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海賊団

おっさんを連れて洞窟の中に入ると新しくマップが広がる。

結構複雑なようで。なるほど。これなら隠れ家に丁度いい。

それでも帝都とはかなり離れるわけではない。街道から近いから商人や旅人に変装して物資を調達出来そうだな。

マップの端に海と繋がっているエリアが見つかる。

そこには8人程の人がいるようだ。これがおっさんの部下だろう。


洞窟の中には大きな蝙蝠の反応がチラホラあるがこれがモンスターだろう。

俺はおっさんを降ろすとどさっと音を立てておっさんが崩れ落ちた。

同時にステルスを解除する。そうしないとおっさんから俺が見えないしな。


「こ…腰が抜けた」


「おいおい大丈夫かよ?」


「あんな曲芸されて大丈夫な奴いるわけないだろ!」


そりゃそうだ。牢屋から出て車並みの速度で走り、更にそこから超ジャンプ、あーんど空を飛ぶなんて俺でもおっさんの立場だったら腰が抜けるだろう。

おっさんがマトモに立てるように数分かかったが、高速で脱出したのでまだ気づいてないはずだ。飯の時間までまだ2時間以上余裕がある。


「よし…俺のアジトへ案内するぜ。…そういやまだ互いに自己紹介してなかったな。俺の名はバルバロッサだ」


「俺の名前は藤堂・正樹。マサキで呼んでくれていいぞ」


「マサキだな。あんたは俺の…いや、俺らの恩人だ。全力で力を貸すぜ」


「それは無事この帝国を脱出してからだな。あの透明になるのは船に適応されるとかは期待するなよ?俺もまだどこまでが範囲なのかわかってないんだからな」


「ああ。じゃあいくぜ。こっちだ」


おっさんは洞窟の入口にあった大きな岩をどけると何かスイッチらしきものが出てきた。それを足で押すとゴトンと大きな音を立てて一部の岩の壁が回転しドアになっていた。

こんな仕組みがあったのかとマップを拡大するとその先は通路になっていた。スイッチやドアまでは流石にマップでは表示されないようだな。


おっさんの道案内で進むとこの通路ではモンスターとは遭遇しないようになっている。

ここ以外のルートを通ると確実にモンスターと鉢合わせする仕組みか。

歩きながら次にとる行動を考えているとバルバロッサが不意に俺に声を掛けてきた。


「マサキの旦那。何であんな便利な能力あったのに帝国に仕えなかったんだ?俺がいうのもなんだけどよ、あんな能力があったら将軍にもなれるぜ?」


「ああ、そのことか。実はな」


歩きながらバルバロッサに召喚されてからの経緯を伝える。

従属の首輪を付けられそうになったこと。

だがそれを完全に無効化して牢屋に放り込まれたことくらいだったがな。


「勝手に呼び出して奴隷にする国になんて仕えられるか」


「同意だ。俺の方も海賊仲間と軍団で応戦してたが……散り、裏切られ、このざまだ。もう残った海賊で帝国の息がかかってない奴なんて極僅かしかいねぇよ」


「あの軍船の数じゃな…」


「数年前はまだこの国も大人しかったんだがよ。急に軍備を増強しだして大量の新型の船を建造して色々な国に宣戦布告だ。この前も魔族や獣人の小さな国が落とされた…俺もそこで頑張ったんだがな…」


「魔族もいるんだな。この世界の事はまだよく知らないが魔族はやはり強いのか?」


「ああ。魔が付いてるからには魔法に長けた奴らが多いぜ。同時に剣や斧の腕もすげぇ。だが如何せん数が違いすぎた。魔王がいるっていう国ならこうはならなかったんだが…別の大陸だしよ。マサキの旦那。ついたぜ」


気づいたら旦那と付いてるが、呼ばれて悪い気はしないからこのままにしておこう。

通路の奥は木枠の扉が付いていて所々に腐食したような跡がある。

それに隙間から漂ってくるのは潮の香り…海が近いことを教えてくれる。





バルバロッサは扉を勢いよく開けると大きな声で叫んだ。


「おう!今帰ったぞお前ら!!」


「お…親分!!?」「生きてたんですかい!?あっしらてっきり死んだものかと」

「あ…足がある!生きてる!本物の親分だ!」


部下の奴らが泣きながらバルバロッサに駆け寄る。相当慕わられてたんだな。

これだけでも助けた甲斐があった。

扉を潜り大きな広間に出るとそこには立派な船。海賊船が目に入る。


「兄貴!!無事で良かった…!帝国の奴等に捕まったと聞いてたんですがあの一度入ったら出てこれない牢獄からどうやって逃げてこれたんですか?それに後ろのは誰ですか?」


船から丁寧な口調の男が出てくる。エプロンをつけてるのがシュールだ。

兄貴というからにはバルバロッサの弟か?


