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ちっちゃな聖女は伝説の勇者様? ~TS勇者の異世界冒険禄~  作者: エグP
第四章 継承と覚醒

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第64話 緑の勇者 森蘭

緑の勇者と邂逅

 私たちは魔王ガリア様に会うべくグランドール帝国へ向かう準備をします。

首都グランドツールから転移門ゲートを使ってグランドール帝国へと行くことが早道だそうです。


 転移門ゲートは「脅威度B以上のモンスターの魔石と金貨五百枚」を用意出来れば誰でも使うことが出来ます。

 転移門ゲートが設置されている国も限られていますが長距離を一瞬で行けるので凄く便利です。


 五大国家にしか転移門ゲートは設置されていませんが、世界の脅威封印の地に転移門ゲートを設置するなんて青の勇者様は何を考えているのか分かりません。


 「アズアン聖神国 首都アズアン」「グランドワール王国 王都グランドワール」「グランホーク王国 王都グランホーク」「グランドール帝国 帝都グランドール」「グランドツール共和国 首都グランドツール」に設置されている召喚の間は言わば封印の要です。


 ここにある宝珠オーブが封印を起動させている魔道具です。

 宝珠オーブから力が抜けきると封印が解け、世界の脅威が解き放たれます。


 封印が解除されないように魔石を魔力を補充をしていますし、補充する魔石の移動・輸送を簡単にするべき転移門ゲートを設置しています。

 脅威度B以上の魔石は転移門ゲートの起動するだけのために集められている訳ではないってことだそうです。


 例えるなら、脅威度B以上の魔石が100の魔力を貯めることが出来るとします。


 転移門ゲートの使用に50の魔力を使うなら、転移門ゲート使用二回に一つの魔石で足りる訳で、何なら脅威度Bよりも脅威度の低いモンスターの魔石も利用出来るとするなら転移門ゲートの使用の魔石は余るはずです。


 その余った魔石や魔力を世界の脅威封印の宝珠オーブに使っていれば封印を継続していける訳です。

 転移門ゲートを設置した頃は建国と創世の時代ですから、高い魔力を持った魔石の確保とかも厳しかったはずなので、今のように安定して魔石を供給出来るようになるまでは脅威度の高い魔石を集めていたのでしょうね。


 安定した魔力の供給が出来るようになることも見越して、各ギルドの物資の輸送に仕組みにも転移門ゲートの技術を流用しているのでしょう。

 人は輸送出来ないですが、ギルド便の仕組みは縮小化された転移門ゲートの仕組みそのままなのだから。


 転移門ゲートの利用入り口(飛行機の搭乗口のような所?)へ向かおうとする私たちに向かって来る人たちがいます。

 おそらくは、最奥にいる黒髪の女性の護衛かガイドかなにかだろうと思われます。


 黒髪に緑色の服装をした女性です。その傍には聖職者と思われるような服装をした巨乳の女性。

 その一行から女性のガイドらしき人物がこちらへと駆け寄って来ました。


 (この世界の聖職者の女性は巨乳なの?)


女性ガイド:

魔剣のディーネ様ですね?

私達たちと少しお話宜しいでしょうか?


ディーネ:

ええ。私がディーネです。

それで()()()に何か御用でしょうか?


女性ガイド:

いえ。私たちはディーネ様にお話があります。

出来れば、他の方は控えていただきたいのです。


ディーネ:

それは出来ませんね。

私は、こちらのカスミール様にお仕えしております。

主人を無視してまでお話を聞くような無作法は持ち合わせておりません。


女性ガイド:

それでは仕方ありませんね。

ご一緒にお話を聞いていただけますか?


ディーネ:

カスミール様。

お話がしたいそうなので少しだけお時間をいただきます。


カスミ:

ええ。構わないです。


ディーネ:

主人の許可をいただけたので少しだけなら問題ありません。


女性ガイド:

それでは、こちらの部屋で私たちの相談を聞いて下さい。


 そういって案内された部屋の上座には緑色の服装の黒髪の女性が座り、その隣には聖職者と思われる女性が座ります。

 対面に私が座り、その隣にディーネさんが座ります。

 

 え? 従者なのに主人と一緒に座っても問題ないのかって?


