透明な席
クラスに透明なやつがいる。
一番後ろの席。
皆、あいつの存在に気付いてない。クラス委員長も、先生すらも。
同じく一番後ろの席にいる僕は、あいつの動きから目が離せない。
いや、見えないから机を見ている。
朝礼。出欠確認で名前が呼ばれない。・・・さすがだ。
日直もまわってこない。・・・さすがだ。
完全に気配を消している。さすが見えないだけのことはある。
テストの時間。
前の席から順番にテスト用紙が回ってくる。
僕はあいつのテストはどうなのか確認しようとしたが、先生に阻まれた。
「カンニングはだめだぞ~」
・・・そういう手段で来たか。さすがだ。
テスト時間にあいつを確認することはできなかった。
放課後。
大変な事実に気づく。
あいつの机の横に、カバンがかけられていた。あいつの、カバン。
なぜ今まで気が付かなかったんだ。
これを持っているあいつを見たことがない。
これこそ、あいつの正体を突き止める一品。
僕はカバンに飛びつき、そっとカバンをあけた。
・・・
僕のカバンだった




