第51話 賢者アレクと名乗る者
私の都合で申し訳ないですｍｍ
第四章は、通常よりもステータス回が多めです。
目の前が白くなったと思うと周囲から聞こえていた音が消えました。
先程までの人混みから聞こえていた人の話し声、人が歩く時に出た音、馬車の車輪が回る音など色んな音が急に聞こえなくなりました。
無音状態ようにキーンと耳鳴りがします。
しばらくして目が見えて来ると町から別の場所へと飛ばされたと直ぐに分かりました。
目の前には豪華な椅子が備え付けられている豪華な机があり、その向こうには何処かの書斎か図書館と思わせるぐらいの無数の本が並んだ本棚が見えます。
ついさっき椅子やテーブル付近を見た時には座っていなかったはずなのに・・・気が付けば豪華な椅子にはお爺さんが座っていました。
そのお爺さんは白髪、白くて長い眉毛、顎鬚。服装は真っ赤なローブを着ています。
この赤い服と白い髪や髭のある容姿から私にはサンタクロースかな？ と思いましたが、よ～く観察してみると違うと言えるんだけど、初見では勘違いしても仕方ないぐらい似ていました。
カスミ：
ここは何処ですか？
お爺さん：
ここは儂の部屋じゃの。
カスミ：
私はカスミールと言います。
お爺さんは誰ですか？
賢者アレク：
儂か？ 儂はかつては【賢者アレク】と名乗っていた者じゃ。
今は名も無きただの人じゃよ。適当に呼べば良い。
カスミ：
賢者アレク様ですか。
どうし・・・
賢者アレク：
お嬢ちゃんと呼べば良いかのう？
それとも新太郎くんと呼べば良いかのう？
カスミ：
どうして、その名前を知っているのですか？
賢者アレク：
フォフォフォフォ～儂が賢者と呼ばれているからじゃな。
まぁ、色々と説明していくから気楽に聞くが良いぞ。
ー賢者アレクの説明ー
世界の脅威が放つ波動を感じ取れるのは、勇者と世界の脅威討伐に関わることが出来る者しか感じ取ることが出来ないそうです。
世界の脅威の波動を感じ取った私（カスミール）を知ることが出来たから、ここへ導いたとのことでした。
酷い言い方をすると弱者には感じることさえ出来ない波動なのです。
（導いた？ 誘拐とか連れ去ったのでは？）
天眼（全てを真実を見抜く眼）を使って私（カスミール）の全てを解析したから、私（新太郎）が異世界から来た存在であることを知った。
今の段階で世界の脅威が放つ波動を感じ取れる者が何者であるか知りたかったからだそうです。
現在の私（カスミール）では緑の勇者様の足手纏いになると言われました。
レベル４０にも届いていないし、上級クラスでも役不足なのに中級クラスでは厳しいと・・・最低でもレベル１００で上級クラス以上は必要だそうです。
青の勇者様の勇者パーティーがそうだったから最低条件がレベル１００と上級クラス以上じゃないと封印止まりで討伐なんて出来そうにないらしいです。
緑の勇者様っていうのは、最近になって召喚に応じた私（新太郎）と同じ世界から来た日本人のことだそうです。
緑の勇者様は元の世界で亡くなった日本人だそうです。
『亡くなった時に転生かそのまま消滅かを選べるらしくて、転生を選択すると勇者として召喚される』と青の勇者様が語ったそうです。
（私（新太郎）の時には何も無かったのに？）
青の勇者様も元の世界で亡くなりこの世界に召喚された。
つまりは転生を選択したってことだそうです。
緑の勇者様も青の勇者様と同じ選択をしたから召喚されたってことみたいです。
召喚されるのは日本人だけなのか？ 二例しかない状態だから答えられないそうです。
青の勇者様以降で緑の勇者様が召喚されるまで誰も召喚されていないので検証に必要な情報が足りないそうです。
青の勇者様より以前の記録は無かったそうです。
私はこれから今では失われたクラス【賢者】に就けるまで特訓だそうです。
賢者アレク様曰く、スライムを倒すだけの簡単な特訓だと笑いながら言っていました。
賢者アレク：
では、特訓を始めようか。
この『プチジェルスライム』を魔法で倒すことが目標じゃ。
プチジェルスライムというモンスターはパチンコ玉ぐらいの大きさのスライムで賢者アレク様は赤い色のスライムを手にしていました。
賢者アレク：
この赤いスライムを火魔法で倒す。
