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セメント・オブ・トリニティ  作者: makerSat
1.人と悪魔と精霊と
11/186

1-10

 ぽたぽた。

 月明かりの中、二の腕や太ももから真っ赤な液体を滴らせ、人がか細い声で助けを求めている。

「……たす……けて……く……だ……」

 ざしゅっ。ぼとっ。

 右脚が地面に落ちた。

 四肢を失ったその姿は、残虐さを超えてどこか滑稽ですらあった。

 人は尊厳を奪われ、ただの物になろうとしている。

「……う……あ……」

 言葉すら失い、更には、瞳から光をも失う。

 命の灯火が消える。

 ざしゅっ。ぼとっ。

 地に転がった無機物には絶望の表情が浮かんでいた。しかし、それは正確ではない。それは既に物に成り下がったのだ。感情など無い。希望も絶望も感じ得ない。

 一帯を紅く染める六つのそれらは、肉片の集合体でしかないのだ。

「……五つ目……」


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