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6回転目

 「最初はグー、ジャンケン、ポン」

 「はい、私の勝ちね」

 

 サンディの地球初日の宿泊先は鈴の家に決定となった。

 

 「食事と宿まで提供して頂き誠にありがとうございます、ところで今行っていた手遊びは何でしょうか?」

 「ジャンケンね、これがグーで石に見立ててるの、これがチョキでハサミの役割、最後がパーで、ペーパーのパー、紙って意味ね。 ハサミで石を切る事は出来ないからグー対チョキのときはグーの勝ち、逆に紙は切れるからチョキ対パーのときはチョキの勝ち、紙は石を包む事が出来るからパー対グーはパーの勝ち、相手と同じ役が揃った場合と三人以上で場に全役が出たときは、あいこって言って仕切り直しになるの」


 「なるほど、ルールは分かりました。 でもなぜ勝敗が決まるのかが理解出来ておりません」

 「あれ? 説明ヘタだったかな?」

 鈴は完璧に近い説明を端的に伝えられたと思っていたので少し困惑した。

 「じゃあ私とサンディで一回やってみようか」

 「はい、分かりました」

 「最初はグー、ジャンケン、ポン」

 場は鈴がグー、サンディがパー、サンディの勝利。

 「なんとなく分かった? 今のはサンディの勝ちよ」

 「私の勝ち、ですか もしかして分岐を使ったらいけないルールでしょうか?」

 「分岐?」

 ジャンケンでは聞き馴染みのないワードに地球人三人の頭にクエスチョンマークが浮かぶ、その様子を察したサンディが切り出す。

 「すみません、もう一勝負宜しいでしょうか」

 「えぇ、もちろんいいわよ せーの最初はグー、ジャンケン、ポン」

 場は鈴がグーでサンディがパー、先程の同じ役が揃いサンディの勝利。

 「すごーい、サンちゃん連勝だね。 ジャンケン才能あるよ絶対」

 「申し訳ございません、もう一度!」

 「えぇ、いいわよ」

 初めてみせるサンディの熱気に押され、やや動揺する、そこから連続でジャンケンが行われた。

 あいこ、あいこ、サンディの勝利、サンディの勝利、サンディの勝利、サンディの勝利、あいこ、サンディの勝利、あいこ、サンディの勝利、サンディの勝利、あいこ、サンディの勝利。

 サンディはトータルで十連勝を果たした、さすがに不振に思う出来事に鈴が質問を投げ掛ける。

 「ねぇ、サンディあなたもしかして予知能力とか使えちゃう系? さっき言ってた分岐だっけ? あれがそうなの?」

 「予知能力とは違うのですが、私の居たところではこれを分岐と呼んでおりまして、皆さんの反応をみたときに地球では違う呼び名をしている可能性も想定したのですが、どうやらここでは特殊な能力みたいですね」

 

 一連の行動を静観していた真七海の眼が輝く瞬間を鈴は見逃さなかった。

 

 「間中、なに考えてんのかバレバレよ。 でもこれはゴトの危険もあるからね!」

 

 「なに言ってるんですが、これのどこがゴトだって言うんですか! サンディにしか出来ない立派な技術介入ですよ!!」


 (ゴト?技術介入?)

 今度はサンディの耳に聞き馴染みのない言葉が流れ込む。


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