お試し部活動
3人分の視線を感じながらサインを書く。短い魔法使い生だが、これほど緊張感のあるサインは初めてだ。
なんとかサインを書き終わり、先輩へと提出する。書かれたサインを見て嬉しそうに頷く。私はこれからの魔法使い生において決意をした。危ない契約書には絶対にサインをしないと。
ややこしい道を通り抜け、部室へとやってきた。活動日は週三回、兼部okと緩めの部活だ。しかし、行方不明者がいるとか、そもそも探検するダンジョン自体危ないとか不安要素は大きい。どうしても、扉を開くのに躊躇する。扉には『新入生大募集中』『ダンジョンに入りたい方、お気軽にお尋ねください。*値段要相談』などなど、多くのポスターがベタベタ貼られている。なにごとも最初は緊張するものだ恐る恐るドアのぶに手を伸ばす。手をかけたところで気がついた、前回はここらへんで急に開いて痛い目にあったのだった。勇気を固めドアノブを開け
「邪魔だから、どいてくれないか」
真後ろから急に声がかかり叫びそうになる。
「す、すみません」
反射で謝り、横にどく。きれいな金髪がドビラの中に消える。金髪ということは日の家か鉱の家か、ほかの珍しい属性か。すれ違っただけで相手の属性を考えてしまうのは、魔法使いの悪い癖だ。
中から話し声が聞こえる。
「先輩、今年体験に誰も来ないんですけど」
「何人か体験に来たけどなー、まぁまだ一日目ですからね」
「そうか、外にいる一年邪魔だから早く返してや
おもいっきし扉が開く、何とか今回は避けることができた。
「あぁ、ごめんね。入りにくかったよね。」
優しそうな声を掛けてくれた先輩を見上げる。前回はいなっかた人だ。銀色の髪に金の目がよく映えている。この人が噂の混属児かと納得した。
日の家とか水の家とかは、魔法使いの持つ属性の丁寧な言い方だ。魔法使いは大抵、いや全員が属性を持っている。属性によって得意な魔法や、体質が変わったりする。その中で一番わかり易いのが見た目だ。どういう理論かしらないが、髪や目の色に影響を与える。おかげでこの世界の人々はかなりカラフルだ。属性によって色は決まっており、例えば水属性なら青や水色と決まっている。その中でも銀は月属性、金は日属性と決まっている。特に色が決まっていない属性もあるがそれはおいおい。例外な属性以外で自身の持っている属性と違う髪色や眼の色をしている魔法使いの子供を混属児という。
先輩に招かれて部室へと入る。部屋の中には見学の時にいた赤髪の先輩と夢奈の兄がいる、それとさっき邪魔といわれた金髪の先輩。部員は十人いると聞いていたが、ずいぶん少ない。
「よし、それでは部活動体験始めようか」
銀髪の先輩が嬉しそうに開始の合図をした。