「お前らに紹介する。俺を助けてくれた大恩人のマサキの旦那だ!お前ら挨拶しろ!」


「「「うすっ!マサキの旦那!この度は有難うございました!!」」」


一斉に頭を下げられてしまった。

こういうのは慣れてない。だが、やはり礼を言われるのは嬉しいが、ここで調子にのってはいけない。まだ危機は脱してないんだ。


「俺もバルバロッサの手が必要だから助けたんだ。俺は今すぐに帝国から脱出したい。お前らの手を貸してくれ」


「へい!手を貸すのは当然ですが問題は…あの軍船をどうするかなんですが…」


問題はあのフリゲート艦だ。数隻程度なら振り切れるかもしれないが、あれだけの数だ。一斉に砲撃を加えられたらこんな船なんて木端微塵にされてしまう。

だから先手を打つ必要がある。それをする手段が今俺には合った。


「それについては俺に手がある。お前らは直ぐに荷物を積んで出港する準備を整えてくれ。食料はちゃんとあるか?」


「それはもう抜かりなく。前の街で補充したのが手付かずです」


「そうか。それなら今から積んで準備だけしてくれ。俺はあの軍船を何とかしてくる」


そういうと俺は『ウィング』を使い空を浮かぶと海賊の皆の表情が驚きに変わる。

こういう魔法は無いみたいだな。これも特有の魔法なのかもしれない。


「と…とんだ!?」「マサキの旦那空飛べるんですかい!?」

「その魔法ぜひ覚えたい…」


中には魔法使いもいるみたいだな。だが覚えても使いこなすにはMPが厳しいだろう。


「道具の手入れもしておけよ。ここには長く帰ってこれないと思ったほうが良い。行ってくる!」


『ウィング』の速度を上げて同時に『ステルス』『無敵』を発動させ、ステルス戦闘機と化したまま俺は軍港へと飛ぶ。今はバルバロッサが居ない分速度がより速く出せる。






あっという間に誰にも気づかれずに軍港の空へとたどり着いた。

そのままマップで人が居ない場所に降りるとスキルを組み直す。


近接するつもりはないから無音撃と近接戦闘能力は外そう。

代わりに入れるのは『水中呼吸』『泳ぎの達人』だ。二つとも水中に特化したパッシブスキルだな。


ステルス状態で俺は軍港の中に入り、数多くのフリゲート艦やキャラベル船などが目に入る。

念には念を押して人気が無い場所に移動して水中に入ると『水中呼吸』の恩恵で水の中でも呼吸は出来た。そのまま潜水してて泳いでもステルスは解除されないようだ。


『泳ぎの達人』で船の底にたどり着くとアクティブスキル『時限式ボマー』を発動。船底に付ける。時間は多めに見積もって2時間だ。出来る限り数多く付けて置くために長くした。


『時限式ボマー』を付けると『ステルス』が解除された。こういう作業をすると解除の判定に引っかかるようだな。移動する時は『ステルス』、設置は『時限式ボマー』で慎重に。移動する時間も加えて徐々に時間をずらしていく。


1時間も水中にいるが身体能力上昇と水中呼吸で疲れが全くない。作業がスムーズに進むが残り時間も少ない。早く済ませてしまおう。


残り20分で100隻以上の船底に『時限式ボマー』を取り付けた。

『時限式ボマー』の威力は人に当たったら大ダメージ。だがモンスターという判定で倒されたら爆発はしないという欠点がある。これの大きな利点は乗り物や破壊可能な建物を破壊できる事だ。

通常攻撃で破壊する壁も時間がかかるが、これを使えば一撃で粉砕するほどでこれならば船底に大きな穴をあけて沈ませることも可能だろう。

竜骨と呼ばれる部分に付けておいたから此処を破壊すればこの軍船も修復が出来ない筈だ。沈没してしまえば魔法でもなんとかするのは難しいはず。


『ステルス』を発動して静かに海から上がり、即座に『ウィング』で海賊船の元へ戻る。気分はダブル〇〇セブンだ。





海賊船へと戻ると既に出港準備が終えた海賊たちが目に入った。

仕事が速いのは良い。甲板の上でステルスを解除するとバルバロッサの子分達が一斉に声を上げる。




「「「「「おかえりなさいませ!大親分!」」」」」




気づいたら大親分になってた。どういう事だ。


パッシブスキル

移動速度増加(中)(ハイシーフ)

身体能力上昇(特大)(グラップラー)

隠密性能上昇(大)(アサシン)

MP自動回復(中)(マジックフェンサー)

HPMP自動回復(中)(ロードパラディン)

気配探知能力(大)(アサシン、ハイシーフ、テイマー、アーチャー系)

水中呼吸(汎用スキル)

泳ぎの達人(汎用スキル)


アクティブスキル

疾風の如く(アサシン)

時限式ボマー(ハイアルケミスト)


新しく組み込んだのはレベルが上がれば誰でも自動で覚える汎用スキルです。

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