第86話 階層ボスまでの道中
道中
十五階層を超えて十六階層まで来ました。
ここでやっと時計周りや反時計周りではなくなりました。
先行している冒険者さんの痕跡が五部屋x五部屋(十五マスx十五マス)の中心へ向かっているのです。
十五階層から降りて来て、右へ四部屋(十二マス)進み左へ曲がって二部屋(六マス)進んだ部屋まで行きます。
この部屋の左側の扉からこの階層の中心に向かうようです。これまでの進行ルートだと左側の扉なんて開けずに真っ直ぐ進むだけでした。
ここで急に進行ルートが変わったのです。
十五階層から降りて来て、右へ二部屋(六マス)進んで部屋の左側の扉から中心に向かうのでは駄目な理由はモンスターが出るからでしょうね。
わざわざ、遠回りしてでもモンスターとの戦闘を回避する理由は何なのでしょうか。
物資を運んでいる冒険者さんが脅威度Dや脅威度D+のモンスターに対応出来ないから? それとも危険な罠があって避けた方が良いから? 罠とモンスターの両方ってのもあるかも。
気になるなら行ってみれば良いのですが、マップピングを泣かせる転移系の罠があると思うと踏み込めません。
先行している冒険者さんが敢えて避けている理由がはっきりするまでは我慢です。十六階層で先行している冒険者さんの明らかな遠まわりした行動が気になります。
ここまでは時計周りや反時計周りでモンスターが出るの避けてたのは分かりますが、今回のは露骨すぎますからね。
十六階層から降りて来た十七階層は今までの様子と違っていました。階段のある部屋が広かったのです。
今までは三マスx三マスの部屋だったのですが、ここ十七階層の部屋は九マスx九マスの部屋です。この広さはエリアボスの間と同じ広さです。全ての方角の壁には均等に配置された三つの扉があります。
モンスターが出て来るような気配もありませんし、罠感知が働いていないので罠も無さそうです。扉の先の部屋がこの部屋と同じ広さなのか。
それとも三マスx三マスのように小さい部屋と繋がっているのかどうかも分かりません。
先行している冒険者さんの痕跡は左側の壁にある中央の扉にありました。
扉を開けて進んだ部屋は三マスx三マスです。右に曲がって行くらしく、次の扉は開けた先の部屋は不格好な部屋でした。
九マスx九マスの片隅が三マスx三マスに削られたような感じです。
この階層全体を十五マスx十五マスで考えると上からの階段のあった部屋が九マスx九マスだから、この部屋と重なる部分があって、その分だけ下への階段があるこの部屋の広さは小さくなったんだろうと思います。
カスミ:
青の勇者様。
ダンジョンの階層全体の広さは変わらないようですね。
ここより下もこれぐらいの広さが継続していくと思いますか?
タイチ:
たぶん、これよりも下へ行くほど広くなっていくと思うよ。
階層の広さだけでも約三十メートルしかないんだから、もっと広くなっても不思議ではないからね。
カスミ:
先行している冒険者さんの痕跡を辿っているだけですが、このままでも大丈夫ですかね?
タイチ:
このままで良いと思う。
カスミが心配しているようにヘタに転移の罠が部屋全体に仕掛けられていないとは断言出来ないからね。
今の所は先導者の後を追いかける形で良いんじゃないかな。
剣神ジョア:
私としてはモンスターがいないのが不満だな。
罠もたくさん仕掛けられていてもおかしくないし、モンスターとたくさん戦っていても不思議ではないはずだ。
何か不気味な感じがするってだけは伝えておこうかと・・・。
カスミ:
不気味な感じですか。
一応、気に留めておきますね。
青の勇者様。
次の二十階層も十階層と同じように階層ボス部屋の前で休もうと考えています。
進行ペースとしては問題なさそうですか?
タイチ:
そうだな。
昨日は一階層から十階層までだったよな。
それを考えると二十階層のボス部屋の前で休みを取るのは丁度良いかもな。
ここは十七階層だけど、休憩はした方が良い。
本当なら十五階層ぐらいで一度休憩を取った方が良かったんだけど、カスミが休憩取らずに進むから・・・。
カスミ:
何だかすみません。
では、ここで軽く休憩して二十階層のボス部屋まで進んでから今日は終わりにしようと思います。
十七階層の最後の部屋で休憩を取ります。
十八階層への階段の前です。ここで休憩を終えたら十八階層には直ぐに行けます。
おそらくですが、階段のある部屋は安全地帯と思います。ボス部屋の前の安全地帯は間違いないですが、階段のある部屋も安全地帯なんじゃないかと思います。
モンスターが出ないルートを通っているので何処でも安全地帯じゃないかと言われそうですが(;^_^A
ダンジョンファンタジアでも階段のある部屋が安全地帯だったからです。
ゲームではセーブエリアと呼んでいましたが、ボスを倒した後や階層が変わる階段のある場所はプレイヤーが途中でゲームを終えるには丁度良い区切りですからね。
ゲームではボス部屋の前は安全地帯じゃなかったので、ゲームとは少し違いがある部分もあるのかもしれません。ゲームを参考にして作られたのがランクSなのかもしれませんね。
ダンジョンを考えるなんて面倒だってことで参考にした可能性はあるかも。マス部屋が良い例ですから(;^_^A
ダンジョンファンタジアは結構やり込んだゲームです。
世界や国やスキルやクラスとかのシステム設定はゲームには無かったですから、きっとダンジョンの構造や仕様の一部だけをマネしたってことでしょうね。一部と言うよりはマス部屋だけな気もします。
二十階層以降もマス部屋と聞いていますから、エルフル遺跡群のランクSはダンジョンファンタジアの仕様を利用したダンジョンなのでしょうね。
十八階層、十九階層は、今まで通りで変わらずでした。十六階層と十七階層だけが特別な配置になっていたみたいです。
その理由までは分かりませんが、こんな感じの階層もあるよとぐらいに留めておきます。
二十階層も十階層のエリアボスの部屋までと異なっていました。
十階層の時は、階段のある部屋からニ部屋(六マス)進み、左に曲がるとボス部屋前の安全地帯でした。ここには冒険者さんが待機していました。
ですが、ここ二十階層では階段のある部屋から四部屋(十二マス)進んで左に曲がった部屋が階層ボスの部屋の前の安全地帯でした。安全地帯の配置が十階層とは異なっていたのです。
ここの安全地帯にも冒険者が待機していました。
冒険者さんたちが屈強な感じなので、ボス戦では彼らが戦って物資を運んで来た冒険者グループがボス部屋を通り抜けるのでしょうね。
二十階層の階層ボスを倒せば次の階層からは中層エリアに突入します。階層ボスは脅威度Cなので中層にも出るモンスターです。
どんなモンスターか気にはなりますが、今日のダンジョン探索は終わりにします。
明日は階層ボスを倒して三十階層を目指そうと思う今日このごろです。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




