気づけば神様願い事
「終わったーー!」
やったよ!あの大量の書類が全て片付いた!これであの子のに取りかかれるね!
「神様!」
「………っち」
おい神様あんた今舌打ちしただろおい。
「仕方ないね。わかったよ」
神様は心底残念そうに呟いた。
「……ヒィヒィ言いながら仕事する君を見るの、面白かったのに」
おい鬼畜。こら鬼畜。本人の目の前でんなこと言うなよ。つか、手を動かせ。
わかったとか言いながら神様の手は全く動いていない。おいコラ神様。
「……わかったよ。でも、君が僕の質問に答えてくれるならね」
往生際が悪いぞ神様。まあ、いいけど。
「まず一個目、なんであの子の為にそこまで必死になれるの?」
ん〜。そりゃあ、やっぱあれでしょ。
「こうなってるのは私のせいだから」
それを聞いた神様は面白そうに口元を歪めた。
「僕のせいだとは思わないの?」
「そりゃ思ったさ。だから、今すぐにでもあの子の手続きをして欲しいです」
神様は口元の笑みを消し去り、仏頂面に戻った。
「じゃあ次の質問。もし、生き返れるとしたら、どうする?」
「生き返れる?そんなの愚問です」
もし、生き返っても戸籍ではとっくに死んでるんでしょ?
「生き返ったとして、私には居場所がありません」
戸籍がなければ、働くこともできないし、今時高校生を雇うとこも少ないだろう。
「そう。なら、転生は?」
「ああ、いいですね。記憶は消して欲しいですけど」
記憶なんてあっても、前世の延長みたいで面白くない。出来れば、まっさらなとこから始めたい。
「へぇ」
神様の口元に再び笑みが現れる。
「わかった。覚えておくよ。さあ、次で最後だ」
ごくり。さあ、どんな質問がくる!?
「君は……いや、なんでもない。質問は終わり。ちょっと手続きするから黙っててよ」
え?何が出るかと思いきや、終わり?まあいいや。じゃあ黙ってまーす。神様もちゃんと仕事してね?嘘はなしよ?
「わかってるよ。君もちゃんと黙ってってよ」
はいはーい。