第82話 ランクSに挑戦
ランクSへの挑戦開始 直前のお話
ランクSに挑戦する準備は整ったと思います。
武器や防具の用意は必要ないし、食料だけ確保出来ていれば大丈夫なはずです。
エルフル遺跡群までは馬車で行きます。
約半日ほどでランクSの入り口を管理する施設に到着することが出来ました。
女性受付:
こちらは【ランクS】専用の入場受付です。
Aランク冒険者の方はランクAの攻略の証と冒険者カードの提示をお願いします。
Sランク冒険者の方は冒険者カードの提示だけで構いません。
カスミ:
Sランク冒険者なら冒険者カードだけですね。
では、これが私の冒険者カードです。
受付の女性の方は私が差し出した冒険者カードを機械のような端末に差し込んで何かの操作を行います。
モニターのような物の画面を見ながらの作業ですが、私の冒険者情報を見て少し驚いた様子です。
他の冒険者ギルドの職員の方々なら、大きな声で驚いていましたが、さすがはランクSの受付の職員です。
普段から受付で相手にするのはAランクやSランクの冒険者な訳ですから、少々のことでは驚かないのでしょうね。
あまり大きな声をあげて驚くような内容でもないのでしょう。
ランクAを攻略し挑戦権を得るようなAランク冒険者、レベル100超えの限界突破が最低限必要なSランク冒険者の冒険者カードを毎回確認しているなら、私のクラスが一般人って部分に驚くだろうけど、他に驚くような内容の冒険者カードではないはずですからね。
(女性受付):
この女の子は、一般人で十六歳なのにレベル100やたくさんのスキルとか異常だわ。
危うく大きな声で驚きそうだったわ。
咄嗟に何とか我慢出来た私を褒めてあげたい。
カスミ:
ん?
受付の女性の方から私の冒険者カードの確認が終わったので返して貰います。これからランクSに関してもルールの説明があるそうです。
ダンジョン街のルールにランクSのルールが加わるだけなので、そこまで厳しいルールではないようです。
女性受付:
こちらはお返ししますね。
ランクSのみに設けられたルールがあります。
内容に関しては別途冊子を用意しております。必ず、読んで下さい。
ランクSの深い階層にいるSランク冒険者パーティーなどをサポートする冒険者が安全地帯に拠点を作っていたりしているので、その道中を邪魔しないようにして下さい。
困っているようでしたら、出来れば助けて貰えるとランクS管理局としては助かります。
手助けする時には、相手に救援が必要かどうか一言かけてからお願いします。
後、トラブルがあればこちらにもご報告下さい。
カスミ:
はい。分かりました。
冒険者ギルドとランクS管理局はどう違うのですか?
女性受付:
基本的なことは冒険者ギルドと同じです。
ランクS管理局はランクSを管理するだけに作られた冒険者ギルドの一部でしかありません。
私たち受付は冒険者ギルド所属の職員ですからね。
カスミ:
それって大変ですね。
女性受付:
ここの受付は他の国のランクSよりは良い待遇で有名ですよ。
他のランクSは辺境にあったり、一般人が生活するのには不便な所にあったりするし、住んでいる寮も安全とは言えないランクSもありますからね。
他のランクSと比べるとエルフル遺跡群への配属は凄く快適な生活が送れるので人気なのですよ。
そう言われると思い当たる部分があります。パルチ山の麓にあるランクSは魔の森を抜けて行かなければならない過酷な環境です。
ランクSに行くまでが大変だし、食料や生活用品の補給も補給部隊頼みだから街で贅沢な暮らしをするような贅沢は望めない。
ランクS管理局の建物は周辺のモンスターに襲われても大丈夫なように作られていますし、AランクやSランク冒険者さんもここにはいますから、脅威度の高いモンスターの対処もして貰えそうですからね。
不用意に外出した時が危険なぐらいで建物内であれば身の保証がされていると言っても安全かと言われると安全とは言えない環境ですからね。
まぁ、冒険者ギルド所属ならば、辺境手当みたいな手当が付くかもしれないのでランクSへの配属が終われば給料が楽しみなのかもしれませんけどね。
それに比べるとエルフル遺跡群のランクSは半日もあればエルフ領に行くことが出来るし、その道中も危険とは言えませんからね。
女性受付:
魔法のバッグの貸出はパーティーに一つしか貸出せません。
魔法のバッグの保有数が少ないのです。
ランクSの攻略にもなると何日も冒険者の方は戻って来ません。
魔法のバッグの貸出が百日返却されないとか普通にあります。
なので、冒険者の方には不便ですが、パーティーに一つしか貸出せません。
カスミ:
無限に入る魔法のバッグを一つ貸して貰えるってことですよね?
それだけあれば十分ですよ。
ランクSには私一人で挑戦しますから何も問題ありません。
女性受付:
お一人でランクSに挑戦されると言うのですか。
それは、余りにも無謀ではありませんか?
カスミ:
余り無理しないで行ける階層までなので、無理そうだったら戻って来ますよ。
一人で何処まで行けるか分かりませんが・・・。
女性受付:
厳しいと判断したら直ぐに戻って来て下さいね。
生きて帰ってくれば、次も挑戦出来ますからね。
カスミ:
私の力がどの階層まで通じるのか楽しみです。
では、ランクSへ行って来ます。
女性受付:
お気を付けて~。
受付の女性にランクSへの挑戦を告げて、ダンジョンの入り口へと向かいます。
ダンジョン街で見たダンジョンへの入り口とは違って、不気味な雰囲気のある入り口です。
ランクSの入り口にはいると一瞬だけでしたが何処かへ転移したような感覚に陥ります。これはランクEでは体験したこともない感覚です。
ここはランクSの上層の一階層です。ダンジョンの上層は一階層~二十階層までのことを指し、脅威度Dのモンスターが出ます。
二十階層に近づくと中層も近く脅威度D+のモンスターも出始めます。中層も下層付近になると脅威度C+のモンスターが出始めると言った感じで段々とモンスターが強くなって行きます。
十階層にはエリアボス、二十階層には階層ボスが登場します。
エリアボスは脅威度Dや脅威度D+のモンスターです。階層ボスは脅威度Cのモンスターです。
エリアボスや階層ボスのモンスターを倒すと転移魔法陣がある部屋に辿り着けます。転移魔法陣でダンジョン入り口に戻ることが出来るって事はダンジョン街でも同じだそうです。
最初に登場するモンスターは一体何だろう? と思う今日このごろです。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




