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3話 現状の把握!え?死亡フラグ!?
Dearというゲームは、私が当時高校1年の時にフルコンプリートした乙女ゲームだ。
もしも、夢を見るにしても、トリップする乙女ゲームがあるにしても、私は、絶対に、このDearというゲームは選ばない。なぜなら、姉から借りた、このゲームの趣旨が“狂愛されたい”だった。選択肢を選び、進んでいくうちに攻略対象キャラクターが、高確率で病んでいく。各キャラクターのトゥルーエンド以外は、主人公が死亡するという結末。高校1年の、純粋な私には、かなり、ショッキングだった。
鏡を睨み付けて、今の自分の姿を、目に焼き付ける――――夢だとしても、死にたくない。
「絶対、生き残ってみせる!」
自分に喝を入れ、風呂に入り、自分の部屋に行く。
風呂場を探すついでに無駄に広い家を歩き回って、部屋の配置を確認して自分の部屋を見つけたから完璧だ。これからDearの主人公として生活しないといけないのだから記憶の整理と、情報収集をしなくちゃ! 攻略対象達のLOVE度を上げなければイベントは起きないしね。
目指すは死亡フラグを総回避!