7回転目
「それでは分岐について説明させて頂きます、疑問質問等がございましたら遠慮なく仰って下さい」
真七海は呼び出しボタンの横に常設されたアンケート用紙を裏紙としてメモの用意をする。
「まず、先程申し上げた通り予知能力とは異なります。 分岐は一つの行いに対して二つの選択肢を持った場合に発生するもので、どちらか一方の行いを選択前に見る事が出来ます。 それを見た後に選択した行いをオモテ、選択しなかった行いはウラと呼ばれています」
「ねぇそれやっぱり予知能力なんじゃないかなぁ? 未来を見てから選択できるんだよね」
さっそく桜坊が軽く質問をした、真七美と鈴も現段階では同じ疑問を抱いてた。
「いえ、自分が取る行動をあらかじめ観測しているだけで、どちらを選んでも同等の結果に収束します」
「同等の結果? 例えば何かをするか、しないかの二択でも? あと見れる時間の長さとかは決まっているの?」
「その場合は分岐は発生しません、あくまで行いに対してなので、行動をしないというのは除外されます、また時間については私が説明しやすくする為に【見る】という表現を使ってしまいましたが、分岐は記憶に焼き付くようなイメージで捉えて頂けたらと思います、なので時間間隔はございません」
この説明に納得したのか三人から続けて質問が無かった為、サンディが捕捉を続ける。
「また二つの選択肢から、その一方を観測して自ら選択をしているようになっていますが、実際は例外を除いて分岐が発生した時点で選択も決まっているのです」
「なにそれ、じゃあ何の為にあるの?」
「生まれつき備わっている機能なので何の為にと聞かれてしまうと困るのですが、あえていうのであれば何も起こさない為に使います、想像通り使い方によっては利益を生むことも可能ですが、結果が収束してしまう為、あくまで一時的な利益となります、ですのでマナミが分岐を何に使いたかったかは不明ですが、お役には立てないでしょう」
「だってよ、残念だったね間中」
鈴が半笑いでからかう。
「うーん、なんか引っ掛かるんだよね、ねぇサンディ大事な事隠してない?」
「はい、ですが隠しているという表現には語弊があり、私の憶測になってしまうので伝えていない【ウラモード】の話がございます」