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セメント・オブ・トリニティ  作者: makerSat
1.人と悪魔と精霊と
16/186

1-15

 国営塾の裏手を黒き魔が駆けていた。闇よりも濃い漆黒のかいなが、既にいくつもの命を絡め取った。

 かの者の行動に伴って、多数の人の子が地に伏す。戦線が保てない。

 混乱が場を支配していた。

「第五小隊! 壁を崩すな! そちらには町民が! おい、お前! そちら側から回って、野次馬を避難させて――」

 どおおぉんッ!

 破裂音に伴って、警邏隊員たちが立っていた地面が陥没した。警邏隊の部隊編成が崩れた。

『ふん。飽きたな』

 粗くなっていた隊の防壁の網を破り、悪魔が国営塾の正面へと飛んでいく。

 黒き背が遠ざかっていく。

「ま、まずい! 追え!」

 ブルタスが命を下すが、人間の足ではもはや追いつけないほどに、警邏隊員たちと悪魔との距離は離れてしまっている。

 天の下を闇が疾走する。

「危ないッ! 避けろおッッ!!」

 隊員の一人が叫んだ。

 彼の視線の先には、女児と少女がいる。

「せ、セレネくん!」

「――っ! ヴァン先生!」

 傍観を決め込んでいた人の子が、思わず駆け出した。


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