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属性と神の家

4時間目-基礎魔法学


「このように、魔法には様々な属性がある。一般的に生まれ持った属性に影響された髪や目を持つ。」


担任の日山先生の声が響く。魔法の授業だからか声がデカいおかげか、全く眠くならない。


「様々な属性があるがその中でも原初の属性であり、主属性と呼ばれる5つの属性がある。答えられる人はいるか?」


初々しい中学一年生、ちらほらと手が上がる。私?、見る専だ。


「それでは、稲葉」

当てられた金髪の少年を見る。同室の名前は覚えたがクラスメイト、特に異性はまだまだ覚えていない。


「えっと、日月水草火です」

「よし、正解だ。答えてくれてありがとう。稲葉が答えたようにこの5つの属性から様々な属性が生まれていった。例えば雷、氷、土、金、浮遊などだな。」


ちなみに私は水属性だ。授業といえどもまだ小学校の復習で目新しいことはない。まだ、めくりなれない教科書をめくり、時間を潰す。


「せんせー、月と日ってどっちが先に生まれたんですかー」

クラスがざわりと揺れる。

「ええっと、確かに原初の属性の中にも順番があって。月か日のどちらかが先と言われているが。諸説あるというか、情報不足というか。」


月と日は仲が悪い、と言われている。今は大分良くなったが、昔はお互いを呪うは、毒を混入するは、わざと治療しないは、大恋愛のはて生まれた月の家と日の家の子を生贄に捧げるは、さんざんだったらしい。

要するにかなり、センシティブな話題である。


質問をした男子はにやにやと笑っている。可愛そうなのは先生だ、日属性だが月も日もいる教室では中立を保たなくてはいけない。あんなに大きかった声も小さくなっている。


しかし、時間は先生に味方したようだ。救いのチャイムの音がなる。


「おおっと、授業は終わりだ。今日の5,6時間目は部活動見学だ。悔いのないようにな。」




昼休み


「月の家と日の家は、結局どのくらい仲が悪いの?」

「急に攻めるね、蓬ちゃん」

授業が始まって一日目。気づけば同室の四人で昼食を取ることになった。正直ぼっち飯を恐れていたので、大変運がいい。


「そうだね、私の親はあまり厳しくなかったけど、なんとなく日の家の子とはあんまり仲良くなれなかったかな。でも、神の家のほうがそういうの厳しいよ。」

学食の魚介カレーを教室で食べなから話を聞く。この学校の学食はやたら種類が多いい。


「確かに、少し前月神と日神の家の人達の間に子どもが出来て大問題になったらしいよ。親戚が話してた」

明良が口を挟む。


この世界には神の家という一族が存在する。一番最初に生まれた五人の魔法使いの血を引くらしいが、その五人から世界が始まったのならば全員血を引くのではという疑問はご法度だ。


昔は神の家とその他での差別や格差も酷かったらしいが、かなり良くなったらしい。今も神の家の子どもとご飯を食べている。良い時代に産まれたものだ。


神の家は属性の後ろに神の文字がつく。火属性の神の家だったら火神というように。



「その子どもって、どうなったの?」

蓬が質問する。最初は本ばかり読んでるイメージだったが、ご飯中は意外にも話しやすい。ご飯と授業以外ずっと読んでいるが、


「混属児だったせいで、めちゃくちゃ荒れて生贄に捧げる説まで出たらしいけど。今も元気に生きてるってさ」


一般的に魔法使いは自分の持つ属性に影響されてた髪と目を持つ。水属性なら青とか水色とかだ。でもたまに、水属性なのに赤い髪を持った子どもや草属性なのに銀色の髪を持つ子どもが産まれる。そういう子どもを属性が混じっている穢れた子どもとして、生贄に捧げた時代があったらしい。しかし、時代によってその習慣もなくなり、普通に生活できるようになった。本当に本当に良い時代だ。


「確か、わたしたちの先ぱ...   チャイムの音が響く


「それじゃぁ、部活動見学楽しも」

それぞれの道を選ぶため解散した。


今日の昼、私は一言も発していない。ずっと意味のない説明をしていた気がする。


(気にしても仕方がない、部活動見学いこ)


こうして、私は探検部へと向かった。






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