 この場合は、先方の用事があるのはディーネさん。

私はディーネさんの主人だから座っているだけです。


 ただ、さきほどから黒髪の女性の視線が凄く気になります。

穴が開くんじゃないかと思うぐらい不躾に見られているのは分かります。


女性ガイド:

ディーネ様。

どうか私たちと一緒に世界の脅威と戦って貰えないでしょうか?


ディーネ:

お答えする前にお聞きしたいことがあります。

私に世界の脅威と戦えというのはどういう理由からですか?


女性ガイド:

こちらの方々は、緑の勇者 もり らん様と今代の聖女アンズ様です。

緑の勇者様と聖女アンズ様が女性の戦える者を望んでいらっしゃいます。

他の国で協力者として申し出られた方々が、女性への配慮をなさらない方ばかりで困っておりました。

グランドツール共和国へを赴いたタイミングで、ご高名な魔剣のディーネ様と出会ったという訳です。

どうか私たちの願いを聞いたいただけないでしょうか?


ディーネ:

私にはカスミール様という主がいますし、今は主の使命があるので離れる訳にはいきません。

いずれ、お力になれることもあるでしょうが、今は無理としか言えません。

私たちは、グランホーク王国へ赴き、その後はグランドワール王国へ向かう予定です。

そこでの用件の内容まではお伝え出来ませんが、行く先と予定が決まっております。


緑の勇者:

それなら、私たちと一緒に行きましょうよ。

私たちもグランドワール王国に向かう用件もあることですし。

ご同行しても構わないですよね?


ディーネ:

お断りいたします。

私たちは目立つ行動を取りたくありません。

緑の勇者様が同行すれば目立たないなんてことはありませんからね。

この世界の習慣や常識や元の世界の習慣や常識とは異なっています。

もちろん、倫理観なども緑の勇者様とは異なるはずです。

例えば、今後私たちが向かう先に奴隷制度が行われている地域や国に行ったとしましょう。

「奴隷は駄目だから解放(手放)して下さい」と言ったトラブルを招かないとは限りません。

奴隷は必ずしも悪とは限りません。

生活が出来なく金を返すことが出来ない者は奴隷に身を落とすしかありませんからね。

解放された奴隷もお金が無く生活出来ないのです。

無闇に奴隷を解放すると奴隷商は損をするし解放された奴隷も野たれ死ぬかもしれません。

一人の奴隷を救った所で、この世界のもっとたくさんの奴隷がいます。

万を超える奴隷全てを無償で解放なんて出来ないのです。

勇者様のいたお国では奴隷制度はありませんが、この世界には奴隷制度はあるのです。

国が異なれば制度や法律なども変わります。

これは勇者様のいた世界でも同じではないでしょうか。

これは緑の勇者様の先代にあたる青の勇者様が語っていたそうです。

緑の勇者様のどんな行動か行為が目立ってしまうのか分からないので同行は遠慮して貰いたいのです。


緑の勇者:

それならディーネさんだけでも・・・


ディーネ:

今は主から離れて勇者様と行動を共にすることも出来ません。


緑の勇者:

異世界から来た私がこの世界のために世界の脅威と戦おうとしているのに、この世界の人は手伝ってさえも貰えない薄情な人なのですか?


(聖女アンズ):

これはいけませんわ。


(剣神ジョア):

そうだな。


(賢者アレク):

魔王ガリアよ。見ておるのだろう?

儂たちを青の勇者タイチ様の元へと運んでくれぬか?

ちと、不味いことになりそうだからの。

急いでくれると助かるぞ。


(魔王ガリア):

仕方ない。

青の勇者の元へ連れて行けば良いか?


(賢者アレク):

ああ。そうじゃ。

お主の力もカスミに貸して欲しいんじゃ。


(魔王ガリア):

分かった。

【転移】


 私とディーネさんは魔王ガリア様によって青の勇者様の元へと送られました。

後に残された緑の勇者様たちは急に消えた私たちに驚きを隠せなかったそうです。

 

 転移門ゲート以外で転移するなんてことは現在ではあり得ない話なのですから。

私は、こそっと「青の勇者の日記」と「聖女アンズの告白」の入ったマジックバッグを女性ガイドさんが気付けるように足元に置いておきました。


 気付いて貰えると良いなと思う今日このごろです。

ー補足ー

(賢者アレク)のような表現は他の人には聞こえていません。

カスミの頭の中での会話です。


評価やブックマークをしていただけると励みになります。


ーリメイク情報ー

終焉の起源をリメイクしています。

こちらの作品も宜しくお願いしますmm

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