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Dear 狂愛  作者: みの
26/30

24話 弟視点:姉貴!!?

視点:弟・綾


 姉貴が刺されたって聞いたときには、寝呆けたこと言ってんなって感じで信じられなかった。緊急手術後、病室に行ってベッドに横たわる青白い顔をした少女を見たら、もう頭が真っ白になって息ができなくなった。間違いなく、俺の一番大切な姉貴。

 出血は多かったが、命に別状はないと医者が言っていた。もう麻酔も切れて目を覚ましてもいいのに、姉貴の瞼は貝のように閉じたまま。


「早く目ぇ開けろよ……」


 勝手にくたばんな告白したばっかだろ、返事聞かせろよ。


 綺麗な顔で姉貴がベッドの横たわっている姿は、眠り姫。眠り姫なら王子のキスで目覚める。


「そんな簡単なことで目がさめるわけないか……俺を一人にすんなよ、トワ…」


 姉貴のベッドの横に立ち尽くす。


 なんで姉貴が刺されたんだ……刺したのは誰? ノリ兄か? どっちにしても姉貴をこんなめに合わせた奴を同じ…それ以上に怖い目を見せなきゃ気がすまねぇ!


 暗い思考に気をとられていた時、病室の外から物音がして、我に帰る。閉じられた病室の扉を睨む。


 姉貴を刺した奴でも来たのか?


 ドカッと大きな音をさせて入ってきたのは……「綾!」「アヤ!」


「親父!? お袋!?」


「ふふ、やだ~パパ、ママでしょう? 綾ったら」


 ニコニコと笑顔で息子の頬を抓るな! お袋!


「アヤ! ホームがカジってマジなの? トワはヤられたっテ?」


 親父日本語変すぎるから……


 大きな旅行鞄を両手に親父とお袋のお喋りがとまらない。聞いてるかはわからないが、一応姉貴が意識不明なことを伝える。


「トワちゃんが意識不明?! なんてことなのマイク!」


 マイク?……ああ、親父の名前か。聞きなれないから、ここで歌いだすのかと思った。ちなみにお袋の名前は明美あけみ


「OK!」


 親父が返事をして、姉貴に何をしだすかって、ええええぇぇキス!?


「親父!? 何してんだよ!」


「パパのキスだヨ」


 きょとんとして何か悪いことしたかって顔すんな!


「トワちゃんは昔からパパと結婚するって言って離れなかったものね!」


「パパはトワのデステニープリンス!」


「マイク!! 私とのことは遊びだったのね!」


「NO! アケミさんは僕のヴィーナス!クイーン!ジャスティス!! ジャパニーズおぶぎょうさまデス!」


 親父やっぱり日本語っていうか、知識そのものが変だろ!? 


「そんなんで姉貴の目が覚めるわけないだろ!?」


「もう綾ったら、嫉妬? 綾もしたかったの?」


「っ!!……はあ!? そ、そんなわけないだろ! だ、だれが(姉貴と)キキキキキ、キスなんて…」


「アヤはテレやネ! ん~~まっ!」


 親父の顔が急接近してきtkfじゃぽsjfぽあsfgぽ!?


「うぎゃーーーー!?」


 お、親父にキスされた……最悪!!! 


 とっさに親父を殴った。親父はOH!といいながらわざとらしく倒れる。


「こんなんで姉貴の目が覚めるわけなあ゛あぁ!?」


 姉貴は目を開けてじっとこちらを見ている。


「姉貴! 良かった……っ、心配かけさせんじゃねーよ」


 駆け寄ってそばによると、にっこり笑って答えてくれる。


「綾、心配かけてごめんなさいね」


「あねき?」


「……どうしたんですか? そんなに驚いた顔して、ふふふ」

 

 なんで姉貴が敬語? 俺の利き間違いか?


「お姉ちゃんですよ」


「そうよ綾、何言っているの? お姉ちゃんの顔を忘れたの?」


「ソウだよ! トワちゃんだヨ!」


 親父とお袋は姉貴だといっても信じられない。親父、お袋と楽しそうに話している口調も雰囲気も違う。違う。違う!



 目の前にいる異物、姉貴の皮を被った何だ?



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