他にも青いスライムは水魔法で倒すといった具合にスライムの色に合わせて魔法を使って倒すんじゃ。
ただし、正確にコアを撃ち抜かないと分裂するぞ。
一撃でとどめを刺さないと同じく分裂するぞ。
このスライムを百体ほど倒して貰う。
つまり、各属性が六つあるから合計六百体のプチジェルスライムを倒すだけじゃ。
どうだ。簡単なことだろう？
カスミ：
あのう。
私、初級の魔法しか使えませんが大丈夫でしょうか？
火魔法レベル５で【火球】のみ。
風魔法レベル５で【風刃】のみ。
水魔法レベル５で【水球】のみ。
土魔法レベル５で【石礫】のみ。
光魔法レベル５で【光矢】のみ。
闇魔法レベル５で【闇矢】のみ。
この六つしか使えません。
それと火魔法を使う場合のクラスは何が良いですか？
火魔法士ですか？ それとも魔法士ですか？
賢者アレク：
なんじゃと～。
カスミ：
ちなみにですが、プチジェルスライムはどれぐらいの威力の魔法で倒せるのですか？
賢者アレク：
火魔術スキルレベル４ぐらいで覚える【炎矢】程度であれば倒せるはずじゃ。
カスミ：
火魔術って何ですか？
賢者アレク：
・・・。
火魔法はレベル１０までしかないが、それ以上に熟練度を上げると火魔術レベル１となる。
その火魔術もレベル１０までしかない。それ以上の熟練度で火〇〇が使えるようになる。
火魔法のスキルレベルで考えると火魔法レベル２１以上に相当するな。
カスミ：
火魔術レベル１０以上が何を言っているのか分かりません。
賢者アレク：
上級クラス以上に関わる内容は教えることが出来んかった。すまん。すまん。
仕方ない。これを使って貰うしかないな。
カスミ：
この指輪は？
賢者アレク：
その外套の下に着ている「なりきり衣装 忍者服」と同じ「なりきり衣装 賢者のローブ」じゃ。
これを着ると賢者が持つスキルをまとめて覚えることが出来る。
指輪を着けてローブを装備するように考えると賢者のローブを装備出来る。
カスミ：
「なりきり衣装」って、どういうマジックアイテムなのですか？
賢者アレク：
これはの。
クラスチェンジに必要なスキルを覚えることが出来るようになるマジックアイテムじゃな。
忍者服だと忍者のクラスの解放条件を、賢者のローブだと賢者のクラスの解放条件を充たせるようになる。
ただし、忍者と賢者は上の方のクラスじゃから、そう簡単にはクラスの解放条件を充たさんがな。
カスミ：
他にもあるんですか？
賢者アレク：
なりきり衣装は、忍者服、賢者のローブ、聖職者の法衣の三つだけが確認されておるな。
他にあるかどうかまでは分からんな。
カスミ：
聖職者というのは？
賢者アレク：
聖職者は、男性なら聖者のクラス、女性なら聖女のクラスのことじゃな。
男性が聖女には就けないし、女性を聖者には就けない。
他にもあったような気もするが・・・忘れてしもうたの。
後、なりきり衣装を使うなら注意せねばならんことがある。
なりきり衣装のクラスチェンジ条件が満たされると壊れる。
一つのマジックアイテムで聖女などに就けるのは一人までとなる。
お主は女の子じゃからな。
戦闘中に忍者服が壊れると素っ裸になってしまうから注意だけはしておくように・・・。
指輪なら壊れても心配ないがの。
プチジェルスライムは早いので木偶に魔法を打ち込んで貰うぞ。
使う魔法が何でも構わないし、魔法職のクラスなら何でも構わないぞ。
カスミ：
ここには教会にあるような神の恩恵（ステータス）を更新する魔道具はありますか？
賢者アレク：
どうして必要なんじゃ？
カスミ：
どういう理由か分かりませんが、私のクラスやスキルは神の恩恵（ステータス）の更新が必要なのです。
神の恩恵（ステータス）の更新が出来ないとスキルレベルの確認が出来ませんし、新たに増えたスキルやクラスも使えません。
賢者アレク：
【天眼】
【解析】
ふむふむ。
どうやら儂にはお手上げのようじゃな。
神による制限が行われているようじゃ。
ただ、言えるのは現在のお主は弱いってことははっきりと言えるな。
カスミ：
そんな～（＞＜）
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
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