アカイデンワ
『こんにちは、不使用電話番号利用センターです。アカイデンワが始まります。しばらくお待ちください。』
オレは電話をしたんだ。
友達に。
ピ、ポ、パ、ポ、ピ、ピ。
「おかけになった電話番号は現在使われておりません。」
うん?間違えたかな。 いつもと違うな。なんだろう。男の人の声だ。
オレはさいごまで聞くことにしたんだ。
「このまま使う場合は1を押してください。電話を切る場合はこのまま切ってください。」
「!?」
ここで切っておけばよかったんだ。
オレは結局好奇心に負けたのだ。
オレは1を押した。
プルルルルル
プルルルルル
プルルルルル
がちゃ
「お電話ありがとうございます。こちらは不使用電話番号利用センターです。また、ここまで来てしまったご利用者様は後戻りは出来ません。ご了承ください。」
ぶつっ
ツーツーツーツー…
「なんだったんだろう…つーか怖いな。意味不すぎ。後戻りって何なん――――」
プルルルルル!!
「!!!!!!」
オレはその時受話器を取った。
「……もしもし。」
「こんにちは、不使用電話番号利用センターです。ただいまそちらに向かっております。しばらくお待ちください。」
ガチャン!!
オレは反射的に受話器を置いた。
動悸がする。冷や汗は吹き出している。
怖い
恐ろしい
嫌だ
「…ハッ…ハッ…ハッ…なんだよ!?…ハッ…何なんだよ!?…ハッ…ハッ…ハッ…オレが何かし―――」
プルルルルル!!
「ひぃっ!!」
プルルルルル!!
出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない
“出たくない”
ガチャ
リ
「こんにちは、不使用電話番号利用センターです。ただいまそちらのお宅の扉の前に居ます。しばらくお待ちください。」
ぶつっ
オレはまたも反射的に受話器を置いた。
そして扉の方を見たんだ。何かが居る。何かが。
「はっ…はっ…はっ…い…嫌――――」
プルルルルル!!
「ひぎぃっ!?」
止まらない全身の震え。
吹き出す冷や汗。
すくむ足。
それでも、オレは受話器を取らざるを得なかった。なぜかって?わからないよ。なぜか受話器を取らざるを得なかったのさ。
ガチャ
「こんにちは、不使用電話番号利用センターです。ただいまそちらのお宅の扉の前に居ます。チャイムを押しますので扉を開けてください。」
ぶつっ
・
・
・
・
・
ぴーんぽーん♪
何でもないいつものチャイムが地獄の音に聞こえた。
「!!!!!!」
それでも、オレは―――
『おーい。〇〇?どした?』
「!」
友達だった。△△だ。
よかった…。
『○○?』
「あ…ああ!だっ…ダイジョブだ。っつーかおまえこそどした?突然。」
『あれ?連絡したぜ?』
「マジ?気付かなかった。丁度オレも話したいことがあってさぁ。」
オレは玄関の扉を受話器を持ったまま開けた。
そしたrう゛ぁdjpwふるぁcydかぎゃひ
電話は赤かった。
この電話は黒いはずだ。
近くには人がいる。
受話器を持って倒れている。
受話器からはこう聞こえた。
『こんにちは、不使用電話番号利用センターです。ただいまそちらのお宅におります。アカイデンワは終わりました。』




