよ。君達は?てか、敵対はしないよね?」

「ええ、それと私は『錦 彩』よ。助けてくれてありがとう。」


アヤは僕の方を見て、二コリと笑って頭を下げた。


「むぅ・・・そこだけ何かお色気ムードですぅ!!私を忘れないでぇ!!!」

「あ、ミミ忘れてた・・・ほら、ミミも自己紹介しなさい?」

「あ、そうでしたぁ!私は『横峰 三美』ですぅ!さっきはありがとうですぅ。」

「ああ、うん・・・それよりも君達はこの層は今何日め?」


何はともあれ、情報が欲しいな。それよりも2人も僕と同じ黒髪だね。

アヤは肩よりちょっと下まで伸ばして、ミミは肩の辺りで揃えている。


「私達は30日目ね。ジンは何日目?それとここまで1人で?」

「僕は20日目だね。後、僕は1人だね。それに、君達が初めてこの塔を探索し始めて会った人だね。」

「ふーん・・・あの狼、1人でヤッタんだ?」

「うん。殺したよ?足噛まれたけど・・・」


あれは痛かった。殺した後の身体能力が上がった時に治ったけどさ。


「うへぇ・・・私達でも、1人殺されてるのにぃ・・・ジン君強いんですねぇ?」

「まぁね・・・それより僕はここで失礼するね?流石にこれ以上は野宿の場所探さないとまずいし。」


もう、日も落ちようとしていて暗くなるとここらは人形が活発に動くので危険だ。


「待って。私達も一緒に良いかしら?1人よりも3人の方が良いでしょ?」

「おぉ!アヤ、それは良いですねぇ?ささぁ、ジン君行きますよぉ?」

「え、良いの?僕としては有難いけどさ。」


こうして、僕は2人も野宿仲間が出来た。


とりあえず、二人登場ですよー!!

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