第十六章:交錯する想い
1月12日から更新止まってたぁ。
読んでもらったらちょっと理由わかるかも。。。
朝の光が窓から差し込み、柊木康介はゆっくりと目を覚ました。昨夜もなかなか眠れなかった。飛鳥への想いと、親友・圭一との友情。その間で揺れる自分に、どう折り合いをつければいいのか分からないまま、時間だけが過ぎていく。
「……行くか。」
ぼんやりとした頭を振り払うように呟き、康介は制服に袖を通した。学校へ向かうため玄関を開けると、いつものように飛鳥が待っていた。
「おはよう、康介くん!」
飛鳥の明るい笑顔に、康介の胸がチクリと痛む。
「おはよう、飛鳥。」
声をかけながらも、どこかぎこちなさを感じずにはいられなかった。飛鳥はそんな康介の様子に気づいたのか、小さく首を傾げた。
「最近、元気ないね。やっぱり寝不足?」
「まあ、そんなところかな。」
誤魔化すように答えながら、康介は歩き出した。飛鳥も並んで歩き出す。二人の間に流れる沈黙が、いつもとは違うもののように感じられた。
「康介くん、今日放課後、ちょっと時間ある?」
飛鳥が少し緊張した面持ちで問いかける。康介は驚きつつも頷いた。
「うん、別に予定はないけど。」
「じゃあ、ちょっと話したいことがあるから、屋上で待ってるね。」
飛鳥はそう言うと、少し微笑んだ。しかし、その笑顔はどこか寂しげにも見えた。
授業中も、康介の頭の中は飛鳥の言葉でいっぱいだった。
(話したいことって、なんだろう……?)
圭一との関係についてなのか、それとも――。考えれば考えるほど、不安と期待が入り混じる。
昼休みになり、康介は圭一と昼食を取ることになった。相変わらず明るい親友の姿に、康介は罪悪感を覚える。
「なあ、康介。」
「ん?」
「飛鳥と、最近よく一緒にいるよな?」
突然の指摘に、康介の手が止まる。
「……まあ、クラスメイトだしな。」
「そうだよな! 飛鳥も、お前と話すと落ち着くって言ってたし。なんか、いろいろ悩んでるみたいだから、支えてやってくれよ。」
圭一は笑いながら言ったが、その言葉が康介の胸に重くのしかかった。
「……ああ、わかってる。」
そう答えながらも、康介の心は沈んでいった。
放課後、約束通り康介は屋上へ向かった。そこにはすでに飛鳥がいて、夕日に染まる空を眺めていた。
「待たせた?」
「ううん、私も今来たところ。」
飛鳥は振り向き、少し笑った。しかし、その表情はやはりどこか影を落としているように見えた。
「康介くんに、ちゃんと話しておきたいことがあるの。」
「……うん。」
康介は緊張しながらも、彼女の言葉を待った。
「私ね、圭一くんのこと、すごく大切に思ってる。でも……」
飛鳥は言葉を選ぶように、ゆっくりと続けた。
「それが、本当に恋なのか分からなくなってきたの。」
康介の心臓が大きく跳ねる。
「康介くんと一緒にいると、すごく安心するし、楽しい。でも、それがどういう感情なのか、自分でも整理がつかないの。」
飛鳥の真剣な眼差しが、康介の心を強く揺さぶった。
「康介くんは、どう思う?」
その問いに、康介は答えを出せずにいた。飛鳥への想いを伝えるべきなのか、それとも……。
「俺は……」
声が詰まりそうになりながらも、康介は意を決して口を開いた――。